MENU
閉じる
一般診療
General Practice
目次
大腸憩室出血はまれな症例ですが、前兆なく出血するため驚かれる方が多いです。
まれですが重症化することもあるため注意が必要です。
大腸憩室出血について解説します。
大腸憩室を持つほとんどの方は無症状ですが、まれに大腸憩室から出血することがあります。これが大腸憩室出血です。
頻度は大腸憩室炎の3分の1なのであまり多くはありません。
高齢者に多く、女性よりは男性に多い傾向にあります。
肥満は大腸憩室出血のリスクと報告されていますが、喫煙、飲酒がリスクを増加させるという報告はありません。
大腸憩室出血の死亡率は1%程度とされています。
大腸憩室を走行する動脈が突然裂けて出血を来します。
低用量アスピリンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の服用が出血のリスクを高めることが報告されています。最近、これらを内服する患者さんが増加しているため、大腸憩室出血は増加傾向にあるとされています。
腹痛を伴わない血便です。大量に出血している場合は頻回に血便が出ます。
また出血量が多いと貧血が進行し、ふらつきや意識障害も発症します。
全身状態や出血量によりますが、基本的には洗腸剤を服用し大腸内視鏡検査を行うのがゴールドスタンダードです。大腸憩室は右側結腸にも多く存在するため、回盲部まで到達する必要があります。洗腸剤を使用しない場合は、便が邪魔をするため回盲部まで到達することは非常に困難です。
大腸憩室からの出血や憩室内に露出血管が確認できれば、大腸憩室出血と診断できます。
また、造影CTで出血源を同定できることもあります。
憩室内に凝血塊(血液の塊)が詰まっています。このような憩室を1個1個洗いながら憩室内を観察して、出血源を同定します。
大腸憩室出血の自然止血率は70-90%とされています。
大腸内視鏡検査時にすでに止血していることがあります。
活動性出血や憩室内に露出血管や凝血塊(血の塊)などがある場合は、クリップ法で止血します。血管を直接クリッピングする方法と憩室の入口部をクリップでふさいでしまう方法が一番多用されています。
大腸憩室出血が疑われていも自然止血が多いため、「大腸憩室出血疑い」として原因がよくわからないままになることもあります。
また、再出血率は1年後で20-35%、2年後で33-42%とされています。
自分で判断するのは大変危険です!!
必ず消化器内科を受診しましょう。
血便の量が多い場合は緊急性があるため、早急に受診しましょう。
下部消化管(大腸)出血を疑う場合は大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が必要になります。
血便がある方は、最初から内視鏡検査ができる消化器内科を受診しましょう。
医師が緊急性を判断し、適切な検査、治療を行います。
当院の内視鏡治療の特徴は、「安全に苦しさと痛みに配慮した内視鏡検査を提供する」「見逃しのない高精度な観察を行う」ということです。
これまで培ってきた内視鏡検査の経験を十分に活かして高精度で安全な内視鏡検査、治療を行うように努めています。内視鏡を専門とする医師が、各臓器のポイント毎にどのような内視鏡操作を行えば苦しさと痛みに配慮した検査になるのかを熟知していますので、安心してお任せください。
そしてみなさま各人に合わせた、最適な量の鎮静剤を考えて検査をしています。こちらも多くの経験により検査が苦しさと、検査後もしっかりとした目覚め・気分不良がないように配慮するように努めています。
まずはお気軽にご相談ください。