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おすすめ内視鏡豆知識
Endoscopist Doctor's Knowledge
ピロリ菌がいると胃の中はどうなるのでしょうか。
40歳代と70歳代の2人の患者さん(Aさん、Bさん)の胃内視鏡画像です。どちらが40歳代の胃でしょうか?
左のほうが40歳代、右のほうが70歳代です。
左の方の胃にはピロリ菌が存在し、右の方の胃にはピロリ菌が存在しません。
ピロリ菌がいると胃が慢性的に炎症を起こし、「萎縮性胃炎」となり胃の粘膜が薄くなり血管が良く見えるようにあります。またごつごつ、ざらざらとした粘膜となります。
70歳代 女性
無症状でしたが、友人に勧められて当院で胃カメラを受けられました。
採血検査でも異常はありませんでした。
胃の中央にへこんでいる部分を認めました。
生検にて、胃がんが検出されました。
大学病院で内視鏡治療を行い、「早期胃がん」と診断されました。
早期発見だったため、内視鏡治療のみで完治しました。
進行胃がんの場合は、手術に加え、抗がん剤や放射線治療が必要になることもあります。
萎縮性胃炎を認め、血管が透けてよく見えます。
また胃の粘膜ひだも消失しています。
一見して、ピロリ菌がいる胃だとわかります。
周辺がやや隆起して中央が白く陥凹した病変が確認できます。
インジゴカルミンという青い色素をかけると病変がしっかりと認識できます。
がんは出血しやすいため、液体をかけた刺激だけでわずかに出血しました。
このようにわかりにくい病変は、当クリニックで使用している内視鏡システム(画像が鮮明で視野の広いデジタルハイビジョン内視鏡とハイビジョンモニター)でなければ見逃されていたかも知れません。