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一般診療
General Practice
目次
頻回の下痢と腹痛は感染性胃腸炎かも知れません。重症化することもあるため、症状がひどい場合は、消化器内科を受診しましょう。
ウィルスや細菌などが胃腸に感染して起こる病気です。
ウイルスや細菌に汚染された食品や水を飲んだり食べたりすることで感染したり、どこかに付着した病原体に手指で触れることにより感染することもあります(接触感染)。
一般的に、夏には細菌性、冬にはウイルス性の胃腸炎が多く発生する傾向があります。
ロタウイルス、アデノウイルス、ノロウイルスなど
ルモネラ、カンピロバクター、病原性大腸菌、腸炎ビブリオ、エルシニア、ウェルシュ菌、黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌、リステリア菌など
病原体 | 原因 | 潜伏期間 |
ノロウィルス | 貝など。最近は感染した調理者が作った食品での感染も増加。 | 1~2日 |
ロタウィルス | 汚染された水、二枚貝 | 1~3日 |
リステリア菌 | 生乳、チーズなど | 1日から数週間 |
腸管出血性大腸菌 | 牛レバ刺しなどの生肉や加熱不十分な肉(ハンバーグなど) | 1~10日 |
腸炎ビブリオ | 魚介類(寿司、刺身など) | 8~24時間 |
サルモネラ菌 | 食肉(特に鶏肉)、卵 | 6時間~3日 |
カンピロバクター | 鶏肉 | 1~7日 |
黄色ブドウ球菌 | 汚染された食品(おにぎり、弁当など) | 1~3時間 |
エルシニア菌 | 食肉 | 2~3日 |
ウェルシュ菌 | カレー、スープなどの煮込み料理など | 6~18時間 |
急性胃腸炎はうつる可能性があります。特に人との関わり合いが強い場所である家庭内や保育園、学校、職場などでは人から人へうつる可能性が高くなります。
まず、嘔吐や下痢がひどい場合はなるべく外出せずに安静することが大事になります。
また感染した方は、手洗いや消毒はこまめに行うようにしましょう(帰宅時、食事前、トイレ後)。消毒はアルコール消毒が効果的だが、ノロウイルスやロタウイルスは抵抗力があります。ノロウイルスやロタウイルスが疑われる場合は次亜塩素酸ナトリウムが入った家庭用洗剤などで消毒すると効果的です。
家庭内に感染者がいる場合はなるべく感染者と接触しない、感染した物と接触しないようにしましょう。できれば感染者の隔離を行います。感染者と同じものを使わない→タオルの共用は中止(ペーパータオルの使用)、食器なども使い捨てのものを使用するなど。また、感染者の便や嘔吐物を処理する際は、使い捨てのマスクや手袋、エプロンなどをして正しく処理をするようにしましょう。
下痢が主体ですが、病原体によっては腹痛、胃痛、嘔吐、血便、発熱などが生じます。血便は、腸管出血性大腸菌とカンピロバクターで頻度が高いです。サルモネラ腸炎、チフス・パラチフス、細菌性赤痢などでも血便が生じることがあります。
どんな症状か、何を食べたか(1週間前まで聴取)。家庭や職場、学校における流行状況(患者の周りに急性胃腸炎に感染した患者がいないかどうか等)。
ウィルス性→便や腸液で迅速診断キットによる抗原検査。
細菌性→便や腸液を培養し、原因となる細菌を検出。
一般的には、個々の症状に応じて治療を行う対処療法が中心です。下痢の治療と下痢による脱水の治療がメインとなります。下痢止めは腸内にある病原体を体内にとどめてしまい、毒素を吸収してしまう可能性があるため基本的には使用しないことが多いです。整腸剤などの内服薬で腸内環境を回復させ、下痢の改善を期待して処方することもあります。細菌性胃腸炎では抗菌薬(抗生物質)を用いる場合もありますが、多くの場合は使用しません(医師の判断による)。脱水治療、予防のために病院では点滴を行うこともありますが、家では水分補給をしっかり行うことが重要です。
また、胃痛や嘔吐がある場合は症状によっては胃薬や吐き気止めなどが処方されることもあります。
胃腸炎の際の食事は、食物繊維や脂肪が少ない食品をやわらかく調理した料理が適しています。また香辛料などの刺激物、生物は避けましょう。
おかゆ、うどん、白身魚、脂身の少ないささみ肉、卵、豆腐などが適しています。
病原体は、基本的には加熱処理をすることで、死滅させることができます。
手洗いはこまめに行う(帰宅時、食事前、トイレ後)。消毒はアルコール消毒が効果的だが、ノロウイルスやロタウイルスは抵抗力があります。ノロウイルスやロタウイルスが疑われる場合は次亜塩素酸ナトリウムが入った家庭用洗剤などで消毒すると効果的です。
できれば感染者の隔離を行います。感染者と同じものを使わない→タオルの共用は中止(ペーパータオルの使用)、食器なども使い捨てのものを使用するなど。また、感染者の便や嘔吐物を処理する際は、使い捨てのマスクや手袋、エプロンなどをして正しく処理をするようにしましょう。
急性胃腸炎と診断された場合は、ほとんどが対症療法(整腸剤、水分摂取、安静など)で治癒することがほとんどです。
ただし、下痢が長引く、血便があるなどの症状がある方は大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が必要となる場合があります。
お困りの方は一度、当院へご相談ください。
適切な治療、検査をご提案させていただきます。