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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2025年02月12日
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
今回は、「食道のつまりを感じる方」というお話です。
食道の病気で有名なのは、「逆流性食道炎」です。
これは、胃内の胃酸が食道に逆流することで
食道のむかつき、灼熱感、食道のつまりなどを感じます。
食事などの影響もありますが、食道と胃の境目が緩くなっている「食道裂孔ヘルニア」が原因のこともあります。
*逆流性食道炎 胃と食道の境目が開き、胃酸が逆流して炎症を伴っている
また、咽喉頭異常感症という女性に多い疾患もあります。
これは、のどから上部食道に何の病変もないのに食道のつまりを感じる事です。
これらの疾患はよく見るのですが、比較的珍しいのは「食道アカラシア」です。
食道アカラシアとは、食道の運動障害のひとつで、
主に食道の下部にある下部食道括約筋が適切に弛緩しないために、
食べ物や飲み物が胃へスムーズに送られなくなる疾患です。
逆流性食道炎とは逆のイメージです。
食べ物が胃から戻ってくるのではなく、胃の方に落ちていかず食道にとどまってしまいます。
これらの症状が生じます。
• 嚥下困難(えんげこんなん):固形物や液体の飲み込みが難しくなる
• 逆流:胃から食道へ食べ物が逆流する(吐き戻し)
• 胸痛:特に食後に胸の圧迫感や痛みを感じることがある
• 体重減少:食事が困難になり、徐々に体重が減少する
• 咳や誤嚥:特に就寝中に逆流したものが気道に入ることがある
内視鏡では、食道と胃の境目の狭窄、食道の拡張などがあります。
*胃と食道の境目が狭窄しており、1cm程度の直径しかない。食べ物が入ってきても開かない。
最近では、 POEM(経口内視鏡的筋切開術)
という治療法があり、内視鏡で完治することができます。
この治療を行うことでほぼ通常の食生活を送り、
食道の各種症状から解放されます。
食道アカラシアは慢性的な病気ですが、適切な治療を受けることで症状を改善し、生活の質を向上させることができます。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。