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データから見る日本における「がん」の現状

  • がん

生涯で「がん」になる部位別の確率

生涯で「がん」になる部位別の確率

現在、日本人の死因の第1位となっている「がん」ですが、男女それぞれで、かかりやすい「がん」や亡くなりやすい「がん」があり、その中でも食道・胃・大腸などの消化管の 「がん」が上位を占める傾向にあり、逆に言えばこれら消化管の「がん」を早期に発見して、早期治療することができれば亡くなるリスクを限りなく小さくすることが可能 となりますので、内視鏡検査による早期発見・早期治療 がより一層重要となります。近年の医療技術のめざましい進歩にも関わらず、男女とも「がん」での死亡数は確実に増加 の一途をたどっています。2018年の死亡数は年間約37万人にのぼり、1980年代の死亡数の約2倍と急激に増加しています。食生活やライフスタイルの欧米化や人口の高齢化が「がん」の急激な増加の大きな要因と推察されています。
生涯のうちに「がん」になるリスクは男性で約63%、女性で約48%と統計上なっており、男女とも2人に1人は「がん」になる傾向にあり、3人に1人が「がん」で亡くなる時代となってきています。一方でがんの生存率は様々な医療技術の進歩により明らかに上昇しています。
つまり、早期発見して、早期治療することにより「がん」の多くは治癒することが可能となり、生存率の増加につながるものと思われます。

「がん」になるリスクは男女ともに年齢が高くなるにつれて上昇する傾向にあります

「がん」になるリスクは男女ともに40歳後半ぐらいから増加し始め、年齢が高くなるにつれて次第に増加していく傾向にあります。
下記の左図のように、30歳代と40歳代は女性の方が「がん」になるリスクが高くなっていますが、乳がんや子宮・卵巣がんなどの女性特有の「がん」が若年層でかかるリスクが高いためと言えます。
男性では40歳後半から「がん」にかかるリスクや「がん」で亡くなるリスクが急増している傾向が読み取れます。男性の「がん」にかかる半数以上の原因が肥満や喫煙・飲酒などの生活習慣と推察されていますので、生活習慣を改善するだけで、「がん」になるリスクをかなりの確率で減らすことが可能となると思われます。

老夫婦の画像

男女ともに「がん」で亡くなるリスクは60歳代から急増しますので、高齢になるにつれてリスクが高くなる傾向にあり、「がん」にかかることは加齢による老化現象の一つと考えられます。
加齢は避けることができない事実ですが、正しい生活習慣を継続することによって、「がん」になるリスクを極力減らすことが可能となると考えられます。

例えば、肥満傾向の方は炭水化物の摂取を減らすなどの食事習慣や運動習慣の見直しを行って、ダイエットを行い、飲酒機会の多い方は飲酒量や飲酒回数を減らし、喫煙習慣のある方は禁煙することにより「がん」になるリスクをかなりの確率で減らすことが可能となると思われます。
最近の「がん」の傾向としては、大腸がんや乳がん、前立腺がんなどのがん」が食習慣やライフスタイルの欧米化に伴い急増していることがデータから読み取れます。その中でも特に乳製品や肉類の過剰な摂取や運動習慣の低下などにより大腸がんが急増している傾向が顕著となっています。

一方で、胃がんでの死亡者数は減少傾向にあります。
これは胃がんの大きな原因の一つであるヘリコバクターピロリ菌の感染率が低下していることによる、胃がんにかかるリスクの減少が大きく関与しており、また内視鏡検査の普及や内視鏡治療技術の大きな向上により胃がんで亡くなる方が減少している傾向にあることが要因と言えます。

年齢階級別の「がん」にかかる率

年齢階級別死亡率

年齢階級別の「がん」による死亡率

部位別がん年齢調整死亡率の推移の図

男性は胃がん・肺がん・大腸がんの順にかかりやすく、肺がん・胃がん・大腸がんの順で亡くなる傾向にあります

男性のかかりやすい「がん」の第1位に挙げられるのが「胃がん」ですが、逆に死亡率は年々低下してきております。
これは、内視鏡検査の普及や内視鏡治療技術の向上により内視鏡での早期発見・早期治療が格段に進歩したからだと思われます。
日本や韓国などのアジア諸国は胃がんにかかる割合が多い国の代表ですが、特に日本は世界的に見て、非常に「胃がん」にかかりやすい国であります。
「胃がん」の大きな原因としてヘリコバクターピロリ菌と塩分の過剰摂取が挙げられますが、日本は特に、味噌汁や漬け物、魚の干物などの摂取が多く、塩分の過剰摂取が昔からの食習慣として定着しており、「胃がん」の発生に大きく関与していると推察されています。
ヘリコバクターピロリ菌感染により胃粘膜の萎縮が進行するにつれて「胃がん」のリスクが高まるため、ヘリコバクターピロリ菌の除菌治療が強く推奨されております。
早期胃がんなどでは自覚症状が出ることはまずないため、早期発見・早期治療のためには定期的な内視鏡検査がより重要となってきます。

「がん」にかかる部位

がんにかかる部位の図

臓器別の「がん」年齢調整死亡率の変化

部位別がん年齢調整死亡率の推移の図

女性は乳がん・大腸がん・胃がんの順にかかりやすく、大腸がん・乳がん・胃がんの順で亡くなる傾向にあります

女性のがん死因の第1位に挙げられる「大腸がん」ですが、かかりやすさでも第2位となっており、乳製品や肉類などを過剰摂取する食習慣の欧米化で近年急増しており、今後も増え続けることが予想されています。
2020年には男女ともがん死因の第1位になると統計上推察されており、急増の一途をたどっています。

動物性脂肪を多く含む乳製品やハム・ベーコンなどの加工肉や豚・牛などの赤肉を多く摂取する方は「大腸がん」になりやすいと言われています。喫煙、アルコールの過剰摂取、肥満なども「大腸がん」にかかるリスクが増大すると言われていますが、中でも動物性脂肪や炭水化物などを過剰に摂取することにより引き起こされる肥満が大きく関与していることが最近の研究により明らかになってきております。

また、「大腸がん」は遺伝との関係も密接と言われておりますので、直系の親族に「大腸がん」の方がいる場合には、より注意が必要と思われます。
「大腸がん」は男女ともかかる人の数が死亡数の約2倍となっており、これは大腸がんの生存率が比較的高いことと大きく関係しており、「大腸がん」は症状が出る前の段階で内視鏡検査で発見することができれば、ほぼ100%近い確率で完治することを意味しているものと思われますので、早期発見・早期治療が大変重要となります。

「がん」にかかる部位

がんにかかる部位の図

臓器別の「がん」年齢調整死亡率の変化

部位別がん年齢調整死亡率の推移の図

健康のためのたった5つの生活習慣を実行するだけで「がん」になるリスク半減します

私が以前勤務していた国立がん研究センター中央病院のがん予防・検診研究センター予防研究部のデータによると「喫煙」「飲酒」「食事」「身体活動」「体型」「感染」のうち「感染」以外の5つの要因は普段の生活習慣に密接に関係していることであり、普段から自分で気を付ける事により、改善できる生活習慣であると言えます。
この5つの生活習慣をきちんと全て実践することにより「がん」になるリスクが約半分になるというデータが示されています。

下記に国立がん研究センター調べによる「がん」の原因と言われる生活習慣や感染症の中で何によって、どの「がん」のリスクが、どれくらい高くなるのかの表を示します。多くの種類の「がん」で発がんリスクを引き上げるのがやはり「喫煙」です。
喫煙が原因の「がん」は、「がん」全体のうち、男性では約30%、女性では約5%という統計があり、「がん」にな る一番の原因とされています。
他人のタバコの煙を吸う受動喫煙もタバコを直接吸う以上に体に発がんのリスクが高まりますので、他人のはき出すタバコの煙に近づかないように気を付けるのも大切な事だと思われます。

生活習慣や感染症が「がん」に与える影響

生活習慣や感染症ががんに与える影響

日本人のがん予防のための適切な生活習慣

01

喫煙

タバコは絶対に吸わずに、他人のタバコの煙もできるだけ避けて受動喫煙をしないようにしましょう。
極端な言い方をすれば、受動喫煙により他人にタバコの煙を吸わせることは、殺人に近い行為 だとも言えます。

02

飲酒

節度ある量の飲酒が大切です。少量のアルコールで顔が赤くなる人は無理に飲まないようにすることが大切であり、ビールならジョッキ2杯まで、日本酒なら1合、ワインならボトル1/3程度までが適切な飲酒量と言われています。
適切な量ならば、「がん」以外も含めた死亡率全体を低下させるというデータも出ていますので、ほどほどの飲酒が大切と言えます。

03

食事

動物性脂肪の多く含まれる乳製品や肉類の摂取はできるだけ控え、胃がんの大きな原因となっている塩分の過剰摂取は特に控えるようすると良いと言われています。
塩分が胃がんのリスクを高めることは「ほぼ確実」という研究結果が出ており、1日に男性で9グラム以下、女性で7.5グラム以下に摂取を抑えることが推奨されています。
食品成分が食塩ではなく、ナトリウムで表示されている場合は、ナトリウムを2.54倍すると塩分量に換算されますので、日々の継続的な節制が とても重要になってきます。

04

身体活動

下半身の筋肉は全身の筋肉の7割を占めると言われており、ウォーキングやランニングなどにより下半身の筋肉を鍛えることは非常に効率的な運動と言えます。
軽く汗をかき、息が少しはずむ程度の運動をすると脂肪燃焼や筋肉を鍛える意味でも適切な運動と言えます。

05

体型

体重(㎏)を身長(㍍)の2乗で割ることによりBMIが算出されますが、一般男性で22以下、一般女性で25以下の範囲になるように体重のコントロールを行うことが重要となってきます。
26年4月現在の私の身長171cm、体重62㎏でのBMIは62÷(1.71)の二乗で、21.23となり医学的に適切な体重であると言えます。逆に欧米人と比較して、日本人は太りすぎより痩せすぎの方が寿命を縮めているというデータもありますので、適切な体重にコントロールすることがより重要となってきます。

06

感染

肝がんにつながるB、C型肝炎ウイルスや胃がんにつながるヘリコバクターピロリ菌や子宮頚がんとの連のあるヒトパピローマウイルス16・18型などが代表的ながんに関連する「感染」となります。

3分でわかる!苦しくなく痛みに配慮した内視鏡検査(胃カメラ)の特徴

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