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Endoscopist Doctor's Knowledge
「糖質制限ダイエット」や「炭水化物抜きダイエット」などが注目を集め、今では健康維持のためには、炭水化物をとりすぎない方がよいともいわれるようになりました。
しかし、炭水化物をまったくとらない食生活も難しく、どれくらいまでなら食べていいのかわからないという方も多いのではないでしょうか?
また、過剰に炭水化物をとることが健康によくないと知っていても、炭水化物をとりすぎると具体的に体にどのような影響が起こるのか知らない方もいらっしゃると思います。
炭水化物は人が健康を維持するために必要な栄養素ではありますが、とりすぎると、さまざまな影響を及ぼす場合があります。
ここでは炭水化物がどのような栄養素であるのか、とりすぎや不足した状態が続くと起こる体への影響と、健康を維持するために必要な1日の目安量について解説します。
炭水化物は、タンパク質、脂質とともに三大栄養素といわれており、脳や体を動かす際に必要なエネルギー源となる栄養素で、1gあたり4キロカロリーのエネルギーを生み出します。
炭水化物は、体内の消化酵素によって消化できる糖質と、体内では消化できない食物繊維からできています。糖質は腸から吸収されて、身体活動のエネルギー源として使われ、食物繊維は便通の促進や、腸内環境の維持に役立ちます。
炭水化物を多く含む食べ物といえば、ご飯を思い浮かべる方が多いと思います。ご飯の他、日本人が主食として日常的に食べているものには、炭水化物が多く含まれています。
食品名 | 分量 | 炭水化物量(g) |
ご飯 | 150g | 55.7 |
玄米 | 150g | 53.4 |
パン | 6枚切り | 27.8 |
スパゲティ(ゆで) | 192g | 61.8 |
うどん(ゆで) | 240g | 51.8 |
そば(ゆで) | 170g | 44.2 |
じゃがいも | 150g | 23.9 |
さつまいも | 250g | 82.8 |
うどんを例に挙げると、実は1人前280gのうどん1杯の糖質量は、角砂糖14個分に含まれる糖質量と同じです。糖質4gは角砂糖1個と同じであることを意識してみると、糖質のとりすぎは体にとってよくないとイメージしやすいでしょう。
そばは体にいいと一般的にいわれていますが、実は蕎麦粉の繊維質が体にいいだけで、糖質という面で見ると、うどんもそばも同じなので、とりすぎには注意が必要です。
体を動かすために大切な炭水化物ですが、とりすぎると糖尿病や肥満など生活習慣病のリスクを上げると考えられています。
脳や体の活動には糖質が必要です。しかし、糖質をとりすぎるとエネルギー源として消費されなかった分は、体内で脂肪として蓄積されます。また、糖質を一度に大量にとると血糖値が上昇し、その血糖値を下げるために大量のインスリンが分泌されます。
インスリンとは血糖値を下げる役割があるホルモンで、血液中のブドウ糖をエネルギーに変えます。その他にもインスリンには、余分なブドウ糖を脂肪に変える作用があるので、大量に糖質をとるとインスリンの分泌量が増加し、太りやすくなってしまうのです。
インスリンが大量に分泌される状態が続くと、インスリンを分泌する役割をしている膵臓(すいぞう)の負担が大きくなり、本来必要とされるインスリンの量が分泌されなくなります。
その結果、血糖値を下げられず高血糖な状態となり、いずれ糖尿病を発症するリスクが高まるのです。
人の体には、外部から侵入してきた病原菌を排除するシステムが備わっており、その一つに「腸管免疫」があります。腸管免疫とは、腸に存在する免疫細胞で、免疫細胞の約70%を占めている免疫です。
ほとんどの病原菌は胃酸で死滅しますが、生き残った病原菌は小腸に侵入し腸管免疫によって排除されます。腸管免疫をサポートするのが、腸内フローラとよばれる腸内細菌です。
腸内フローラは、善玉菌と悪玉菌、日和見菌で構成されており、悪玉菌が優勢になると病気にかかりやすくなるといわれています。そのため、腸内環境が悪化すると、免疫機能が低下すると考えられているのです。
炭水化物を日常的にとりすぎている人には、ある特徴があります。その特徴とは、腸の粘液がべったりしていることです。
大腸カメラ検査を行う場合、ポリープなどの病変をしっかり観察できるように検査前に下剤を服用します。特に腸はヒダが多く、そのヒダに病変が隠れて見落としてしまうリスクを軽減する意味でも、下剤で排便を促し腸内をきれいにしなければいけません。
大腸カメラ検査の前準備として下剤を服用すると、ほとんどの場合においてべったりとしている成分も便と一緒に洗い流されますが、炭水化物をとりすぎていると、腸の粘膜がべったりしたままといったケースが見られます。
腸の粘膜がべったりしている方に好きな食べ物を聞くと、パンやうどん、ラーメンと答える方が多く、このような方は肥満傾向なのも特徴です。
1日にとってもよいとされる炭水化物の量は、年齢や性別、日中の活動量によって異なります。目安としては、男女とも1日に必要とされるエネルギー量の50%~65%です。
日中の活動量が比較的少ない方を例にとってみます。成人男性の場合、1日に必要なエネルギー量は2,000kcal、成人女性の場合、1,400kcal~2,000kcalとされています。このエネルギー量をもとに1日に必要な炭水化物の量を考えてみます。
エネルギー量の50%として計算すると、成人男性であれば1,000kcal~1,200kcal、250g~300gです。成人女性では、700kcal~1,000kcal、175g〜250gの炭水化物が目安です。
忙しい毎日を送っていると、手軽で安価なものを食事でとらなければいけない場面も多いと思います。しかし、うどんやラーメン、丼ものなどは、その栄養素のほとんどが糖質です。糖質の少ないものを食べようとすると、食費にお金がかかってしまうのが現状です。
上手に炭水化物をコントロールする方法は、食事の時間帯における炭水化物の割合を調整する方法です。
人は夜に近づくにつれて、活動が低下していきます。活動が低下すると、食べ物の栄養素を吸収しやすくなっていくのです。
炭水化物は体に悪いからといってまったくとらないというのではなく、このメカニズムに注目し、食事の時間帯によって、炭水化物の量をコントロールするようにしましょう。
朝食でもっとも多く炭水化物をとり、昼食から夕食にかけて炭水化物の量を減らしていきます。できれば、夜は炭水化物を控えるようにしましょう。肥満傾向にあり、ダイエットを考えている方は、炭水化物を食べない時間を限定的に作ることが大切です。
期間を定めずにずっと炭水化物をとらないと、体に悪いだけではなく欲求を満たせず、精神的にも負担となるので注意が必要です。
炭水化物のとりすぎはよくないとご紹介しましたが、反対に不足しても健康にはよくありません。炭水化物が不足したときに考えられるリスクを解説します。
炭水化物は脳や体の活動に必要な栄養素です。炭水化物が不足すると、十分なエネルギーを確保できず、疲れやすくなったり集中力が低下したりします。
炭水化物に含まれる糖質は、すぐにエネルギーに変換されますが、余分な糖質は脂肪へと変換されてしまい、糖質のまま体内に蓄積できないので、こまめに適量を意識してとることが大切です。
糖質の一種であるブドウ糖が、脳や神経の活動に必要とされる量を供給されず不足した状態が続くと、意識障害を引き起こすリスクが高くなります。
近年、糖質制限によるダイエットが注目を集め、ひと昔前と比較すると炭水化物に対するイメージが大きく変わりました。健康意識の高まりを受け、炭水化物のとりすぎは、健康によくないことも周知されつつあります。
しかし、炭水化物は脳や体の活動に必要な栄養素です。炭水化物を上手にとるためには、自分にとって適切な炭水化物の量を知ることが大切です。また、1日のはじまりである朝にしっかり炭水化物をとり、夜に向けて徐々に炭水化物を減らすなどの工夫を行いましょう。
一方で、炭水化物が不足すると疲労感や集中力の低下、意識障害などのリスクが生じるので、まったくとらないということは控えましょう。
健康的な毎日を送るためには、生活習慣や食習慣の見直しが大切です。また、腸は第二の脳ともいわれるくらい重要な働きを担っています。腸の健康を保つ上でも、定期的に大腸カメラ検査を受けましょう。
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