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おすすめ内視鏡豆知識
Endoscopist Doctor's Knowledge
近年、食生活の欧米化に伴い日本では大腸がんになる人が増加傾向にあります。がんの中で、もっとも患者数が多いのが大腸がんです。大腸がんは早期発見、早期治療を行えば、予後は悪くなく、手術によって治癒するケースがほとんどです。
大腸がんの予防や早期発見には、定期的な大腸がん検査が大切です。大腸がん検査といえば、便潜血検査や大腸内視鏡検査がありますが、大腸内視鏡検査は人によっては体に負担がかかる場合もあります。
大腸がんの早期発見に欠かせない大腸内視鏡検査ですが、年齢やその人の体の状態によっては、受けないという選択が必要なケースもあります。
厚生労働省が発表した「令和3年簡易生命表の概況」では、男性の平均寿命が81.47歳、女性は87.57歳と報告されました。日本は超高齢化社会に突入したこともあり、特に高齢の方からよく聞かれるのは、大腸内視鏡検査を受けても大丈夫なのかと心配する声です。
これまで大腸内視鏡検査を受けましょうとお伝えしてきましたが、今回は大腸内視鏡検査を受けるにあたり、主治医とよく相談すべき人の特徴について解説します。
大腸がんは年齢や性別を問わず、日本では増加傾向にあります。30代〜80代までさまざまな方が大腸がんを患っています。お腹の調子が悪く受診した方の中で大腸内視鏡検査を行い、大腸がんが発見されるケースも少なくありません。
自治体が行うがん検診でも、大腸がん検査が実施されています。
一般的に市区町村で行われる大腸がん検診は、便潜血検査です。対象年齢は40歳以上の方で、年に1回実施されています。便潜血検査の方法は、2日間にわたり便を採取し、血液が便に混じっていないかを調べます。
大腸がんや大きな大腸ポリープがあると、便が腸内を移動するときにこすれて、血液が付着することがあります。便に血液が混じっていないかを調べることで、大腸がんや大腸ポリープの有無を予測できます。
年齢制限や体への負担もなく簡便に実施できるため、自治体での検査で取り入れられています。便潜血検査で精密検査が必要となった場合は、一般的には医療機関で大腸内視鏡検査が行われます。
厚生労働省の指針では、大腸内視鏡検査に明確な年齢制限はありません。しかし、欧米では大腸内視鏡検査は75歳までとされており、76歳〜85歳は個別に判断するといった状況です。
ただし、近年は75歳以上の方でも大腸内視鏡検査によって、大腸がんの発症が約40%、大腸がんの死亡リスクも約40%低下するといった論文が発表されました。
また、大腸内視鏡検査は40歳以上になったら受けるものと思われがちですが、40歳未満の方でもあっても、大腸になんらかの病気が疑われる場合は、大腸内視鏡検査が行われます。40歳未満であっても、医療機関において医師の判断のもと、大腸内視鏡検査は可能です。
大腸内視鏡検査は、基本的に安全な検査です。しかし、前章で大腸内視鏡検査に年齢制限はないとお伝えしましたが、検査を受ける方の年齢を問わず、少なからず大腸内視鏡検査にはリスクが伴うため、高齢の方は検査を受ける前に注意が必要です。
大腸内視鏡検査は、検査を受ける当日(前日の夜にも下剤を少量飲みます)に下剤を服用して腸内を空っぽにしなければいけません。下剤といっても錠剤タイプではなく、一般的には約2リットルの洗腸剤の服用が必要です。通常は年齢や体型にかかわらず同じ量を飲まなければいけないため、この洗腸剤を飲むこと自体が負担になる方も多くいます。当院では全量1.8Lの下剤を患者さんひとりひとりにあった量を調整し、服用していただいています。
また、検査を受ける前日は、食事にも注意が必要です。夕食時間の制限や、食事内容も繊維質が少ないものや、油っこくない消化のよいものを選ぶ必要があります。きのこ類や海藻類、野菜などは避けましょう。
検査前日におすすめの食事は、うどんやお粥、パン、脂肪分が少ない肉や魚、豆腐、卵などです。飲み物はお茶や水を選ぶようにしましょう。
食事の時間や種類を間違えてしまうと腸内に便が残ってしまうため、腸内をしっかり観察できなくなり検査がうまくできないケースもあります。
高齢者の中には、持病がある方もいます。特に注意が必要なのは呼吸器、循環器系の持病です。大腸内視鏡検査は体に多少の負担がかかるため、呼吸器や循環器系の持病がある方は、主治医に相談しましょう。
もし、大腸内視鏡検査を行って大腸ポリープや大腸がんが見つかっても、体力的な理由から手術などの体に負担がかかるような治療を受けられない方は、検査をしないという選択肢もあります。
大腸内視鏡検査だけにかかわらず内視鏡を体内に挿入する検査は、まれに検査時に出血や臓器に穴が開く穿孔(せんこう)といわれる偶発症(ぐうはつしょう)が起こります。偶発症を発症すると、ケースによっては緊急手術や入院が必要です。偶発症は年齢に関係なく起こりますが、その後の処置を行うための体力があるかどうかも考えておく必要があります。
大腸内視鏡検査は、大腸がんや大腸ポリープの早期発見、早期治療に有効な検査ではありますが、高齢の方は検査によって起こりうるリスクについても理解しておくことが大切です。
大腸内視鏡検査を受ける場合、医療機関の選び方も大切です。大腸内視鏡検査は、どれだけ配慮しても身体的に少なからず負担がかかります。
そうした負担を軽減するために、さまざまな対処法を実施している医療機関も多くなってきています。
大腸内視鏡検査で多くの方が、苦しさや痛みを感じるのではないかと不安を口にします。こうした精神的不安や身体的苦痛を軽減するために、鎮静剤と鎮痛剤を使用する医療機関も増えてきています。
鎮静剤を使用すると、ウトウトと眠った状態となり不安を軽減できます。体に無理な力が入らないことで、検査を行う医師にとってもより検査がしやすくなり、細かな部分まで観察できるので、鎮静剤の使用は患者さんや医師にとってもメリットと考えられます。大腸内視鏡検査の場合は軽度の痛みを軽減する目的で鎮痛剤を併用することがほとんどです。
ただし、鎮静剤と鎮痛剤を使用した場合、検査当日は車の運転を控える必要があります。また1時間程度、院内で休憩をとってから帰宅しなければいけません。
大腸内視鏡検査を行う目的は、大腸内の病変の発見です。患者さんの体に負担をかけないためには、できるだけ短時間で検査を行うことも大切ですが、それ以上に大切なことは、大腸のすみずみまでしっかり確認し、小さな病変を見逃さないことです。
医師には各分野において専門医がいます。大腸をはじめ消化器に関する専門医の資格として「日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医」があります。この資格を有している医師は、決められた研修や内視鏡検査、治療数をこなし、試験に合格した医師です。
大腸内視鏡検査や、消化器系の疾患に精通している医師がいる医療機関を選ぶようにしましょう。最近では病院のホームページなどに、治療や検査実績を掲載している医療機関も数多くあります。
大腸内視鏡検査を受ける体力がない方、持病がある方でも、大腸の病気が疑われるような症状があれば、すぐに医療機関への相談が必要です。
以下のような症状が続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
・下痢、便秘がある、下痢と便秘を繰り返す
・便が細い
・便に血が付着している
・腹痛が継続している
・膨満感がある
初期の大腸がんは自覚症状がなく、症状が現れたときにはがんが進行しているケースが多くあります。また、親族に大腸がんになった方がいる場合は、注意が必要です。
年齢を問わず、症状を我慢していると、日常生活に大きな影響を与え、体だけではなく精神的にも大きな負担となります。大腸疾患の治療法はさまざまなため、まずは主治医に相談するか、消化器系を専門とする医療機関を受診しましょう。
高齢者の方でも、大腸内視鏡検査を受けられます。しかし、検査のリスクをしっかり考える必要があるため、持病のある方は主治医に相談しましょう。
また特に持病がない方は、これまでに大腸内視鏡検査を受けたことがあるのかないのか、検査したことがある方はその時期や検査結果を踏まえて、検査を行う医療機関に相談すると良いでしょう。
大腸内視鏡検査は、大腸がんや大腸ポリープなどの早期発見、早期治療に欠かせない検査です。40歳以上の方は、定期的に大腸内視鏡検査を受けましょう。大腸ポリープの段階で治療を受ければ、大腸がんの予防にもつながります。
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