gototop

腹部工コー検査

Abdominal Ultrasonography

メインビジュアル

目次

エコー検査の概要

人間には聴くことができない高い音のことを超音波と呼びます。
エコー検査はこの高い音を発する機械(プローブ)を体の表面にあて、跳ね返ってきた(反射)音を画像に表し、リアルタイムで臓器の様子を観察する検査です。

エコー検査の仕組み<基本>

  • プローブが発した超音波は各臓器にあたって跳ね返ってくる(反射)
  • 反射された超音波をプローブが受け取り、画像を作成する
  • 臓器によって反射の強さが異なるため、画像を作成することができる

またエコー検査においては、肝臓(かんぞう)、胆嚢(たんのう)、膵臓(すいぞう)、腎臓(じんぞう)、脾臓(ひぞう)、腹部大動脈(ふくぶだいどうみゃく)を観察します。
膀胱に尿が溜まっている状態の時のみ、膀胱(ぼうこう)と前立腺(ぜんりつせん)/子宮・卵巣(しきゅう・らんそう)を見える範囲で観察することもあります。

エコー検査のメリット

  • 痛みがない

    • 専用のゼリーを使いながら身体に機械(プローブ)をあてるだけで検査を行うことができます
  • 被ばくしない

    • 年齢制限もなく、妊婦検診でも行われている検査です
  • 閉所恐怖症の方や大きな音が苦手な方も受けやすい

    • 照明を絞った部屋の中で検査をします(暗所が苦手な場合は部屋を明るくした状態で検査することも可能です)
    • 検査中大きな音が発生するようなことはありません
  • 物の性状の観察が得意

    • 臓器のざらつきやふちの滑らかさなどを観察して医師の診断のサポートをします
    • 肝臓の変化(脂肪肝、肝硬変など)の観察も得意です

気軽に受けられることが
エコー検査最大のメリットです

エコー検査のデメリット

01

肺、胃、腸はみえない

気体(ガス)のあるところは超音波が通りにくいためです

  • 気体(消化管ガス)があると超音波は通りにくい=胃と腸のあるところはよく見えない
  • 検査中は身体の向きを変えたり、プローブでお腹を押したりしてガスを移動させる
  • 検査用ゼリーを使うのは、プローブと体表面の間に空気が入らないようにするため
02

体格により見えやすさが変わる

  • 肥満の人:体が分厚いため深いところが見えにくくなります
  • 肥満(体に厚みがある)=超音波と内臓との距離が遠い
  • 距離が遠いと超音波が通りづらく、正常に反応できない
    =超音波が深い所まで届かないため、鮮明な画像が作れない
  • 痩せている人:超音波は深いところまでしっかり届きますが、骨のそばの臓器が見えにくいことがあります
  • 骨は超音波をすべて反射するため、その下にある臓器は画像化されなく(見えなく)なる
  • 一部の臓器は骨の隙間から覗くように観察することが必要
  • 痩せている人はプローブが骨にあたって、見えにくい場合がある
    →身体の厚みが薄い分、超音波はきちんと深いところまで届くというメリットもある
03

人の目で観察・記録するため、技術・経験の差が結果の差につながる

04

がんなどが「ある」か「ない」かだけを見るならCTの方が精度が高いことがある

下記に該当される方はエコー検査を受けてください

  • 健康診断で指摘された項目があった方
    01

    健康診断で指摘された項目があった方

    • 肝機能障害(AST,ALTが高い)
    • コレステロールが高い
    • 血糖が高い
  • 02

    がんが心配な方

    • 肝臓がん
    • 膵臓がん
    • 胆のうがん
    • 胆管がん
    • 腎臓がん  など
  • 03

    脂肪肝が気になる方

  • 04

    少し太ってきた方

  • 気になる症状がある方
    05

    気になる症状がある方

    • 胃痛
    • 腹痛
    • 胃もたれ
    • はきけ・嘔吐
    • みぞおちの痛み
    • 背中の痛み
    • 体重減少
    • 何となくお腹の調子が悪い
    • 食欲が少し落ちている
    • なんとなくやる気が起こらない
    • 下痢が続いている
    • 便の色が気になる
健康診断で指摘された項目があった方 気になる症状がある方

エコー検査を受ける場合の流れは下記を参照してください

知っておきたい肝臓の病気

肝臓は病気になっても痛みなどの自覚症状に乏しく、気が付いた時には手遅れになっていることが多いため「沈黙の臓器」と呼ばれています。

  • 01

    脂肪肝

    肝臓の細胞に脂肪がたくさん貯まっている状態です。
    お酒が原因のものとお酒を原因としないものの2種類があり、放置すると肝硬変、肝がんへと進行する場合があります。

  • 02

    肝臓がん

    原発性肝がん:肝臓そのものから発生したがん。主に肝細胞がんを指します。
    転移性肝がん:他の臓器のがんが肝臓に飛んできたもの
    肝がんは慢性肝炎、肝硬変を経るパターンが一般的です。

慢性肝炎の原因

  • 01

    C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルスの感染

    感染しないための対策が進んだり、薬による治療が可能になったことで今後は減少していくと思われます。

  • 02

    脂肪肝(脂肪性肝炎)

    今後増えて行く可能性があり、注意が必要です。現時点では生活習慣を改善する以外に防ぐ方法がありません。
    定期的な検査が重要です。

検査時の注意事項

  • 01

    検査6時間前からの絶食をお願い致します

    食べ物を消化する時、腸内にはガスが発生します。前述の通り超音波は気体のあるところは通りにくいため、 見えにくくなってしまいます。また、検査前の食事は胆のう(肝臓で作られた胆汁を蓄えている袋状の臓器)が見えなくなることにも繋がります。食べ物が入ってくると消化を助けるために蓄えていた胆汁を排出し、収縮する(=袋がしぼんで見えなくなる)ことになり、検査の精度が落ちてしまいます。

    • 胆のうの検査はエコー検査が一番得意です。小さな結石やポリープなどはCTでは見つけられない場合も多くあります
    検査6時間前からの絶食をお願い致します
  • 02

    検査前の水分摂取は水か麦茶で

    ジュースやコーヒー、牛乳は胆のうが収縮する可能性があるため避けてください。砂糖が入っていないお茶であれば基本的に検査に影響はありませんが、検査前排尿防止のため、緑茶や紅茶などカフェインが入っているお茶はお勧めしません。排尿後は膀胱や前立腺、子宮の観察が不十分になります。
    検査前の水分摂取は水か麦茶で

エコー検査にかかる時間と費用

検査時間 20分程度
スワイプして情報をご覧いただけます。
保険診療の場合 約1,800円(3割負担) 約1,200円(2割負担) 約600円(1割負担)
初診、再診により料金が変わります
自費診療や検診の場合 5,500円(税込)

諸注意

  • 原則検査前6時間の絶食。検査前の排尿は可能な限り避けてください。
  • 脱水を防ぐため、コップ1~2杯程度の水分(水、麦茶)は摂取してください。
    その際、検査直前の多量摂取は避けてください。
  • 上下分かれた服装でお越しください。検査時に着替えは行いません。
  • 検査は臨床検査技師が行います。

エコー検査とは

人間には聴くことができない高い音のことを超音波と呼びます。
イルカが餌の位置を特定したり、仲間とコミュニケーションをとったりするエコロケーションもこの超音波を使用していると言われています。 エコー検査はこの高い音を発する機械(プローブ)を体の表面にあて、跳ね返ってきた(反射)音を画像に表し、リアルタイムで臓器の様子を観察することができます。
被ばくしないため身体に無害であり、痛みもありません。妊婦検診でも行われており、老若男女問わず安心して受けていただける検査です。

健康診断の採血で肝機能障害(AST、ALTが高い)やコレステロール
血糖が高いと指摘された方は一度エコー検査を受けられることをお勧めします

腹部エコー検査では、5つの臓器(肝臓・胆のう・膵臓・脾臓・腎臓)を中心に異常がないかを調べていきます。
コレステロールは肝臓で合成されるため、肝臓に負担がかかったり、機能が悪くなったりすると数値が変化します。また、高血糖=糖尿病というわけではありません。膵臓や肝臓の異常や、がんが隠れている場合にも血糖値が高くなる場合があります。まずは痛みや被ばくの心配がないエコー検査で異常がないかを確認するのがお勧めです。
超音波は気体中に伝わりにくいため、肺や消化管(胃や腸)のガスが苦手です。当院では、上記5つの臓器の他に膀胱や前立腺、子宮などもできる範囲で観察します。しかし、腸が近くにあるのでガスでよく見えない場合もあります。その時は体の向きを変えたり、プローブでお腹を押したりしてガスを動かして見ます。
胃や腸の精査はエコー検査では難しいことが多いため、胃大腸内視鏡検査とあわせて受けることをお勧めします

骨は全く音が伝わらず、強く反射するためその下にあるものを見ることができません。肋骨のそばにある臓器などは骨の間からのぞくように観察します。
検査中息を吸っていただくのは肋骨の中に隠れていて見えにくい臓器を見るためです。息を吸うことで肺が広がり、横隔膜が下がります。横隔膜のすぐ下にある肝臓などの臓器は息を吸うことで肋骨の外に出るため観察しやすくなります。
観察しやすい状態に整えることは病気を早期に発見することにも繋がります。検査の際はご協力をお願い致します。

スワイプして情報をご覧いただけます。

エコー検査とがんの関係

日本人の死因1位の悪性新生物(がん)
日本は衛生面や医療技術の進歩により病気になっても治る時代を迎えつつありますが、寿命が延びたことでがんによる死亡率が増加したとも言われています。
がんの一番の原因は加齢です。
2019年のデータでは男女ともに2人に1人が一生のうちにがんと診断され、2020年のデータでは男性は4人に1人、女性は6人に1人ががんで亡くなっているとされています。

そもそも「がん」て何?

身体を構成する細胞の中にある遺伝子が傷つくことによって起こる病気です。
正常な細胞は寿命があるため増殖し続けることはありませんが、がん細胞には寿命がないため放置しておくと増え続けてかたまりを作ったり(腫瘍)、周りにしみでるようにして広がったり(浸潤)、飛び火して新たなかたまりを作ったり(転移)して、全身に広がっていきます。
一部のがんでは原因にウイルスなどの感染が関係している場合がありますが、がんそのものはヒトからヒトへうつることはありません

がんの早期発見のためにできること

技術や研究の進歩によりそれぞれのがんの特徴が解明され、がんは手術や薬などで治療できる病気になりつつあります。それでもがんにならないようにすることはできませんし、見つけないことには治療もできません。また、発見が遅れてしまえばできる治療が限られてくる場合もあります。
重要なのは禁煙や食生活の見直し、運動などでがんになりにくい体を作っていくこと、そして、少しでも早期発見できるように定期的な検査を受けることです。
当院では得意とする胃と大腸の内視鏡検査だけでなく、 腹部エコー検査による胃や腸以外の臓器のがんの早期発見、サプリや高濃度ビタミンC点滴などによる体質改善・がんになりにくい身体作りのお手伝いが可能です

がん罹患数の順位(2019年)

スワイプして情報をご覧いただけます。
1位 2位 3位 4位 5位
総数 大腸 乳房 前立腺 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸3位、直腸6位
男性 前立腺 大腸 肝臓 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸4位、直腸5位
女性 乳房 大腸 子宮 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸2位、直腸7位

出典:国立がん研究センターがん情報サービス
「がん統計」(全国がん登録)

がん死亡数の順位(2020年)

スワイプして情報をご覧いただけます。
1位 2位 3位 4位 5位
男女計 大腸 膵臓 肝臓 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸4位、直腸7位
男性 大腸 膵臓 肝臓 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸4位、直腸7位
女性 大腸 膵臓 乳房 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸3位、直腸10位

出典:国立がん研究センターがん情報サービス
「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)

脂肪肝と肝臓がん

肝臓について

肝臓はお腹の真ん中から右寄りにあり、成人で約1,000gと体内最大の臓器です。
肝臓の主な役割は食事から吸収した栄養分を取り込んで体に必要な成分に変え貯蔵すること、体内でつくられた有害物質や体外から摂取された有害物質を解毒し排出すること、脂肪の消化を助ける胆汁をつくることです。胆汁は、胆管を通して消化管に送られます。
肝臓が機能しなくなると人間は生きていくことができません。たとえば腎臓は血液透析、心臓は人工心臓で機能を維持することが可能ですが、人工的に肝臓に代わるはたらきをする「人工肝臓」は普及していません(研究はされているようです)。そのため、劇症肝炎や急性肝不全などで肝臓が機能しなくなって回復の見込みの無い場合には、早急に肝移植を行わなければ生命を維持することが困難となります。このように肝臓は私たちが生きていくうえで必要不可欠である非常に大切な臓器です。

沈黙の臓器

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれています。人間が生きていく上で必要不可欠でありながら、病気になっても痛みなどの自覚症状に乏しく、気がついた時には手遅れになってしまっているためです。
他にも腎臓、膵臓、卵巣も「沈黙の臓器」と呼ばれています。
いずれも腹部エコー検査で観察できますので、定期的な検査をお勧めします。 (卵巣はお腹の表面からでは観察しにくいことも多いため、婦人科を受診するとより安心です)

肝臓がん

2020年に肝臓がんで亡くなった方は約2万5千人と報告されています。これはがんの中では5番目に多い人数です。
肝臓がんは大まかに分けて二つに分類されます。肝臓そのものから発症した「原発性肝がん」、他の臓器のがんが肝臓に飛んできて腫瘍を形成する「転移性肝がん」です。原発性肝がんは、肝臓の細胞ががん化した「肝細胞がん」と肝臓の中を通る胆管ががん化した「肝内胆管がん」があり、治療法が異なることから区別されています。一般的には「肝がん」というと「肝細胞がん」のことを指します。「肝芽腫」という子ども特有の肝臓がんもありますが、こちらはまれで1年に50~70例程度と言われています。
肝細胞がんの原因は日本ではC型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルスの感染に伴う慢性肝炎、肝硬変からの発生が主とされています。それぞれの特徴を以下の表にまとめました。
C型肝炎ウイルス
感染経路 血液・体液の接触。傷口にウイルスに感染している人の血液が付着する、など。
過去には注射器の使いまわしや、血液凝固因子製剤の使用、輸血などによる感染例がある。
特徴 慢性化しやすい。薬でほとんどの人がウイルスを排除できるようになったが、症状の進行によっては薬の効果が期待できない場合がある。
肝硬変になると肝がんのリスクがあがる。
B型肝炎ウイルス
感染経路 血液・体液の接触。性的接触や出産時の母子感染
  • 現在は防止措置が行われているため、母子感染はほとんど心配なくなりました
特徴 劇症肝炎(急激に肝臓の機能が悪くなる状態)になる場合がある。
肝硬変まで進行していなくても肝がんが発見される場合がある。
薬でウイルスの増殖を抑制すること(ウイルスの排除はできない)が治療のメインだが、症状が進行しても薬により回復する場合がある。
感染予防のためのワクチンがある。
C型、B型肝炎は慢性化しやすく、年を重ねてから感染していることが発覚した時には すでに肝硬変になっていたり、肝がんが発見されたりすることがあります。
内視鏡検査の際に採血でC型肝炎、B型肝炎ウイルスの感染の有無をチェックするのはこういった経緯があるためです。これは体液に接触する可能性が高い医療従事者を守るだけでなく、感染を早期に発見して適切な治療を受けていただくためでもあります。
また、薬によりウイルスの排除や増殖の抑制に成功しても、肝がんになるリスクがなくなるわけではありません。治療後も定期的に検査を受ける必要があります。

脂肪肝のちょっと怖いはなし

脂肪肝とは、中性脂肪が肝臓の細胞に多く蓄積している状態をいいます。
アルコールが原因のものと、アルコールを原因としないものの2種類があります。

  • アルコール性脂肪肝
    • 飲酒をしすぎる人に起こる脂肪肝。
  • 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
    • アルコールを摂取していないのに起こる脂肪肝。メタボリックシンドローム(メタボ) との関連があると言われ、 進行しない非アルコール性脂肪肝(NAFL)進行する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に分けられます。
      80~90%は非アルコール性脂肪肝であり、それ以上進行しないことが一般的です。残りの10〜20%は非アルコール性脂肪性肝炎であり、 徐々に進行し肝硬変などに 発展することもあります。

肝硬変のこと

肝炎ウイルスの感染や過度な飲酒などにより、肝臓が硬くなった状態のことを肝硬変といいます。肝臓の細胞が壊れると壊れた部分を補うように線維が作られ、肝臓の中に壁ができていきます。さらに壁の中に細胞が再生して増えるため、壁に囲われた結節となります。この結節がたくさん集まった状態が肝硬変です。壁があることで細胞はある程度までしか増えられなくなり、肝臓は最終的に硬く、小さくなっていきます。
肝硬変になると、栄養を運ぶ血管の流れが悪くなったり、解毒がうまくできなくなったりして、お腹に水が溜まる(腹水)、体が黄色くなる(黄疸)、意識が朦朧とする(肝性脳症)などの症状が出てきます。また、肝がんのリスクが増加します。
ワクチンや医療器具の衛生管理など感染しないための対策が進んできたこと、薬による治療が可能になったことでC型・B型肝炎ウイルス感染による肝硬変の患者数が減少している一方で脂肪肝が原因の肝硬変が増加しつつあります。
脂肪肝を放置すると、肝炎から肝硬変、肝がんなどへと進行することもあります
。このことから脂肪肝は重篤な病気の前段階の状態といえます。
脂肪肝は生活習慣と関連して発症することが多いです。肝硬変などに進行していない脂肪肝の段階ならば、生活習慣を正しくすることで肝臓の状態が改善することも十分期待できます。アルコールの飲み過ぎを控え、肥満を改善して体重管理などを心がけることも大切です。

最新機器による脂肪肝の評価

これまでのエコー検査による脂肪肝の評価は、簡単にいうと医師・技師の目視と経験に基づくものでした。
ATI(Attenuation Imaging)は当院が採用した超音波診断装置に搭載されている脂肪肝の程度を数値で評価する機能です。
エコー検査では人間が聴くことのできない高い音を発する機械(プローブ)を体の表面にあて、跳ね返ってきた(反射)音を画像に表すことで、リアルタイムで臓器の様子を観察することができます。超音波には遠い(体の深い)ところに行けば行くほど減衰していく(弱くなっていく)性質があります。その減衰した音が機械に跳ね返ってきた時は通常よりも見えにくい画像が作成されます。同様に、内臓に分厚い脂肪がついている場合でも超音波は減衰していきます。
この性質を利用して、超音波の減衰量を数値化することで肝臓についている脂肪の量を評価する「減衰法」がエコー検査で使用できるようになりました。
脂肪肝が気になる方は是非エコー検査を受けてください。
これまでのエコー検査による脂肪肝の評価は、簡単にいうと医師・技師の目視と経験に基づくものでした。
ATI(Attenuation Imaging)は当院が採用した超音波装置に搭載されている脂肪肝の程度を数値で評価する機能です。
エコー検査では人間が聴くことのできない高い音を発する機械(プローブ)を体の表面にあて、跳ね返ってきた(反射)音を画像に表すことで、リアルタイムで臓器の様子を観察することができます。超音波には遠い(体の深い)ところに行けば行くほど減衰していく(弱くなっていく)性質があります。その減衰した音が機械に跳ね返ってきた時は通常よりも見えにくい画像が作成されます。同様に、内臓に分厚い脂肪がついている場合でも超音波は減衰していきます。
この性質を利用して、超音波の減衰量を数値化することで肝臓についている脂肪の量を評価する「減衰法」がエコー検査で使用できるようになりました。
脂肪肝が気になる方は是非エコー検査を受けてください。

エコー検査でわかる
主な疾患

脂肪肝

肝臓の細胞の中に脂肪が溜まった状態です。主な原因は、食生活によるもので、生活改善によって良くなっていきます。
放置すると肝硬変になる場合もあります。

腫瘍

体の中にできた何かしらの細胞のかたまりのことを言います。腫瘍と聞くとがんを思い浮かべがちですが、ポリープやいぼも腫瘍の一種です。
腫瘍には良性と悪性があり、このうち悪性の腫瘍がいわゆるがん(悪性新生物)になります。
良性と悪性の区別をつけるためにも精密検査が必要です。

嚢胞(のうほう)

液体の入った袋のようなものができることを言います。痛みなどの症状、害は基本的になく、病的意義のないものが ほとんどで、肝臓や腎臓で多くみられます。
膵臓にできたのう胞からは良悪性問わず腫瘍が発見されることがある
ため、精密検査が必要です。

血管腫

細い血管が無数に絡み合ってできた腫瘍状の塊のことで、肝臓によくみられます。
良性で経過観察が一般的ですが、他の腫瘍との区別が難しい時は精密検査が必要です。

血管筋脂肪種

血管、平滑筋(消化管や血管などの壁にみられる筋肉の一種)、脂肪の成分からできている良性の腫瘍で、腎臓によくみられます。
経過観察が一般的ですが、他の腫瘍との区別が難しい時は精密検査が必要です。

胆のうポリープ

胆のうにできる良性の隆起性病変(突起物)です。主な成分はコレステロールで、経過観察が一般的です。
数㎜程度の大きさのものが多く、CT検査等ではみつけられない場合もあります。
急速に大きくなった場合や1cmを超えている場合はがんの可能性が否定できないため、精密検査をしたうえで手術を行うこともあります。

胆のう結石(胆石)

胆汁の成分が固まって胆のう内に留まっているもののことを言います。
痛みなどの症状がなければ経過観察が一般的ですが、 胆のう炎を繰り返す、痛みが続くなどの場合は手術を行うこともあります。
胆石の他に胆のう壁肥厚や胆泥などがみられる場合は精密検査が必要なこともあります。

胆のう壁肥厚

胆のうの壁が一部または全体的に厚くなった状態です。
無症状なことが多いですが、胆のう炎や胆のう腺筋腫症などの病気が 原因で肥厚していることもあるため、精密検査を行うこともあります。
食後に検査を受けた場合にも胆のう壁肥厚がみられるため、空腹時での検査をご案内しています。

胆のう腺筋腫症

胆のうの壁が厚くなる病気で、壁の中に石や嚢胞ができることもあります。
壁の炎症が原因と考えられており、腺筋腫症そのものは無症状のため経過観察が一般的です。結石や胆のう炎を合併する場合があります。

胆管拡張

肝臓から十二指腸への胆汁の通り道が広がっている状態を言います。胆のうの手術後や加齢に伴い拡張がみられる場合もあります。
拡張の原因に結石や腫瘍が疑われる場合には精密検査が必要です。

脾腫

脾臓が通常よりも大きくなっている状態です。若年者では比較的多くみられます。
少しの腫大であれば問題ありませんが、 血液検査で異常所見があれば精密検査が必要なことがあります。

副脾

生まれつき脾臓の周りに脾臓と同じ働きをする小さな塊がある状態です。副脾が存在しても無害で特に問題はありません。

腎結石・尿路結石

腎臓や尿の通る道にできる結石です。痛みや血尿などの症状がなければ経過観察が一般的です。
腎臓の中にできた結石が尿管へ落ちると激しい痛みを引き起こすことがあります。

水腎症

尿路系の腫瘍や結石などにより尿の流れがせき止められ、腎臓の中に尿がたまって拡張した状態です。
一度は泌尿器科への受診をお勧めします。

馬蹄腎(ばていじん)

左右の腎臓の一部が生まれつき繋がっている状態です。馬の蹄の形に似ていることから馬蹄腎と呼ばれています。

腹部大動脈瘤

心臓が血液を送り出す最も太い血管が大動脈で、その壁がもろくなり膨らんでこぶのように突出したり、
風船のようになったりした状態を大動脈瘤といいます。原因の多くは高血圧と動脈硬化です。
5cm以上になると精密検査の上、治療が必要です。

腹水

お腹の中に液体が貯まっている状態のことを言います。
通常でも生理的に100ml未満の腹水が存在しますが、異常に増加する場合は精密検査が必要です。

検査前の注意事項

検査の時に食事をしてはいけないのはなぜ?

当院では原則、検査前6時間の絶食をお願いしております。
腹部エコー検査において飲食がどう影響するのか、以下にくわしくご説明します。

超音波は空気(ガス)のあるところは見えにくい

食べ物が体の中に入ると胃や腸で消化し、必要な栄養を吸収してから排泄されます。その消化・吸収の際に腸内細菌によりガスが発生します。 また、食事をする時には空気も一緒に食道に入り、胃や腸に移動します。エコー検査をする上では胃と大腸の近く=ガスがあって見えにくい場所で、 食事をする=ガスが発生するため、より見えにくくなるということです。 胃はみぞおちのあたり、腸はお腹の大部分にかかっているため、 ガスに隠れてほとんどみえなくなってしまうこともあります。 空腹時であれば発見できていた病気がガスに隠れて見えなくなってしまう可能性がありますので、絶食のご協力をお願い致します。

  • 糖尿病の患者様など、食事をしないことで体調が悪化する恐れのある方は医師と相談した上で時間の調整を行うこともございます。

胆のうが見えなくなる

胆のうの観察は画像検査の中ではエコー検査が一番得意です。
胆のうには肝臓の細胞で作られた胆汁を濃縮させて蓄えておく役割があり、食べ物が入ってくると蓄えていた胆汁を排出して消化を助けます。胆汁が蓄えられた状態の胆のうを超音波でみると洋梨のような形の袋状に映りますが、食事をすると胆汁が排出され、袋がしぼんで見えなくなってしまいます(収縮)。それは、胆石やポリープ、腫瘍があっても見つけられない可能性があるということです。
CTでは胆石や胆のうポリープが映らないこともあるため、エコー検査でしっかり観察することが重要です。
ジュースやコーヒー、牛乳なども胆のうの収縮を促進する可能性が高いため、検査前の摂取は避けてください。砂糖が入っていないお茶であれば基本的に検査に影響はありませんが、緑茶や紅茶などカフェインが入っているお茶はお勧めしません(利尿作用があるため)。排尿後は膀胱や前立腺、子宮が見えにくくなってしまいます。
検査前の水分摂取は水や麦茶でお願い致します。

絶食時の胆嚢

胆汁を蓄えている状態で、黒い袋状に描出されます。
ポリープや結石、腫瘍があればはっきり見えます。

食事後胆汁が排出されて収縮した胆嚢

胆汁を排出したため黒い部分が狭くなり、全体的に小さくなっています。この状態ではしっかり観察することができません。また、絶食時よりも壁が厚く描出され、壁が厚くなる病気との鑑別が難しくなります。

エコー検査を
ご希望される方へ

検査費用や検査時間など

検査時間 20分程度
スワイプして情報をご覧いただけます。
保険診療の場合 約1,800円(3割負担) 約1,200円(2割負担) 約600円(1割負担)
初診、再診により料金が変わります
自費診療や検診の場合 5,500円(税込)

些細な症状からでも全く問題ございません。
むしろがんの初期症状はない(気づきにくい)場合が多いため、
症状がなくても是非ご自身の健康とがんの早期発見のためにもエコー検査を受診してください。

お電話からの予約はこちら

受付 9:00〜19:00(土日-16:00まで)

045-914-7666

WEBからのご予約

WEBからのご予約なら、時間を気にせず
24時間・365日、お気軽にご予約いただけます。