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おすすめ内視鏡豆知識
Endoscopist Doctor's Knowledge
NSAID潰瘍とは、非ステロイド性消炎・鎮痛剤(Non-steroidal anti-inflammatory Drugs:NSAID)の使用により発症する消化性潰瘍のことです。
解熱目的や痛みや炎症を抑えたりする目的で使われるNSAIDを使用し続けると、胃炎や胃潰瘍が起こることがあります。
最近では、NSAID潰瘍の知識が広がりNSAIDを使用する際には胃薬を一緒に処方する医師が増えてきましたが、まだまだ発生率は高いです。
次のような方は注意しましょう。
症例は80歳代の男性です。腰痛のため、痛み止めの一種であるボルタレン座薬を使用していましたが、胃薬は処方されていませんでした。また、胃潰瘍の既往もありました。
大きな胃潰瘍を認めます。
大きな胃潰瘍の近くにあった小さな潰瘍の露出血管からじわじわと出血しています。
クリップで止血するところです。
矢印の先にあるのがクリップです。
クリップで止血したところです。
ピロリ菌は除菌済みでした。
食欲低下、ふらつきを認め、胃内視鏡検査を行いました。
多発する出血性胃潰瘍を認めました。潰瘍には血管が露出していて、じわじわと出血していました。このまま出血が続くと命の危険があります。クリップを用いて止血術を行いました。
その後、近隣の大学病院に入院し、点滴・輸血療法を行い無事に退院になりました。
NSAIDを長期的に使用する場合は、胃薬が必要か担当医に聞いてみましょう。