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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2024年12月22日
こんにちは。副院長の東です。
今年も残すところあと9日になりました。
インフルエンザ感染が増えてきています。
冬の乾燥対策をしっかりして、手洗いうがいを励行しましょう。
NBIとは??
当院では内視鏡検査の結果を、当日検査後に画像をすべて見せて説明します。
その際は、撮影した写真でのコマ送りのような形になります。
実際の画像はというと動画で、内視鏡はビデオスコープと呼ばれています。
ビデオで見ている映像を、写真で切り取っているイメージです。
適当に写真撮影しているわけではなく、キーとなる部位を漏れなく撮影し、結果的に全体を把握しています。
内視鏡で見ている画像を、ボタン一つで色合いを変える時があります。
この代表的なものが、NBI(Narrow Band Imaging)になります。
色を変えることで、ある部位を強調して観察しているのです。
それが、粘膜表面にある血管と細胞の表面構造なのです。
がんや炎症は血管が豊富なので、NBIの画像では赤色が黒色に変換されて見えます。
正常細胞とがん細胞は血管構造が異なります。
色合いの変化、形の変化を見て、がんの疑いをかけていくのです。
細胞の表面構造の変化にも違いがあって、がんは細胞が大きかったり小さかったり不均一なのです。
この2つの情報から、がんを疑うこと、そして病理組織検査に結び付けていきます。
内視鏡本体にその機能があるのではなく、観測装置にNBIシステムが必要なのです。
新しい機材を順次導入している施設であれば、まず間違いなくNBIを導入していると思います。
違いなく食道がん、胃がん、大腸がんの早期発見に寄与します。
ただ、重要なのは内視鏡医が映っている画像からがんを疑って診断していくことなのです。
実は、このNBIはオリンパス社製の内視鏡にしか搭載されていません。
オリンパス社製の内視鏡クリニックでなくてはいけないのですか??
そんなこともありません。
近年、フジフィルム社製の内視鏡を導入する施設も増えてきています。
フジフィルム製の内視鏡システムでは、BLIというNBIとほとんど同じ機能を搭載しています。
若干の色味の違いはあるものの、同等以上の機能を有していると思ってよいです。
内視鏡診断においては、
✓ 見えているものをきれいに映す
✓ がんを診断する補助的な色彩強調モード(NBI、BLI)がある
が大事です。新しい機器が導入されている施設を選ぶことをお勧めします。
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科学講師として、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。北里大学医学部消化器内科学非常勤講師。