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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2025年02月04日
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
今回は、食道がんは見つけるのが難しい?というお話です。
食道がんは、胃がんや大腸がんと比べると少ないのですが
治りにくく、再発もしやすく、
外科的手術、抗がん剤治療、放射線治療も侵襲が高くなります。
よって、胃がん、大腸がんよりも早期発見が大事になります。
食道がんの特徴的な所見としては、
色の変化:正常粘膜よりも赤みが強い部分や白くなる変化
粘膜の隆起や陥凹:平坦な隆起や小さな潰瘍が見られることがあります。
不規則な血管模様:異常な血管が表面に浮き出ている、太い、長い、不整な走行
狭窄:腫瘍によって食道の一部が狭くなることがあります。これはすでに進行している場合です。
内視鏡治療ができるものは、早期のもので、少しだけの色の変化、ほぼ平坦、
血管もあまり太くなっていない不整の少ないものとなります。
正直、内視鏡治療できるものは通常内視鏡では発見が困難です。
そこで我々は次のような特殊な観察方法をとります。
NBI(狭帯域光観察):血管構造を強調することで、早期の食道がんを検出しやすくします。ボタンひとつで変更することができます。
ルゴール染色法:ヨード液を使用して、正常な粘膜とがんの疑いのある部分を区別します。がんの可能性がある部分は染まらず、正常粘膜は染まります。
ルゴール染色は煩雑なために、食道がんのリスクが高い人や正確な診断が必要な場合などに用いています。
当院では、食道観察の際は必ずNBIを使用します。
早期食道がんを見逃さないように努力しています。
*通常観察の食道がん:やや粘膜が赤くなるのみの変化 ほぼわかりません。
*NBI観察で発見できた食道がん;食道がんは正常粘膜より茶色く見える
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。