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Endoscopist Doctor's Knowledge
大腸カメラ検査は「お尻や肛門を見られるので恥ずかしい」という理由から検査を敬遠する女性は少なくありません。実際大腸カメラ検査は肛門からカメラを挿入するため、恥ずかしく感じるかもしれません。しかし、恥ずかしさよりも検査を受けるメリットが上回ることから、大腸カメラ検査を受診することは非常に大事です。
国立がん研究センターの最新がん統計によれば、 2021年における女性のがん死亡率第1位は大腸がんとなっています(男性は2位)。大腸がんの手術や抗がん剤治療は、大腸カメラ検査に比べて治療期間も長く、非常につらく苦しいものになってしまいます。大腸カメラ検査を受診することで大腸がんの予防・治療につながります。
今回は、大腸カメラ検査は恥ずかしい?をテーマに、大腸カメラ検査の流れや女性が知っておきたい大腸カメラ検査を受ける際の注意点について解説していきます。
大腸カメラ検査は大腸がん以外にも大腸ポリープや潰瘍性大腸炎などの発見において有効な検査です。大腸がんのほとんどは大腸ポリープから発生していくため、大腸ポリープ発見および適切な切除は大腸がんの予防にもなります。
大腸がんや大腸ポリープは早期の段階では自覚症状がほとんど見られません。そのため、定期的に大腸カメラ検査を受診することで早期の発見が見込めます。
なお大腸がん検査には便潜血検査もありますが、便潜血検査で早期大腸がんや平坦型の大腸ポリープを発見することは難しいこともあり、気づいた時にはすでにかなり進行していた、ということになりかねません。便潜血検査が陽性・陰性どちらであれ大腸カメラ検査を受診することはとても重要なのです。
大腸がんの検査時間はわずか15分程度です。検査が始まる直前までは、ひざ下まであるガウンを着て待つことができ、ガウンの下は後ろにスリットの入ったハーフパンツを履いた状態にて検査が行われます。検査中は鎮静剤で眠っているため、気が付いた頃には検査は終了しています。
もし早期がんがあった場合でも、内視鏡治療できるものであれば早めの治療が可能です。15分程度の検査をするだけで、大腸がんによってお腹を切ったり亡くなったりする可能性が低くなる重要な検査、それが大腸カメラ検査です。
大腸カメラ検査は、以下のような流れで進んでいきます。
検査前日は夕食を早めに摂取していただきます。できるだけ消化の良いもの(うどんやおかゆなど)を摂るようにしましょう。夕食後は水やお茶、スポーツドリンク等は飲んでも大丈夫です。21時に検査前日夜に飲む下剤を服用します。そして、早めに就寝することを心掛けます。
検査の際には、下剤でお腹の中を空にしておく必要があります。そのため、検査当日は朝から食事やお茶などの摂取はNGです。水は飲んでも大丈夫です。
下剤の服用は自宅で服用するケース、医療機関にて服用するケースがあります。下剤は1.4から1.8リットル程度を数回に分けて2時間程度で摂取していきます。服用してから1時間程度で頻繁に排便が促されます。5~8回程度排便が行われると黄色い液体のような便となり、落ち着いてきます。そのような状態になったら検査可能となります。
検査前には検査着に着替えて待機します。名前を呼ばれたら検査室に入室します。
検査台に上がったら体の左側を下にして、ひざを少し折り曲げた状態で横たわります。基本的には鎮静剤を注射されて眠っている状態で検査が行われますが、医療機関によっては、鎮静剤の量を調整することでぐっすり眠っている状態、ぼーっとした状態で画面を見れる状態などの対応が可能です。
鎮静剤が効いてきた段階で肛門から内視鏡を挿入します。大腸カメラは5分程度かけて大腸の一番奥まで挿入した後、ゆっくりと腸の中を観察しながら引き抜いていきます。検査時間は10~15分程度で終わりますが、腸の長さや形によって個人差がありますので、長い方だと30分程度かかる場合もあります。
検査中、切除適応のがんやポリープを発見した場合には、その場で切除が行われます。ポリープの切除の場合、1つの切除に1~5分程度の時間がかかります。
検査終了後はリカバリー室にてしばらく休んでいただきます。投与された鎮静剤の量にもよりますが1時間程度の安静が必要です。
着替えを済ませたら、撮影した画像を見ながら医師からの検査結果を聞きます。組織検査がある場合には病理結果が後日出るため、日をあらためて医療機関を受診して結果を聞きましょう。
なお、大腸カメラ検査のみ行われた場合にはその後特に食事制限等はありませんが、ポリープの切除を行った場合には消化の良いものを食べるようにしましょう。また、飲酒にも制限がある場合があります。医療機関によって、検査後の注意事項は異なります。検査後に詳しく聞いて守るようにしましょう。
女性が大腸カメラ検査を恥ずかしいと感じる理由はいくつかあります。
たとえば、大腸カメラ検査は肛門からカメラを挿入することから、女性であれば男性医師ではもちろんのこと、たとえ女性医師であっても抵抗を感じる方は多いです。
それ以外にも
・ムダ毛の処理をしていない
・検査当日に生理になってしまったらという不安
・検査中に便意をもよおさないかという不安
といったことで恥ずかしさを感じてしまうことがあります。
肛門周辺のムダ毛が気になり、剃毛してから検査に臨むべきかどうか心配な方もいるようです。実際にはムダ毛自体が検査に支障を来すことはありません。前述のように、検査時にはハーフパンツを履いて検査が行われますので、自身が思っているよりもお尻や肛門が医師の目に触れることはありません。
女性の場合、大腸カメラ検査の日に生理になってしまうことがあるかもしれません。そうなった場合、経血が気になって恥ずかしいと感じてしまうこともあるでしょう。
もし大腸カメラ検査当日に生理になったとしても、ほとんどの医療機関において検査は予定通り行われます。生理で膣から出血する血液は大腸との関連はなく検査上影響がないためです。
仮に検査中に出血が生じた場合でも、生理による出血なのか大腸からの出血なのかは、その場にいる医師であれば判別可能です。
経血で診察台が汚れてしまうなど気になる方は事前に女性看護師などに相談し、事前にナプキンやタンポンを使用しておくなどの準備をしておくとよいでしょう。
いくら生理中に大腸カメラ検査が行えるとはいえ、生理により体調がすぐれない状態で検査を受けることに不安がある方もいると思います。その場合には、日程を調整し改めて検査を行うのが安心です。
事前に下剤を服用して大腸の中をすっきりきれいにしたつもりでも、大腸カメラが挿入された際の刺激により検査中に便意をもよおすことがあるかもしれません。実際に検査の最中に便が出てしまうことはよくあることで、便が出てしまったとしても恥ずかしがることはありません。医療機関側もそのような事態には慣れているため、あらかじめ防水シートを敷いたりするなどの予防策を取って対応しています。
大腸がんは早期発見によって適切な治療を行えば、命を落とすようなことはなくそれほど怖くないがんです。しかし大腸がんは初期段階で自覚症状がないことから、大腸カメラ検査の必要性をあまり感じない人が多く、その結果がんが進行した状態でやっと気づき、その時には手遅れになってしまうことが多いがんでもあります。
大腸がん検診は40歳以上の方であれば男女問わず定期的に受診することがおすすめです。特に女性の場合、最初にもお伝えしたように死亡率が第1位のがんでもあることから、大腸カメラ検査は女性の方にこそ受診してもらいたい検査ともいえます。
本文でも紹介してきたように、女性にとっては恥ずかしい検査のひとつであることには変わりありませんが、大腸カメラ検査を受診することで救える命があります。検査時の一瞬の恥ずかしさはあるかもしれませんが、まずは勇気を出して医療機関に相談してみることからはじめてみましょう。
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