MENU
閉じる
おすすめ内視鏡豆知識
Endoscopist Doctor's Knowledge
「胃カメラは辛い」「二度と受けたくない」といった書き込みをネットで見かけます。
これから胃カメラ検査を受けようと考えている方の中には、それらの書き込みを見て不安になっている方もいるのではないでしょうか。
胃カメラ検査(胃内視鏡検査)は鎮静剤を使って行うことで、苦しさや痛みを解消できます。過去に胃カメラ検査で号泣するほどの痛みや苦しみを経験した方も、胃カメラ検査のイメージを払拭できるかと思います。
胃カメラ検査で鎮静剤を使うメリットと、鎮静剤を使わず行う施設があるのはなぜかについて解説します。
胃カメラ検査を行った方の多くは、「辛かった」「苦しかった」というマイナスなイメージを持っています。また、多くの場合「胃カメラ検査は覚悟して受けるもの」と思っているケースがあります。
胃カメラ検査のイメージが悪くなると、その後の胃カメラ検査を避ける傾向になり重大な疾患の発見を逃してしまうケースにつながってしまいます。
胃カメラ検査をきついと感じた方は「受けたくない」と思いますし、ラクだと感じた方は「定期的に受ける」ようになります。
はじめての胃カメラ検査の前には、周りの経験者からいろいろ聞いて不安になる方も多く、辛く苦しい思いをするとより強いマイナスイメージを持ってしまうでしょう。
胃カメラ検査は、胃がんリスクを下げるためにも定期的に受けることが推奨されていますが、悪いイメージがある場合には定期的に検査を受けなくなります。
つまり、最初が肝心なのです。
胃カメラ検査を受ける場合、事前情報としてインターネットで検索する方もいるかと思います。ネットの中で「鼻からの内視鏡検査だと苦しくない、辛くない」と見かけたことはありませんか?
実は、これは事実ではありません。普段、鼻に何かを突っ込んだ経験はありますか?たとえば、インフルエンザの検査などで綿棒のような長い棒を鼻の奥に突っ込まれたことを想像してみてください。
違和感だけではなく、痛みを感じませんでしたか?鼻は物を通す部位ではないため、細い管(経鼻内視鏡)が入って来ると相当な辛さを伴います。
経鼻内視鏡だと辛くない、苦しくないと思って検査を受けたのに、「思っていたのとは違う」となり、余計胃カメラ検査の印象が悪くなるかもしれません。
胃カメラ検査は胃に食べ物が入っていない状態で受けますが、胃に食べ物が入っていないときの胃はしぼんだ状態です。
しぼんだ状態の胃に、胃粘膜が広がるように空気が入るため食べ物が入っているとき以上に胃が膨らみます。意識がはっきりしている状態で、胃に空気が入りお腹が張ると「苦しい」と感じます。
胃の中に空気が入る違和感、お腹が張る苦しさ、のどを通る時に内視鏡の管の違和感や圧迫感で吐き気も生じるので、胃カメラが辛い、苦しい検査というイメージが付いてしまうのでしょう。
胃カメラ検査を行う医療機関の中には、鎮静剤を使うケースがあります。
鎮静剤を使うと、ウトウトと眠りに入る前の状態で胃カメラ検査を受けることになります。「もう終わったの?」「今から検査ですか?」という方がいるほど、ラクな検査になります。
鎮静剤を使用することは、検査をラクにし、患者さんの負担を軽減するだけではなく医師側にもメリットがあるのです。
胃カメラ検査で鎮静剤を使用しない場合、嘔吐反射が出てしまう方や苦痛から体を動かしてしまう方がいます。良心が強いドクターであればあるほど、そのような状況ではゆっくり丁寧に検査しようという気持ちがそがれてしまうかもしれません。
医師側も患者さんが苦しまないよう、早く検査を終わらせようということに意識が向いてしまう可能性が高いのです。
「短い時間で検査を終わらせなくてはいけない」中で、胃にある小さな異変やわずかな病変を見つけるのが大変なのは、容易に想像ができます。
鎮静剤にあまりいいイメージを持っていない方もいるでしょう。
鎮静剤とは、大脳皮質中枢の異常がある場合の制御、不安や不眠、興奮を鎮めることに使用される薬です。鎮静剤には、さまざまな種類があります。
鎮静剤の代表的なものをまとめてみました。
・ジアゼパム
・ミダゾラム
・プロポフォール
・フルニトラゼパム
鎮静剤を使用する場合、注意することがいくつかあります。まず胃カメラ検査当日は、自動車で病院へ行くことができないケースがほとんどです。
また、仕事で機械操作などをしている場合は、その日の仕事を控えるよう医師からすすめられるかもしれません。
鎮静剤を使用して胃カメラ検査を行うと、検査後1時間程度の安静が必要です。決められた時間、安静にしていても眠気が強く集中力の低下が著しく現れてしまうケースがあります。
基本的に胃カメラ検査は日帰りで行えますが、検査後は車の運転や緻密な作業を伴う仕事は避けた方がいいでしょう。
鎮静剤は麻酔薬ではないため、内視鏡が粘膜に当たれば痛みを感じますが、鎮静剤で、ウトウトとした状態の患者さんは、苦しさを感じづらくなっているためその痛みによって体をむやみに動かすことはありません。
しかし、医師が内視鏡の扱いに慣れていない場合は、鎮静剤を使用しても咽頭の粘膜に触れてしまうと刺激や苦しさを与えてしまい、目覚めてしまう場合もあります。
苦痛なく胃カメラ検査を行いたい場合には、鎮静剤を使用し胃カメラ検査の経験が豊富な医師が在籍している専門機関で受けるのも一つの方法でしょう。
鎮静剤は扱いが難しい薬の一つです。
まれに鎮静剤をうまく使えない医師が鎮静剤を使用すると、効果が発揮されないことがあります。鎮静剤の効果が発揮されなければ苦痛を伴うこともあり、それ以外にも脱抑制(だつよくせい)状態を引き起こすことがあるのです。
通常、鎮静剤を使うとウトウトした状態になり患者さんは安静な状態になりますが、脱抑制が現れると暴れてしまい検査どころではなくなってしまいます。
鎮静剤は、患者さんに合わせた量を調整する必要があり、適切にコントロールすることで効果を発揮します。
鎮静剤を使う胃カメラ検査を検討している場合には、消化器内視鏡専門医がいる医療機関で受けることがおすすめです。
鎮静剤を使うことで、ラクに胃カメラ検査が行えるため検査を受ける患者さんにも検査を行う医師にもメリットがあります。
しかし、多くの胃カメラ検査で鎮静剤を使用しないのはなぜでしょうか。
鎮静剤を使う場合は、リカバリー室などの休憩できるスペースや部屋を完備する必要があります。
鎮静剤を使用するとウトウトとした眠りに近い状態になり、意識を取り戻すためには1時間ほどの時間がかかります。その間は、移動や飲食は危険なため安静にして過ごします。
多くの施設で休憩室を確保できないため、苦痛を伴うことがわかっていても鎮静剤を使用せず胃カメラ検査を行うのです。
特に検診の場合は、一度に多くの患者さんに対して胃カメラ検査を行うケースが想定されるので、鎮静剤を使いたいのに使えない状況になります。
鎮静剤を使う場合、酸素濃度や血圧管理、心電図モニターで脈拍の管理が必要です。
つまり、鎮静剤を使用すると、検査中に体の異変がないかを確認しながら検査を行うため手間がかかるのです。
そのため、多くの患者さんを短い時間で検査しなければならない検診では、鎮静剤を避け、経鼻内視鏡を行うケースがほとんどになります。
鼻から入れる内視鏡は、苦痛を伴うこと以外にもデメリットがあります。ハイビジョンや4Kの内視鏡に比べるとレンズが小さくなるために画質が劣ることです。
経鼻胃カメラの画質が劣るもうひとつの理由は、鼻から入れる内視鏡が細いため搭載するライトが小さくなり、光量が少なくなるために胃の中を照らす明るさが暗くなるからです。また、鼻の穴に通すため鉛筆程度の太さしかなくレンズも小さくなり、画素数も低くなり、画像が粗くなってしまいます。
胃カメラ検査の一番の目的は、小さながんを見つけることです。そのためには、画質のよさが必須条件になります。
胃カメラ検査を受けるときには、ハイビジョンや4Kの画質の経口内視鏡を使用しているかという点にも注目しましょう。
胃カメラ検査は、食道や胃の病気や異常を早期発見するために欠かせない検査です。
胃カメラ検査を定期的に行うことで、早期に胃がんや食道がんを発見でき、早期治療から完治を目指せるケースもあります。
胃カメラ検査では、咽頭、食道、胃、十二指腸を観察するためさまざまな疾患を発見できます。
胃カメラ検査を定期的に行えば、胃がんをはじめ、食道がんや十二指腸がんを早期に発見可能です。
胃カメラ検査を受けたときの苦痛から、定期的な胃カメラ検査を避けてしまっては、がんの早期発見・早期治療が困難になります。もし、過去に胃カメラ検査で苦痛を味わいトラウマになっている方がいれば、一度鎮静剤を使用する内視鏡専門医の元で胃カメラ検査を受けてみてください。
今までの胃カメラ検査の苦痛や嫌なイメージが払拭されるはずです。
「癌にならない腸活実践メルマガ講座」では、がんで亡くなる人・苦しむ人を一人でも多く減らすために日常生活の中で実践できる
・免疫を上げる方法
・正しい腸活の知識
・腸内環境とお肌の関係
・健康的なダイエット方法
・乳酸菌のすごい効果
などを、腸の専門医が毎日メールでお届けいたします。
免疫力をアップして、いくつになっても健康的な毎日を過ごしたい方におすすめの内容になってますので、気になる方はぜひ記事下のバナーをクリックしてお申し込みください。
↓↓