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おすすめ内視鏡豆知識
Endoscopist Doctor's Knowledge
直腸診とは検診などで医師が人差し指を肛門に挿入して(人差し指の長さでいうと約5cm程度だと思われます)、肛門より5cm程度入った下部直腸にがんやポリープなどができていないかどうかを調べる昔ながらの原始的な検査です。
検診での流れ作業の一部として、診察台の上に横向きにひざを曲げて寝かせられ、口を軽く開き、肩の力を抜いて、排便するように軽くいきむように指示があり、肛門の筋肉が緩んだ瞬間に医師から人差し指を肛門に挿入されるというなんとも恥ずかしい、屈辱的で嫌な検査だと患者さんからの言葉をよく耳にします。
大腸内視鏡検査などが普及していなかった昔の検診などでは当たり前のように広く用いられていましたが、一部の検診施設などでは現在も行われているようです。大腸の全長は約150cmもの長さがありますが、それを5cm程の人差し指で触れるだけの範囲のみで検査を終了し、大腸がん検査をした気になってしまう錯覚をいだかせる直腸診での検診は本当に怖いことだと思われます。
このように具体的に検査内容を説明されると、直腸診は大腸がんの検査としては全く意味がなく、これだけで大腸がん検査をした気になるのは間違っていることだと認識できますが、なんとなく受けている流れ作業での検診では思考が停止してしまい、意味の無い検査を受けていることすら忘れてしまう程です。
生活習慣の欧米化などにより大腸がんが急激に増加している現在、内視鏡検査機器の革新的な進歩により、熟練した内視鏡専門医による大腸内視鏡検査では、苦痛なく、楽に検査を受けることが可能となっておりますので大腸がん検査を意味の無い直腸診などで済ましてしまわずに、きちんと大腸内視鏡検査を受けられることを強くお勧め致します。