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おすすめ内視鏡豆知識
Endoscopist Doctor's Knowledge
腹痛には、さまざまな疾患や原因が隠れているため安易に放置することはおすすめできません。
実は、激痛を伴わない腹痛の場合は、便秘が原因であることがほとんどです。もしも便秘が原因で腹痛が起こっている場合は、トイレでガスや便を出すだけで痛みが緩和します。
しかし、腹痛は、産婦人科、内科、泌尿器科、血管系の病気などに関わる疾患の原因になるため、放置しないほうがいい腹痛もあります。
今回は、腹痛の原因と腹痛がある場合の対応について解説します。
腹痛にはいろいろなパターンがありますが、激痛を伴わない腹痛や子どもが訴える腹痛のほとんどは便秘によるものです。
腹痛と便秘が結びつかないという方は、毎日排便があるのかもしれません。しかし、腹痛で受診しレントゲン撮影をしてみると、腸内が便でいっぱいになっているケースがしばしばあります。
毎日便が出ていても、便が硬いと腸内に便が固まって残るため、これが原因で腹痛を起こしているケースが多いのです。
虫垂は、おなかの右下にあります。大腸の一部で小腸との接合部近くにある小さな突起のような部分です。虫垂は、一般的に「盲腸(もうちょう)」とも呼ばれます。
虫垂炎は、なんらかの原因によって虫垂が炎症を起こした状態です。虫垂炎の診断は、簡単そうに思えますが、実は初期の虫垂炎は消化器専門医師でも診断が難しいです。
いわゆる「盲腸でおなかが痛い」という場合の一般的なイメージは、おなかの右下あたりの痛みを訴えることだと思います。ただし、実際の虫垂炎では違う場合があります。
虫垂炎は、放散型の痛みがあり初期の虫垂炎では「胃が痛い」と訴える方がほとんどです。また吐き気を訴えるケースもあり、すぐに虫垂炎と判断するのが難しいケースが多いです。
初期の虫垂炎では、虫垂付近の腹部を触診しても腫れていない、CTでも虫垂の腫れが確認できないケースが多くあります。また、炎症反応をあらわす白血球の数値も正常範囲のことが多いです。
こうなると、他の疾患や原因も考慮して観察するため、すぐには「虫垂炎」という診断にならないことがあります。
時間の経過とともに虫垂が腫れ、右下腹部の痛みが顕著になりCTでも虫垂の腫れが確認できるようになります。あとからみてみると初期の痛みや症状は、虫垂炎からきているものだったとわかるのです。
虫垂炎と診断するには、時間経過とともに虫垂の状態、痛みの変化を観察し診断しなくてはならないのです。
ひとこと「腹痛」といっても婦人科、内科、泌尿器科とさまざまな疾患の症状としてあらわれているケースがあります。
どの部位がどれほど痛むのか、またどのくらいの時間痛いのかによって医師は疾患を推測し診断します。問診のときには、疾患の特定のためにも医師に以下のことを伝えるようにしましょう。
・痛みの強さ
・痛みを感じる部位
・どのようなときに腹痛を感じるか
・どのくらいの時間痛みがあるのか
上記の項目を問診時に確認し、医師はおおよその疾患にめぼしをつけ検査を行っていきます。特に痛みの強さは、医師も注目している項目で大事な項目です。腹痛で受診した場合には、「こんなこと話しても…」と思わず些細な症状や感覚も伝えましょう。
腹部には腹腔動脈という血管があり、血栓によって血液が詰まると腹部に激痛が起こります。心臓から送り出された血液が通る大動脈は、人体の中でもっとも太い血管です。
盲腸や腹膜炎など腹部に炎症がある場合には、激痛を訴え腹部も板のように固くなります。腹部が固くなることで、腹膜炎になっていることを判断できます。一方、血管の詰まりによって起こる腹痛の場合は、腹部を触ったことによる痛みはなく、腹部が柔らかいのが特徴です。
医師は、腹部を触診し柔らかければ血管が詰まったことによる腹痛や腸捻転など腸に関わる疾患や患者が女性の場合は、卵巣軸捻転なども同時に疑います。
卵巣につながる卵管という細い管や腸がねじれると、激しい腹痛を訴えるものの腹部は柔らかいです。
腹痛と腰にも痛みがある場合は尿管結石を疑います。
尿管結石の痛みは、なったことがある方にしかわからないほどの痛みです。腹痛以外にも腰の両脇に痛みがあり、腰の両脇あたりを叩いて痛みが響けば尿管結石の可能性が高くなります。
尿管結石は、尿中に含まれるカルシウムやシュウ酸、尿酸などが固まることで石のように固い物質ができます。尿管に結石が詰まると炎症が起き、痛みを伴うのが特徴です。痛み以外にも吐き気や嘔吐を引き起こすケースもあります。
腹痛の原因が、はっきりしないと不安を感じる方もいるでしょう。
ただ、「おなかが痛い」というだけでは疾患を診断することも難しいです。腹痛から考えられる疾患は、部位別にみても下記の通りあります。
・消化器:虫垂炎、胃十二指腸潰瘍、腹膜炎、腸閉塞、逆流性食道炎、大腸憩室炎など
・肝胆膵:胆のう炎、急性膵炎、胆石の発作など
・心臓・血管疾患:心筋梗塞、狭心症、大動脈瘤破裂、大動脈解離など
・呼吸器:肺炎、肺塞栓、気胸、食道穿孔など
・泌尿器:尿管結石、腎盂腎炎、尿閉など
・婦人科:子宮外妊娠破裂、卵巣出血、月経痛など
たとえば右側の肋骨下にある右季肋部(みぎきろくぶ)に痛みがある場合は、胆のう炎や胆石の発作を疑います。また、大腸にある穴のようなくぼみにある大腸憩室(だいちょうけいしつ)に便が詰まり炎症を起こすと大腸憩室炎になり痛みが生じます。
大腸憩室は左右にあるため、右側に痛みがある場合には虫垂炎も同時に疑いますが、時間の経過によって虫垂炎なのかそうでないかを診断していくことがほとんどです。
激しい腹痛があっても、受診するかしないか判断に迷う方もいるかと思います。中には、「腹痛だけで受診してもいいのか?」と躊躇してしまうケースがあります。
腹痛は、単なる痛みではなく生死に関わる重要な疾患の前触れかもしれないため放置できないケースもあるのです。
普段から腹痛などなく、嘔吐や発熱など他の症状がない場合で、話ができる、動ける程度の腹痛の場合は、まずトイレに行ってみましょう。
腹痛の原因が便秘の場合は、腸に便がたまり排出されない状態ですぐには便がでません。便を出そうといきむと急激に血圧が上がると危険なため、いきまないようにします。
いきまず、便を出しやすくするには「考える人」のポーズをします。考える人のポーズとは、便座に深く座らず肘を太ももに付け前かがみ、かかとを少し上げた姿勢です。この姿勢をすると、直腸と肛門の角度が開き便が出やすくなるといわれています。
便が出なくてもガスを出して腹痛が軽減すれば、便秘による腹痛だったことがわかります。ただし、便秘による腹痛を繰り返す場合でも「出せば治るから」と放置せず一度専門医で相談しましょう。
トイレに行っても便もガスも出ず、10分以上痛みが続く場合は、便秘ではない可能性があります。仮に便秘だったとしても、自力では排出できない状態ということです。
腹痛の原因には、さまざまなものがあるためどこを受診したらいいかわからないという方もいるでしょう。腹痛がある場合には、胃カメラ検査、CT、腹部エコー、レントゲン、大腸内視鏡検査、血液検査などの検査が必要となるため総合病院や消化器内科などを受診することをおすすめします。
腹痛だけではなく吐血、下血、発熱、冷や汗、血圧低下などを伴う場合は、危険な状態で緊急を要する状態です。夜中や休日でも躊躇せず受診しましょう。
腹痛の原因のほとんどが便秘によるものですが、腹痛だからと放置してしまうと危険なこともあります。
腹痛がある場合には、まずトイレで便やガスを出してみましょう。もし、トイレに行けない、話すこともできないほどの痛みが10分以上続く場合には、躊躇せず受診をおすすめします。
受診したときには、必ず下記のことを医師に伝え、腹痛の原因を明確にし対処してもらうことが重要です。
・痛みの強さ
・痛みを感じる部位
・どのようなときに腹痛を感じるか
・どのくらいの時間痛みがあるのか
また、繰り返す腹痛の場合は「いつものことだから」と放置せず、一度は受診するようにしましょう。
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