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便秘が大腸がんの原因って本当?大腸がんにならないための予防策について解説!

  • がん

よく「便秘が大腸がんの原因だ」ということを耳にしますが、実際のところは科学的には証明されていません。しかし、便秘と大腸がんは関係性が強いと考えられています。

そもそも大腸がんはどのようながんで、どのような原因で生じるのでしょうか?また大腸がんにならないためにはどのような予防策があるのでしょうか?

今回は大腸がんの原因について詳しく見ていきたいと思います。

1. 大腸がんとは?

大腸がんの検査

大腸がんとは大腸(結腸や直腸、肛門)にできるがんです。

国立がん研究センターの最新がん統計によると、大腸がんと診断された数は2019年で155,625例(うち男性87,872例、女性67,753例)ありました。また大腸がんで死亡した数は2020年で51,788人(うち男性27,718人、女性24,070人)となっています。

男女合わせたがんの罹患数の順位では大腸がんは1位となっており(罹患数の順位は男性、女性それぞれ2位)、死亡数の順位については、男性は2位、女性は1位、男女合わせた順位は肺がんにつづいて2位となっています。

1-1. 大腸について

大腸がんについて考える前に大腸の構造や役割について知っておきましょう。

大腸は小腸に続く消化管です。右下腹部から始まり肛門に至るまでぐるっと小腸を取り囲むように位置しています。大腸の全長は約1.5m~2mほど、直径は約5~7cmです。

大腸は盲腸と直腸、結腸に分かれていますが、直腸はさらに直腸S状部、上部直腸、下部直腸に、結腸は上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に分けられます。

大腸には便を運搬してくれる働きと、水分を吸収する働きがあります。ちなみに大腸自体には栄養を消化吸収する働きはほとんどなく、その役割は小腸が担っています。大腸の始まり部分では便がまだ水状態ですが、上行結腸、横行結腸、下行結腸と通って肛門に至るまでの途中で水分が吸収されていき、最終的に便の形になっていくのがS状結腸や直腸のあたりとなります。

直腸部分にまで便が下りてくると「ウンチがしたい」となり、脳に指令が行き、その結果トイレに行くといった仕組みとなっています。なお、大腸において水分を上手く吸収できないと、下痢や軟便になったりします。

2. 大腸がんはどうしてできるのか?

ハンバーガーとポテト

大腸がんは40歳前後から増加していき、60代、70代と高齢になってくると罹患率が高くなります。大腸がんになる原因はいくつかありますが、ここでは代表的なものを紹介しておきます。

2-1. 食事

大腸がんのリスク要因として欧米型の食生活が挙げられます。特に動物性脂肪や赤身肉(動物性たんぱく)、ハムやソーセージなどの加工肉の摂取は大腸がんの危険因子とされています。特に加工肉に含まれている発色剤(硝酸ナトリウム・亜硝酸ナトリウム)は、発がん性物質と言われており危険です。

また、ファストフードをはじめとしたジャンクフード中心の食生活や、野菜・果物不足に起因する食物繊維不足の食生活も大腸がんのリスク要因となります。

2-2. 飲酒・喫煙

飲酒や喫煙を日常的に行っている人は、大腸がんのリスクが高い可能性があります。国立がん研究センター中央病院の研究によると飲酒が大腸がんのリスクを高めるのは「ほぼ確実」という報告もあります。

日本人を対象とした研究で日本酒を1日2合以上摂取する人の結腸がんリスクはお酒を飲まない人の2倍あると報告されています。また、たばこの煙には多くの発がん物質が含まれていることもあり、大腸がんのリスク要因であることに疑いの余地はないでしょう。

2-3. 運動不足

運動不足は、大腸がんの中でも結腸がんの発生リスクを高めると言われています。運動を適度に行わないと腸管の動きが鈍化し、大腸を便が通過する時間が長くなります。その結果、腸内で発がん物質にさらされる時間が長くなり、大腸がんになりやすくなると考えられています。

また、座り仕事の多いデスクワーカーは大腸がんの発生率が高いとも言われているので、仕事の合間に軽く体を動かすなど意識的に行うようにしましょう。

2-4. 肥満

肥満も大腸がんリスクの高い要因のひとつです。男性の場合特にその傾向が高く、BMIが27以上の場合には25未満の人と比べると大腸がんリスクが上昇します。

2-5. 家族歴

大腸がんにかかった人が家族の中にいる場合にも大腸がんリスクがあるとされています。大腸がんには、遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC)と、家族性大腸腺腫症(FAP:家族性大腸ポリポーシス)といった遺伝性疾患があり、大腸がん全体の2~3割を占めています。なかでも若年性の大腸がん発症には、家族歴が大きく関与しているとされています。

3. 大腸がんにならないために

ウォーキングをする男女

大腸がんにならないためには、生活習慣を改善し健全な生活を送ること、また腸内環境を良くして便通を良くすることが重要です。さらに、定期的に大腸内視鏡検査を受診することも大事です。

3-1. 生活習慣の改善

生活習慣を改善するには、上記で紹介した大腸がんの原因となるリスク要因を取り除くことにつきます。脂っこいものを控えて食物繊維の多く含まれた野菜を多く摂る食生活にする、禁酒・禁煙を行う、適度な運動を行うといったことをまずは行いましょう。

3-2. 腸内環境の改善

大腸がんにならないためには、腸の環境を改善して蠕動運動を良くすることが大事ですが、そのカギとなるのが乳酸菌による腸の免疫活性です。腸管免疫という腸の免疫を高めるために、乳酸菌を大量に補給してあげることが大事です。

乳酸菌には腸内環境を整える効果があり、便秘や下痢を予防したり、肌荒れを防ぐ効果があります。また乳酸菌のバランスを良くすることで免疫細胞を活性化させることに役立ったり、花粉症などのアレルギー症状改善効果も期待できます。

3-3. 大腸内視鏡検査の受診

大腸ポリープや大腸がんは早期発見・早期治療がとても重要です。大腸ポリープの中には大腸がんに発展する可能性があるものが多くあり、大腸内視鏡検査を定期的に受診して、大腸ポリープを早めに切除しておくことが安心につながります。

4.便秘は大腸がんの原因なのか?

便秘でお腹が痛い高齢女性

冒頭でお伝えしたように、便秘と大腸がんは関連性が高いと考えられているものの、直接的に便秘が大腸がんのリスクになるという報告はなされていません。しかし、便秘になると便の中にある発がん性物質や有害物質が大腸の粘膜に接する時間が必然的に長くなり、それによって大腸がんになる可能性は高いと言えます。

ただし、お尻の近くの直腸とS状結腸部分は便が塊となって溜まる場所であり、約7割の大腸ポリープや大腸がんがこの部分に発生することから、便秘は大腸がんの原因ではないかという説はあながち間違っていないと考えるものの、今の段階では仮説にすぎません。

4-1. 便秘はどのようにして起きる?

便秘になる原因は人それぞれですが、便秘には大きくわけて「機能性便秘」と「器質性便秘」という2つのタイプがあります。

4-1-1.機能性便秘

機能性便秘とは、便が作られる段階や排便において障害があるものを言います。機能性便秘は、さらに「弛緩性便秘」「痙攣性便秘」「直腸性便秘」といったものに細かく分けられます。

弛緩性便秘…大腸の蠕動運動が低下したことで起こる便秘のこと。繊維不足・運動不足等が原因。

痙攣性便秘…精神的ストレスなどが影響し、腸の蠕動運動が強くなってしまったために腸の一部がけいれんして便がうまく運ばれない状態のこと。ストレスが多い人などに見られる。

直腸性便秘…便が直腸に達しているにもかかわらず、便意を催さずに直腸にとどまっている状態のこと。高齢者や寝たきりの人、トイレタイムが確保できない人に多い。

4-1-2.器質性便秘

器質性便秘とは、腸管の癒着や大腸がんといった原因により、小腸や大腸、肛門などの消化管に便の通過障害が起こっているものを言います。

このように便秘が大腸がんの原因であるとした場合には、機能性便秘の改善が求められます(器質性便秘は大腸がんが原因のケースがあるので対象外です)。たとえば、運動不足を解消したり食物繊維のある食べ物を好んで食べる、できるだけストレスをためない生活を心がける、排便を習慣づけるといったことをすることで便秘を解消すれば、大腸がんのリスクは大きく減少するはずです。

4.まとめ

医者

以上、大腸がんの原因や大腸がんにならないための予防策、また便秘と大腸がんの関係について紹介しました。

大腸がんの原因はさまざまですが、いずれにしても規則正しい生活や適度な運動、食生活の改善などで大腸がんのリスクを減らすことは可能です。また便秘は大腸がんの直接的な原因とは言えませんが、便秘を解消することによるメリットもあり、普段から規則正しい排便を心掛けることも大腸がんにならないための予防策となります。

ただし、大腸がんは早期のものだと無症状であるため、普段の生活を心がけるだけでは、大腸がんに気付かない場合もあります。そうならないためにも、定期的に大腸内視鏡検査を受診して大腸がんのリスクを極力なくすように心がけましょう。

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