知っていた？大腸内視鏡検査を受けるには前日の食事が超重要！おすすめメニューとは

大腸内視鏡（大腸カメラ）検査をお受けいただく方から、「検査の前日は、どのような食事をしたらよいですか？」「消化に良い食べ物とは実際にどのようなものですか？」「食べてはいけないものはありますか？」といったご質問を受けます。
大腸内視鏡検査は、大腸がんなどの重大な病気の発見のためにも大切な検査ですが、検査前日の食事は、食べ物が腸内に残ってしまったが故に観察できない部位が出てきてしまうと病気の発見率に影響する場合があるため、とても重要です。精度の高い大腸内視鏡検査を受けて病気を早期発見するために、正しい検査前の食事について解説します。

大腸内視鏡検査の前日の食事はなぜ重要？

大腸内視鏡検査は大腸カメラとも呼ばれます。先端に小型のカメラがついたマイクロスコープを肛門から通して、大腸内に病変がないかを直接見る検査です。

大腸の中に便や未消化物が残っていると、大腸がんや大腸ポリープなどの病変を見逃してしまう可能性があるため、精度の高い検査を行うには検査当日に大腸がきれいに（空っぽに）なっていることが必要です。検査の前には下剤（洗腸剤）を内服いただき大腸内をきれいにしますが、その際に最も大切なのは、検査前日の食事と食材の選び方です。

検査前日に食べていいもの悪いもの

腸の中を早くきれいにするためには、前日の朝・昼・夕食に消化の良いものを食べるのがポイントです。消化の良いものとは、胃に留まる時間が短いものです。逆に消化に時間がかかるものはその分長く胃や腸の中で留まります。

まず、脂質は胃の中に留まる時間が長いため、脂肪が多い部位の肉や揚げ物は避けましょう。消化に良いというと、おかゆやうどんを想像する人も多いと思いますが、実際はご飯ものや麺類などの炭水化物は、胃の中では炭水化物に対する消化酵素が出ないため意外と消化に時間がかかります。前日に食べても構いませんが、できるだけ朝食、昼食にしましょう。

一方、肉や魚などのタンパク質は消化が悪いイメージがあるかもしれませんが、実は消化されやすいため、大腸内視鏡検査前日の夜の食事にもお勧めできる食材です。

同じ食材であっても、普段よりやわらかくなるまで煮る、小さくカットするなど、調理方法を工夫することで消化されやすくなります。また、食べる量もやや控えめにして、時間をかけてよく噛んで食べることも大切です。

食物繊維は、便として出ていく過程で腸をきれいに掃除してくれたり、大腸内の環境を良くする腸内細菌を増やしたりします。普段は積極的にとったほうがよいのですが、消化に時間がかかったり、全く消化されなかったりするので腸内に残りやすい性質を持っています。食物繊維を多く含む野菜類、きのこ類、こんにゃく、海藻類、果物類の種、胡麻、ナッツ類などは検査前は絶対に避けましょう。

ジュースなどであればよいのでは、と思う人もいるかもしれませんが、青汁や野菜ジュース、果肉入りフルーツジュースも食物繊維が多く、また牛乳など乳製品も胃粘膜に残る可能性があります。

飲み物については、前日、当日とも十分な水分をとることも大切です。大腸内視鏡検査で使う下剤（洗腸剤）は体内に吸収されずに全て排出されますので、水分をとっているつもりになって脱水を助長してしまう人がいます。脱水を避けるために前日から当日にかけてしっかり水分をとりましょう。水以外では、利尿作用のあるコーヒーや紅茶、緑茶、ウーロン茶などのお茶は控え、麦茶、爽健美茶、ほうじ茶などがお勧めです。