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Endoscopist Doctor's Knowledge
何日も便が出なかったり、残便感があったりすると体や心の不調を引き起こし、日常生活にも支障をきたす便秘。
便秘は年代や性別に関係なく起こり得る不調の一つですが、男性より女性の方が便秘に悩む方が多くいます。なぜ、女性の方が便秘になりやすいのか、みなさんはご存じでしょうか?
便秘になる原因はさまざまですが、実は女性特有の原因があります。便秘を解消するためには、便秘を引き起こす原因を知り便秘を解消するための正しい知識を得ることが大切です。
今回は女性に便秘が多い理由と便秘がもたらす体への影響、便秘の解消法についてご紹介します。
便秘になる原因は生活習慣や食生活によるものが多いですが、男性よりも女性に便秘が多い理由は、性別による体の構造の違いや体質が影響していると考えられています。
腸が長くしなやかであるほど、便がたまりやすい傾向にあります。
世界的にみると人種によって腸の長さが異なるといわれており、欧米人と比べると日本人の方が、腸が長くしなやかです。
これと同じように、性別によっても腸の長さは異なり、女性の方が男性よりも長い傾向にあります。男性と女性の腸の違いを例えるならば、男性が欧米タイプ、女性が日本タイプといえます。
女性ホルモンの一つである「黄体ホルモン」は、便秘を引き起こす原因の一つです。黄体ホルモンには、体内に水分や塩分をため込むように指示する作用があるため、黄体ホルモンが多く分泌されると、便の水分が腸壁から吸収され便が硬くなり、便秘を引き起こしてしまうのです。
とくに黄体ホルモンの分泌が多くなる排卵後から生理前まで、便秘に悩む女性が多くなるのはこのためです。
また妊娠中に便秘になりやすいのも、黄体ホルモンの分泌が盛んになるためといえます。
便を押し出すためには筋力が必要です。女性は男性と比べると一般的に筋力が弱いため、胃下垂(いかすい)や内臓下垂(ないぞうかすい)が起こりやすいのが特徴です。
臓器が下垂すると腸が圧迫され、蠕動運動※が鈍くなるので便秘を引き起こしてしまいます。
また胃下垂の影響だけではなく、筋力が弱いことで腸の蠕動自体が鈍くなったり、便を押し出す力が弱くなったりするため、さらに便秘になりやすいのです。
また腹筋が弱いと腸の蠕動運動が弱くなります。そのため、男性と比べ女性の方が便秘になりやすいと考えられており、女性が便秘になるのは体質的なことが影響しているといえます。
※蠕動運動(ぜんどううんどう):腸の収縮運動
食事制限を伴うダイエットは、便秘の原因になります。食事量が減ると腸への刺激が弱まり、腸の動きが悪くなります。
また食事制限をしていると、便の排出に大切な食物繊維を十分に摂取することができないため、さらに便秘になりやすい条件が揃うことになります。無理な食事制限は便秘だけではなく、健康面においても悪影響を及ぼしてしまいます。
便意を我慢し続けることは、直腸の反応が鈍くなり便意を感じにくくなるため便秘を引き起こす原因となります。
便意を感じていても仕事中や通勤中など、トイレに行くタイミングを逃してしまうことで便秘を悪化させてしまうことがあります。
これは男性にもよくみられますが、自宅でなければゆっくりと排便できないという方も注意が必要です。
便秘は「便が出ないだけ」ではありません。便秘が習慣化することによって、便秘の症状が悪化し、さらには体にさまざまな不調をもたらします。
便秘になり便が硬くなると、排便時に肛門が傷つき出血し、痔の原因となります。また痔になるといきんだ際に出血や痛みを伴うためそれを恐れ、便意を我慢し便秘を悪化させてしまうという悪循環に陥ってしまいます。
便秘が慢性化すると、腸内で便の腐敗が進み有害物質やガスが発生しやすくなります。有害物質を体外へ排出しようとしても便が詰まっていると、うまく排出することができません。
その結果、腸壁から有害物質が吸収、血液中に取り込まれ、最終的に皮膚から排出されます。
皮膚は通常の汚れや汗の排出だけではなく有害物質の排出も行わなければいけなくなり、新陳代謝が落ち肌荒れを招いてしまうのです。
便秘になるとお腹が張ったり、食欲が低下したりと身体的な不調をきたします。身体的な不調からこれまで気にならなかった些細なことでイライラするなど、精神的な不調をきたすことがあります。
慢性的な便秘をそのままにしておくことで、虚血性腸炎などの病気が引き起こされ、腹痛や下血の原因になってしまうこともあります。また高齢者の場合、大腸のバリア機能が便秘によって破綻し、認知症のような症状が出現するケースも見受けられます。
便秘を解消するためには、腸内環境を整えることが大切です。また便秘は大腸がんと関係があると考えられているため、腸内環境を改善し免疫力が上がれば、大腸がんの予防にもつながります。
腸内環境を整える「腸活」は近年、注目を集めており多くの方が取り組んでいますが、実際どのように行えば腸内環境が整うのかわからない方も多いのではないでしょうか?
腸活と聞くと、「乳酸菌の摂取」が頭に浮かぶ方も多いでしょう。しかし、乳酸菌の摂取だけでは、効率よく腸内環境を整えられません。便秘解消のカギを握るのは「腸内免疫」です。
皆さんは腸内免疫についてご存じでしょうか?腸内免疫とは「腸管免疫」と呼ばれることもあり、腸内にある免疫細胞のことをいいます。人の体に備わっている免疫細胞の約70%が腸に存在しています。
腸内免疫を上げることが便秘解消に直接的に作用するわけではありませんが、腸内免疫が上がると腸内環境が良くなり、その結果、腸の蠕動運動が活発化し便が出やすくなります。つまり、腸内免疫が上がると間接的に便秘解消が期待できるといえるでしょう。
腸内免疫を高めるためには、免疫細胞のトレーニングに役立つといわれる3つの腸内細菌「善玉菌」「日和見菌」「悪玉菌」のバランスを整えることが大切です。
理想の腸内細菌のバランスは善玉菌2:日和見菌7:善玉菌1の割合です。
善玉菌を含むものを「プロバイオティクス」、エサとなるものを「プレバイオティクス」といいます。これらを一緒にとることで善玉菌の増加が期待できます。
・プロバイオティクス
発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌、チーズ)・整腸剤など
・プレバイオティクス
食物繊維(野菜類、豆類、いも類、海藻、きのこ類、果物)、オリゴ糖(野菜類、果物、豆類)
自律神経は、腸の動きをコントロールしており、自律神経が乱れると腸の動きも乱れ、腸内免疫にも大きな影響を与えます。睡眠不足やストレス、過度な疲労は自律神経を乱す原因と考えられています。睡眠時間を確保するだけではなく、質の良い睡眠をとるためにも就寝前のスマートフォンの使用を控え、リラックスできる時間を作りましょう。
また、自分に合ったストレス発散方法を見つけ、ストレスや疲れをため過ぎないような工夫も大切です。仕事や家事などで毎日忙しく過ごす女性が多いと思いますが、自分の時間を持つようにしましょう。
女性に便秘が多い理由には、腸が長くしなやかであるため便がたまりやすいことに加え、女性ホルモンや筋肉が少ないなど、体質的なことが大きく関係しています。
体質的な理由の改善は難しいですが、便秘を解消するための方法は決して難しくありません。便秘を解消するには、まずは腸内環境を整えることが大切です。腸内免疫が高まると腸内環境も改善します。
便秘をそのままにしておくと、身体的にも精神的にも不調をきたし、肌荒れなど女性にとって気になるさまざまな症状を引き起こしてしまいます。
「たかが便秘」と思わず、腸内免疫を高める習慣を取り入れ、すっきりとした気分で毎日を過ごしましょう。
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