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一般診療
General Practice
目次
ピロリ菌の検査には内視鏡を使う方法では、胃の中の様子を観察すると同時に内視鏡により採取した胃の組織を用いて、「迅速ウレアーゼ試験」、「鏡検法」、「培養法」の検査をします。
内視鏡を使わない方法には、「抗体測定(血液検査、尿検査)」、「尿素呼気試験」、「便中抗原測定」があります。
これらを単独もしくは組み合わせて検査をしていきます。個人によって最適な検査方法が異なりますので担当医師にご相談ください。
ピロリ菌の検査は胃カメラの時に同時に行うことができます。内視鏡検査中に行う迅速ウレアーゼ試験や血液検査による血中ヘリコバクターピロリ抗体で調べます。尿素呼気試験と言われる息を袋に吹いてピロリ菌の検査を行う検査で追加することもあります。
ピロリ菌検査の保険適用は胃内視鏡検査によって「ピロリ菌感染胃炎(萎縮性胃炎)・胃潰瘍・十二指腸潰瘍」が確認された場合と「早期胃がんの内視鏡治療後・胃MALTリンパ腫・特発性血小板減少症」となっております。胃内視鏡検査を行わずに、ピロリ菌のみの検査を行うことはできませんし、早期胃がんの有無や胃炎の状態を評価せずにピロリ菌検索のみを行うのはナンセンスな行為です。
以前は、ピロリ菌感染胃炎は保険の適応外でしたが、平成25年2月より胃内視鏡検査で確認されたピロリ菌に感染している可能性のある胃炎もピロリ菌検査・除菌治療の保険適応となりました。ピロリ菌を除菌することで、胃がんになるリスクを下げることができますので、積極的なピロリ菌検査・除菌治療が推奨されております。
胃カメラを行い胃がんないことを確認しないと、ピロリ菌の検査や治療をする意味はありません。まずは胃がんの有無や胃の炎症の程度を胃カメラで確認することが優先です。
1年以内に胃カメラをしていない場合は一度胃カメラを受けられることをお勧めします。受診時に内服薬の有無などをお聞きしてから効果判定の日程を調整します。
胃粘膜の萎縮(胃の老化)が高度に進行すると、むしろピロリ菌が生息できない胃粘膜の状態となり、ピロリ菌が消失することがあり、このような場合ピロリ菌が陰性と判定されても、実は最も胃がんのリスクが高い状態にあり、注意が必要となってきますので、毎年の胃カメラでの検査が重要となってきます。
胃がんの全ての原因はピロリ菌だけではありませんので、ピロリ菌が陰性でも定期的な胃カメラが胃がんの早期発見には大変重要です。胃がん以外の胃の病気や食道、十二指腸の病気も観察する必要がありますので、1年に1回の胃カメラをお勧めします。
ピロリ菌は幼少期に感染することが大部分だと言われていますので、除菌後に再発することはまずありませんが、除菌後にもピロリ菌の影響で胃粘膜が薄くなった状態である萎縮性胃炎は残るため、除菌成功後にピロリ菌の検査は必要ありませんが、定期的な胃内視鏡検査が大切です。除菌することにより胃がんになるリスクは30~50%程度減少すると言われており、除菌することによって胃がんになるリスクがゼロになるわけではありませんので、注意が必要です。胃がんの進行は早いため、ピロリ菌が以前陽性だった方は特に注意して、1年に1回の胃内視鏡検査を受けることが大変重要となります。
原因として挙げられる可能性としては
以上の3点が原因として考えられます。
検診などの採血でピロリ菌を調べる検査として抗体測定法というものがあります。一度ピロリ菌に感染してしまうと採血で抗体が陽性となり、ピロリ菌感染が考えられます。除菌治療を行っても徐々に抗体価が低下していき、5年ほどで陰性となるため、除菌後5年間ぐらいは検診などの採血でピロリ菌陽性と診断されてしまうことがありますが、心配する必要はありません。5年以上経過しているにも関わらず、抗体陽性の場合にはきちんと除菌されていない可能性がありますので、別な方法でピロリ菌の検査をすることを考慮する必要があるかもしれません。