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おすすめ内視鏡豆知識
Endoscopist Doctor's Knowledge
近年、慢性的な下痢で悩まされている方が増えています。
通勤・通学などに腹痛を伴う下痢になってしまうと、外出時のトイレが不安になってしまう方もいるでしょう。また、大事な会議や旅行のときに下痢になってしまう方もいるようです。
日常的に下痢になると体に力が入らない、集中したいときに集中できないなど、他にも影響が出てしまいます。下痢に悩まされない生活を送りたいですよね。
下痢になったときに対応するよりも、普段から下痢を起こさないように、腸の調子を整えておくと、慌てたり痛い思いをしたりしなくて良いでしょう。
今回は、下痢のメカニズムと回避する方法についてご紹介します。
下痢になるときは、腸が激しく動いている状態です。神経的な影響により腸が過敏になることで、下痢になりやすくなります。満員電車などで、腹痛を伴う下痢や突然の下痢でトイレに駆け込むことがある場合には、ストレスや不安が原因の場合もあります。
また旅行などで環境が変わることで、便秘になる方もいます。この場合は、腸が動かなくなってしまうからです。下痢や便秘になりやすい方は、腸や胃が敏感でもともと腸の環境がよくない方が多いです。
下痢や便秘になったときに対処するのではなく、普段から腸の環境を整えるよう意識することが大切です。
そのためには、普段から腸の環境を整えるような、食生活や生活習慣を知って実践するようにしましょう。
下痢は、腸が痙攣し便が早く大腸内を移動することが原因で起こります。本来、ゆっくり一定時間をかけて大腸を通り水分が吸収されていきますが、通過時間が早いと便が軟らかい状態のまま排便されるので、下痢となります。
下痢で悩んでいる方の中には、いつも同じタイミングで下痢になるケースがあります。たとえば、通勤前・昼食後・会議中などです。これらのタイミングで下痢を起こすのは、なぜなのでしょうか。
冷たい飲み物を飲んだ後、下痢になるという方がいます。これは、冷たい飲み物を飲むと胃が刺激され、胃・結腸反射が起こるためです。
胃・結腸反射とは、胃に食物が入り大腸が動きはじめ、便が直腸へ運ばれ便意を感じることを指します。下痢になりやすい方は、冷たい飲み物を飲むとすぐに胃・結腸反射を起こし、腸が動きだしてしまうことで下痢になってしまうのです。
冷たい飲み物が、腸までいくことで下痢になっているわけではありません。
慢性的に下痢症状がある方の中には、大腸内視鏡検査を行っても大腸に異常がみられないケースがあります。この場合、過敏性腸症候群が疑われることが多いです。
大腸は、神経細胞が多い臓器で「第2の脳」と呼ばれており、神経的な影響を受けやすいといわれています。自身ではさほど感じていない緊張やストレスを腸が感じ取り、下痢になるケースもあります。
近年、この過敏性腸症候群による下痢になる方が増えています。過敏性腸症候群による下痢には、ストレスや緊張のない生活を心掛けることが、ひとつの対策となります。
大切な会議の前や友達とのランチの後など、タイミングの悪いときに下痢になってしまい困っている方も多いかと思います。
これは、腸がストレスや自律神経失調などの刺激で過敏な状態となり、便通異常を起こすためです。下痢になるシチュエーションを脳が覚えてしまうと、同じようなタイミングで下痢になってしまう場合もあります。このような下痢は、過敏性腸炎によるものが多いです。
つまり、会議前に緊張すると下痢になるというシチュエーションを脳が覚えてしまうと、また会議の前に下痢になってしまうのです。そのため、「いつも同じタイミングで下痢になる」という状況を作り出してしまいます。
過敏性腸炎による下痢で困っている場合は、「どんなときに下痢になりやすいか」を把握し、事前に過敏性腸炎の薬を内服することで、下痢を起こしにくくする方法がおすすめです。
下痢になるシチュエーションから、下痢になりにくくなった(成功体験)記憶に脳を書き換えることで、同じタイミングで下痢を起こす状況を避けられます。
腸が過敏に動き過ぎ下痢になっている場合には、次のような対処法をします。
・腸の動きを止めるための薬を内服する
・乳酸菌を補給する
ここでポイントになるのが、下痢の原因となる腸の動きを止めるだけではなく乳酸菌を補給して、一時的に腸の環境を良くすることです。下痢の予防のためにも、腸内環境を整え普段から乳酸菌を摂取するよう心掛けましょう。
下痢のときに処方される薬にはいくつかのタイプがあります。
市販薬であれば「ストッパ」などの下痢止め、病院で処方される薬では「ロペミン」という薬が代表的なものです。どちらの薬も、急な下痢に対応できるような強い効能があります。
ストッパやロペミンは、腸内の便が含んだ水分を腸管が吸収するように促す働きを持っていますが、これだけでは腸の痙攣は治まりません。そこで、腸の痙攣を抑える働きを持つ、ブスコパンを併用するのです。
この2つの作用を持つ薬を併用することで、より早く下痢症状を抑えられます。
普段から乳酸菌を摂取し腸内環境を整えていれば、下痢になりにくい状態を保つことが期待できます。
ただ、どのように乳酸菌を摂取したらいいのかわからない方もいるかと思います。一番手軽なのは、整腸剤の服用です。整腸剤には、さまざまな乳酸菌が入っており、薬ではないため副作用の心配もありません。サプリメントのようなイメージで、毎日服用しても問題ありません。
「乳酸菌」といっても多くの種類があり、人それぞれ腸内の環境が異なるため合う合わないがあります。市販されている整腸剤にはさまざまあり、自分に合ったものを選ぶのがポイントです。
感染性の病気によって引き起こされる下痢の場合は、むやみに下痢止めを服用してはいけません。
感染性の胃腸炎では、体内にいるウイルスを体の外に出すために、下痢症状が起きています。つまり、下痢症状を抑えてしまうと、体内にウイルスが留まってしまうのです。
また、食中毒や細菌感染による下痢も同じ理由で、下痢止めを飲んではいけません。食中毒・細菌感染・感染性に伴う下痢の場合は、嘔吐や発熱などの症状があります。これは、体内にいるウイルスや細菌を体外に出したり、体温を上げることで死滅させようと体が反応している証拠なのです。
下痢止めを使用すると、腸内にウイルスや細菌が留まる時間が長くなります。薬の効きが弱まると、再び下痢症状を繰り返して症状が長引く恐れがあるため、自己判断せず消化器内科を受診しましょう。
下痢を改善するための近道は、整腸剤を服用して腸内環境を整えることです。
整腸剤を取り入れるときの主な注意点は3つあります。
・即効性がないため毎日服用する必要がある
・整腸剤の効果は便で確認する
・整腸剤には合うものと合わないものがある
整腸剤に含まれる乳酸菌は、胃酸でほぼ死んで死菌となりますが、生きた乳酸菌と効果はほぼ変わりません。ただし、即効性はなく毎日飲むことがポイントになります。多くの整腸剤には、1日3錠などの服用方法が書かれていますが、飲み忘れを防ぐために1日分の量を1回で服用しても大丈夫です。
また、便の色が鮮やかな黄色でバナナ状になってきたら、整腸剤の効果が出てきたと判断してよいでしょう。1か月以上整腸剤を飲み続けているのにもかかわらず、変化がみられない場合は、その整腸剤が合っていない恐れがあります。他の整腸剤に変えてみることをおすすめします。
下痢症状が日常的にあると、集中したいときに集中できないなど、ストレスや不安の種になります。
下痢の対処法は、普段から腸内環境を整え、下痢になるシチュエーションが決まっている場合は、その前に整腸剤などを服用することがおすすめです。
大腸に異常がなく下痢を繰り返している場合は、脳が下痢を引き起こしているケースもあるため、「下痢にならなかった」という成功体験を脳に刷り込み、下痢を改善していくことができます。
そういった対処法を考えていくためにも、まずは大腸に異常がないことを大腸内視鏡検査で確認しましょう。慢性的な下痢でお悩みの方は、消化器内科やかかりつけ医に相談しましょう。
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