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大腸内視鏡検査後は免疫力アップのチャンス!腸内環境を良くするには?

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コロナ渦の中で多くの方が気にされているのは、感染症に強い体づくりだと思います。大腸内視鏡検査後は、腸から免疫力をアップさせるチャンスです。免疫力がアップすると、病気にかかりにくくする状態をつくることができます。

今回は大腸内視鏡検査後に、腸内環境を良くするための方法や気を付けたいことについて解説します。

1. 大腸内視鏡検査後の大腸の状態とは

トイレと聴診器

大腸内視鏡検査は大腸粘膜を内視鏡カメラで観察する検査です。通常、大腸は便を作り出す臓器ですので、そのままの状態では腸内に便が大量に残っています。そこで、内視鏡カメラで大腸粘膜を詳細に観察するために前処置として刺激性下剤と洗腸剤を服用し、小腸や大腸内の便をすべて排泄させます。前処置が上手に行われると消化管内は宿便が全くない状態となります。そして検査後の大腸内は便とともに、腸内細菌も失くした状態になります。

言い換えれば、腸内環境をリセットした状態になります。今までの腸内環境が良かった方も悪かった方も、検査後から新たな腸内環境をつくることができます。

宿便や悪い腸内細菌をすべてきれいにした腸内環境をつくり出すことは、大腸内視鏡検査を行うメリットともいえます。大腸内視鏡検査後に「お腹の調子が良い」という方も多く、腸内環境をリセットした影響を受けているといえるでしょう。

2. 腸内環境とは

腸内のイメージ

腸内環境は、腸内に棲みついている腸内細菌によってつくられます。細菌には約1,000種類あり、食生活によって棲みつく腸内細菌も違うので、一人ひとりの腸内環境は異なります。

腸内細菌は大きくわけると、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3種類に分類されます。この腸内細菌のバランスが、腸内環境を左右します。理想的なバランスは、善玉菌:日和見菌:悪玉菌=2:7:1です。

日和見菌は、善玉菌と悪玉菌の間でどちらか優勢な方の味方になります。つまり、善玉菌が優勢な場合は腸にとって良い働きをしますが、悪玉菌優位な場合は腸にとって悪い影響を与えます。

腸内環境を整えることは、3つの腸内細菌を理想のバランスで保つことともいえるのです。

3. 大腸内視鏡検査後に気を付けること

大腸内視鏡検査後に気を付けることは、主に以下の3点です。

・整腸剤を内服する
・食事内容の改善
・生活習慣の改善

詳しく解説します。

3-1. 整腸剤を内服する

薬を飲む

腸内環境は、腸内細菌である善玉菌と悪玉菌のバランスによって成り立っています。

整腸剤には、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が配合されています。大腸カメラ検査後のきれいな状態の腸内に、善玉菌を植え付けることで、腸内環境がより良くなります。

整腸剤は便秘や下痢に悩んでいる方も内服することが多いと思います。実は腸の働きを整えるだけではありません。腸内環境が良くなることで腸の動きを正常化することを目的としますが、整腸剤が小腸内のパイエル板という免疫を担当する装置に届くことで免疫のスイッチを押すことになるため、免疫が活性化される状態となり病気になりにくくなるのです。

つまり免疫を高めることの一つの方法として、整腸剤を内服することで腸から免疫力をアップすることにつながり、昨今の感染症対策としても有効といえます。

整腸剤の内服のしかた

整腸剤は、毎日欠かさず継続して飲みましょう。

調子が悪い時だけとか、飲み忘れをしている方も多いと思いますが、整腸剤はきちんと毎日服用し、一定量の善玉菌を腸内に届けることが重要になります。ヨーグルトやサプリメントの中には善玉菌の生菌を届けると謳っている商品もありますが、実は生菌に固執することはありません。死んでいる菌、つまり死菌でも菌体成分が腸内に届くだけでも十分にその効果を発揮します。大事なことは、腸内に届く菌の量、菌体成分の量が多ければ多いほど、腸内環境の改善や、免疫力アップのためには必要なのです。

整腸剤は、薬ではないことをご存じでしょうか?薬ではなく、サプリメントのような位置づけとして整腸剤を捉えると、飲み方も理解できるかと思います。

たとえば、整腸剤の説明書に、1回3錠1日9錠と明記されている場合がありますが、1回にまとめて9錠服用しても問題ありません。9錠が多いと感じる場合は、減らしてもいいでしょう。大切なのは、毎日欠かさず整腸剤を飲み続けることです。

現在、さまざまな整腸剤が市販されていますが、1ヵ月間毎日服用しても効果がなければ、その整腸剤は体に合っていないかもしれません。整腸剤によって配合されている菌が異なるため、一人ひとり相性の良い菌がどれなのかを見つけることも大切です。

3-2. 食事内容を見直す

和食

生きていくために必要なエネルギーを摂取できるのは、当然ながら食事からになります。腸内環境を良くするためには、整腸作用のある食事をしっかりと定期的にとることが大切です。

整腸作用のあるおすすめの食事は、以下の3つです。

・麹食品・発酵食品
・野菜
・良質な油

麴食品・発酵食品

「腸活」をする場合に基本となるのが、麹食品や発酵食品を積極的にとることです。

代表的なものは、納豆・みそ・キムチです。納豆は、独特な匂いやネバリが苦手だという方もいるかと思いますので、無理のない程度にとると良いでしょう。キムチは、乳酸菌を含んだ食品となるため、腸の環境を整えるのに非常に良い食品です。辛いキムチが苦手というかたは、水キムチという白濁した液体に漬かっているキムチをお勧めします。この白濁した液体こそ、乳酸菌の集まりで、水キムチを食べる場合には、白菜と共にスープとして液体も飲むこともお勧めです。

麹は、米や豆などの穀類を蒸したものに麴菌を加えたもので、カビの仲間です。その麹菌は、多くの発酵食品づくりに欠かせません。味噌をはじめとする発酵食品以外にも、日本酒・しょうゆ・みりんなど、日本で古くから馴染みのある調味料も多くあります。

野菜

野菜類・果物類・豆類に多く含まれるオリゴ糖や食物繊維は、腸内環境を整える上で大切な成分です。

オリゴ糖が多く含まれる野菜は、大豆・たまねぎ・ごぼう・ねぎ・にんにく・アスパラガスなどです。食物繊維を多く含む野菜は、ごぼう・にんじん・芽キャベツ・おくら・ブロッコリー・ほうれん草などです。

食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2つがあり、それらをバランス良くとると腸内環境に良い影響を与えてくれます。

野菜が苦手でうまく食事に取り入れることが難しい場合は、市販されている特定保健用食品を利用するのも良いでしょう。特定保健用食品は、通称トクホとよばれる厚生労働省認可の機能性食品です。

オリゴ糖製品の有効摂取量は、一日あたり2~10gとされていますが、急にオリゴ糖が腸内に入ることで、腸内のバランスが乱れ下痢になったりガスが溜まりやすくなったりすることがあります。オリゴ糖製品を利用する場合は、数日かけてゆっくりと増やし有効摂取量にしていくことがポイントです。

良質な油

良質な油は、腸内の潤滑油となります。腸内で固くなってしまった便は、水分をとっても排便しにくいことが多いです。特に、不飽和脂肪酸といわれているオメガ3脂肪酸は、腸のぜんどう運動を促進し、便秘解消にも期待できます。また、良質な油をとることによる分解産物も、腸内環境を改善するという報告があります。

オメガ3脂肪酸は、植物由来のαリノレン酸、魚介由来のDHA、EPAの3つの成分があります。スーパーなどでも購入ができるえごま油やアマニ油は、植物由来のαリノレン酸です。

えごま油やアマニ油、青魚から得られるEPA・DHAをとることで、お腹の中の環境も良くなるでしょう。

3-3. 生活習慣を見直す

寝起きの女性

腸内環境を左右する要素として、生活習慣も挙げられます。悪玉菌は、不規則な生活や過度のストレス、便秘などでも増えるからです。

腸の働きには、自律神経が大きくかかわっています。さまざまな生活習慣によって自律神経のバランスが崩れると、腸の働きも悪くなり腸内環境も悪化します。

食べ過ぎや刺激物の摂りすぎ、お酒の飲み過ぎも腸内環境を悪化させます。ストレスをためないためにも、適度な運動を行うことも必要です。

今までの生活習慣を見直すことで、腸内環境をより良くすることができるでしょう。

質の良い睡眠を心がける

自律神経を整えるためには、質の良い睡眠が重要です。睡眠不足が続くと、自律神経が乱れ腸にも影響が出ます。

量、質、タイミングの3つの条件が揃ったときに良い睡眠といえます。日本人の多くは、十分な睡眠時間を確保できていない場合が多く、それに伴い睡眠の質も悪くなりがちです。人には体内時計があり朝日を浴びることでリセットされますが、寝る時間が遅くなることでリセットするタイミングがずれると、睡眠の質も悪くなってしまうのです。

質の良い睡眠をとるためには、朝決まった時間に起き、朝日をしっかり浴びるようにしましょう。

消化不良は、睡眠の質を妨げるため、食事のタイミングも大切です。夕食は就寝の3~4時間前までには終わらせましょう。寝る直前に食事をする場合は、消化の良いものにしてください。

寝る前のパソコンやスマートフォンもおすすめできません。パソコンやスマートフォンから出ているブルーライトという光は、体内時計を遅らせるといわれているため眠気を無くしてしまうことがあります。

ストレスを軽減する

人は、日常生活の中で何かしらのストレスを感じています。職場や学校、家庭で何気ないことの積み重ねから、ストレスを知らない間に溜めているケースがあります。

強いストレスを感じたり溜めている状態では、交感神経が優位になり、消化機能が低下します。ストレスが多い方の中には、便秘で悩んでいる方もいるのはそのためです。

ストレスを軽減するにはゆっくり湯船に浸かる、お気に入りの柔軟剤で洗ったシーツをベッドに敷く、アロマオイルを焚くなど、自身がリラックスできるような工夫をすると良いでしょう。また、深呼吸も効果的です。深い呼吸は、交感神経を鎮め副交感神経が優位になります。

しかしストレスは、簡単には解消できない場合もあります。そんな場合には、腸内環境を良くするための食事や生活習慣を心がけ、ストレスに負けないことも大切です。

大腸内視鏡検査後に気を付けたいこと3点を上手に組み合わせると、非常に良い状態の腸内環境がつくれますので、できることからぜひ実践してみてください。

4. まとめ

発酵食品

大腸内視鏡検査を受けることで必要な前処置によって腸管内に宿便がなくなり、腸内細菌がリセットされた大腸は、新しい腸内環境をつくるチャンスです。今まで便秘や下痢、ガスによるお腹の張りに悩んでいた方も、整腸作用のある食事に気を付けること、生活習慣を見直すことで、良い腸内環境をつくることが可能になります。

大腸内視鏡検査後にすることをまとめてみました。

・整腸作用のある整腸剤を飲む
・納豆や味噌などの発酵食品をとる
・生活習慣の改善

良い腸内環境は、免疫力をアップし健康維持にもつながります。できることからひとつずつ、はじめてみましょう。

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