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おすすめ内視鏡豆知識
Endoscopist Doctor's Knowledge
みなさんは、超音波検査を受けたことがありますか?健康診断や人間ドックに追加できるオプション検査として、超音波検査を選択している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
日本は平均寿命が伸び、いまでは「人生100年時代」といわれています。これからの長い人生を健康に過ごすためにも、体の点検やメンテナンスの役割を果たす健康診断は重要です。
健康診断を受けることは病気の早期発見に欠かせません。病気の早期発見に役立つ検査の一つに超音波検査があります。超音波検査は、体への負担がほとんどなく、目で確認できない体内の状態を画像として映し出せる検査方法です。
この記事では、超音波検査の中でも「腹部超音波検査」にフォーカスしていきます。超音波検査で何がわかるのか、どの臓器に適しているのか、また他の画像検査との違いについて解説します。
腹部超音波検査とは、体の表面に検査用のゼリーを塗り、超音波プローブ(探触子)といわれる超音波を発する機器をあて、体内の臓器から跳ね返ってきた超音波の情報を画像としてモニターに映し出す検査です。
臓器の厚みや大きさによって超音波の跳ね返りが異なるため、その違いをもとに検査対象となる臓器に病気を含めた異常所見があるかどうかを診断します。超音波検査のメリットは、体に害や苦痛、負担がなく、短時間で広範囲を一度にみれることです。
腹部超音波検査で観察できる臓器は、以下のとおりです。
・肝臓
・胆のう
・膵臓(すいぞう)
・腎臓
・脾臓(ひぞう)
これらの臓器の共通点は、中身がしっかりと詰まっている実質臓器であることです。超音波は空気が苦手であるため、中身が詰まった臓器の検査に適しているのです。
管腔臓器と言われている、胃、十二指腸、小腸、大腸に関しては超音波検査で観察することはできますが、例えば早期がんのような凹凸が無いような病変を見つけることはまず不可能です。進行がんとなってある程度の大きさがあれば診断することが可能な場合もあります。
またこれらの臓器を検査する際に、腹水の有無やごくまれに簡易的ではありますが、リンパ節の腫大などの状態も観察できます。
消化器内科で行う内視鏡検査では、胃や大腸以外の臓器はカメラでは観察していないので、もし健康診断で腹部超音波検査を選択できるならば、ぜひ検査を受けましょう。
腹部超音波検査には観察ができない臓器があります。それが超音波検査のデメリットです。腹部超音波検査で観察できない臓器は、空気を含む以下の臓器です。
・肺
・食道
・胃
・十二指腸
・小腸
・大腸
管になっていて空気を含む臓器は超音波検査ではきれいに映りません。
しかし、これらの臓器であっても、大きな腫瘍のような塊があれば画像として映ります。当然ですが、ポリープ、早期のがんや小さな潰瘍などは、超音波検査では映らないため病変の有無を観察できません。
外側から目で確認できない体の内部を観察するのに有効な画像検査は、超音波検査だけではありません。
CTやMRIも体の内部を画像化する検査で、病変の診断に欠かせません。しかしこの3つの画像検査には、どのような違いがあるのかご存じですか?
多くの場合、医師がどの検査方法を用いるのか判断しますが、もし今後検査を受ける機会があったときに、戸惑うことなく検査を受けられるように、3つの検査方法の違いを知っておくとよいでしょう。
CTとはコンピューター断層撮影のことで、英語表記の「Computed Tomography」の頭文字をとって「CT」と呼ばれています。
X線を用いて体を輪切りにした情報をコンピューターによって画像化します。検査方法は、大きな筒状の装置の中で横になり、そのまま動かず検査が終わるのを待ちます。
痛みなどを伴うことはありません。CTのメリットは超音波と同じように、一度で広範囲を検査できることです。
一方、X線は放射線であるため、被爆のリスクがあります。しかし、近年は技術の発展により、被爆線の低減と高画質を両立できるような装置もあります。
MRIとは磁気共鳴画像のことで、英語表記の「Magnetic Resonance Imaging」の頭文字をとって「MRI」と呼ばれています。CTと同じように横になった状態で大きな筒状の装置に入り、磁気と電磁波を用いて、体のあらゆる部分の断面を撮影します。
MRIは検査ができる範囲は狭いですが、より一つの臓器に着目して検査を行いたいときに使われます。
MRIのメリットは、X線を使用しませんので放射線被爆などのような体に対する害がないことと、精度の高い検査ができることです。
一方、デメリットは装置の中がかなり狭い空間である上に、撮影時間がCTに比べて格段に長く大きな音もするため、苦痛に感じる方がいることです。閉所恐怖症の方は、事前に医師に相談しましょう。また、骨折後のボルト固定のような体内に金属が留置されている方や、アートメイクがある方は検査を受けることが出来ない可能性があります。
健康診断や人間ドックを受ける際、超音波検査はオプション検査として位置づけられていることが多いため、受けるべきか悩まれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは健康診断で腹部超音波検査を受ける際に、よく聞かれる疑問についてお答えしていきます。
A.医療機関を受診しましょう。
健診での要精査項目となることが多い胆のうポリープを例にしてみましょう。胆のうポリープが見つかったからといって、必ずしも外科的な治療が必要とは限りません。
胆のうポリープとは、胆のうの壁にできる隆起病変の総称です。基本的に自覚症状はありません。隆起病変は、おおまかにいうと良性のコレステロールポリープと悪性腫瘍のポリープに分けられます。
正確な診断には精密検査が必要ですが、胆のうポリープの場合は大きさでほぼ良性か悪性かが推測できます。
大きさが数ミリ以内のものであれば、多くのケースで経過観察を行います。1年に1度の超音波検査を受けて、胆嚢ポリープが徐々に大きくなっていれば精密検査が必要です。
大きさが10ミリ以上は要注意ですので6か月後の再検査、15ミリ以上のものはCTやMRIでの精密検査が必要です。
20ミリ以上のものは悪性の恐れがあるため、早めに医療機関を受診しCTやMRI、超音波内視鏡検査などの精密検査を受けて正確な診断をする必要があります。
がんが否定できない場合は、胆のう摘出術が検討されます。主治医の指示に従って、適切な治療を受けてください。
A.腹部超音波検査で「描出不良(びょうしゅつふりょう)」という判定が出る場合があります。
描出不良とは、簡単にいうと超音波が検査対象臓器まで届かずしっかり検査ができなかったことを意味します。
超音波は空気が苦手であり、空気を含む臓器は検査ができないとお伝えしましたが、それ以外にも超音波が届かない場合も判定できません。
超音波は体の表面から当てているので、肥満により内臓脂肪が多い場合は超音波が対象臓器に届きにくくなり、判定困難なケースがあります。
とくに膵臓は体の体表から奥深い場所にあり、超音波が届きにくい臓器であるため、特に膵尾部と言われる部位は描出不良という判定が出やすい傾向にあります。
検診結果で「膵臓描出不良」と書かれていた場合は「見えなかった」という検査結果なので、異常があるともないともいえません。
家族の中に膵臓がんの方がいる方、慢性膵炎を発症している方は、膵臓がんのリスクが高いため、腹部超音波検査のみでは検査が不十分と考えられます。
もし腹部超音波検査で「描出不良」の判定があれば、そのまま放置するよりもCTやMRIなどの詳しい検査を受けてください。
切り傷のように目に見える怪我などは、傷の状態を比較的簡単に目で確認できますが、体の内部にある臓器は簡単に見ることはできません。
体の中にある臓器がどのような状態になっているのか推測するためには、画像検査が欠かせません。
画像検査には、超音波検査、レントゲン撮影、CT、MRIなどいくつかの方法がありますが、どの検査にもメリットとデメリットがあります。
少しでも安心して検査を受けられるようにそれぞれの特徴を押さえておきましょう。
健康診断や人間ドックで気になる判定があった場合は、健診結果をもって医療機関を受診しましょう。胃や大腸に関する異常所見があった場合は、早めに消化器内科を受診してください。
自覚症状がなくても、体の中で異変が起きている可能性は否定できません。毎年、定期的に健康診断を受け、自分の体と向き合うきっかけを作りましょう。
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