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Endoscopist Doctor's Knowledge

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「ピロリ菌を除菌したら、胃がんになりませんよね?」

  • 疾患・症例

ピロリ菌除菌後でも胃がんは発生します。

ピロリ菌の有無にかかわらず、定期的に胃内視鏡検査を受けましょう。

60歳代の男性の患者さんです。胃がんのリスク検診(ABC検診*)で「A群」と診断されましたが、胃レントゲン検査で「胃体下部小弯」に「粘膜不整」を指摘されたため、当クリニックを受診しました。

*ABC検診は胃がんのリスク検診です。その中でも「A群」は、血液検査でペプシノゲン検査が陰性、ピロリ菌抗体が陰性で胃がんのリスクが極めて低い状態です。

10年前にピロリ菌を除菌してからは、「除菌後は胃がんにならない」と思い込み、胃内視鏡検査を受けていませんでした。
胃レントゲン検査で異常を指摘された「胃体下部小弯」には胃潰瘍が治った傷跡がありました。

胃バリウム検査で異常を指摘された
「胃体下部小弯」には胃潰瘍が治った傷跡がありました。

上の写真とは違う場所に周囲がやや隆起し、
中央がやや発赤した病変を認めます。

さきほどの写真とは違う部位(胃レントゲン検査で異常を指摘された部位)に周囲がやや隆起し、中央がやや発赤した病変を認めます。
組織を採取したところ「胃がん」と診断されました。

注意点

ピロリ菌を除菌しても胃がんのリスクはゼロにならないため、定期的な胃内視鏡検査が必要です。
ABC検診という検査は、除菌後の方には有用ではありませんので受けないでください。

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