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Endoscopist Doctor's Knowledge
食欲不振や吐き気があったり、食後に気持ち悪くなったりする場合には「消化不良」が起きている可能性があります。消化不良は比較的頻繁に起こりやすいものですが、割と軽度であることが多く、わざわざ医療機関を受診するほどではないと考えている方も多いのではないでしょうか。
ただし、慢性的に消化不良を感じるような場合には胃がんや食道がんなど重い病気が潜んでいる可能性もあり、注意が必要です。
今回は消化不良とはどのようなもので、どうして起こるのか?消化不良の原因や予防策について見ていきたいと思います。
消化不良は、従来の消化機能が落ちることで体に不調をきたす状態のことを言います。
従来の消化機能としては、口からものを摂取し、食道→胃→十二指腸→小腸→大腸→直腸とつながっています。その過程において、口から入った食べ物はそのまま体外に出されるわけではありません。口では食べ物を嚙み砕き、胃の中では胃酸によって分解がなされます。さらに胆汁・膵液と呼ばれる腸液で脂質、たんぱく質、炭水化物を消化管で吸収できるくらいまで細かく分解します。
具体的には、胆汁は脂肪の吸収を助け、膵液はたんぱく質や炭水化物・脂肪を分解していきます。たんぱく質や炭水化物は細かくしないと小腸内の毛細血管から体の中に栄養として入っていくことができません。
なお、ほとんどの栄養分が吸収される場所は小腸です。小腸は絨毛構造といって内側の壁が絨毛と呼ばれる絨毯のようなもので多数おおわれています。その表面は突起状となっているため、非常に表面積が広いのが特徴です。突起の中には細い毛細血管が多数通っており、その中にブドウ糖やアミノ酸、無機物が吸収されてはじめて栄養になりますが、この吸収が悪くなることで消化不良が起きるのです。
消化不良が起こると、一般的には次のような症状が現れます。
・気持ち悪さがある
・胃に違和感や不快感がある
・げっぷが出る
・胸やけがする
・腹部膨満感がある
・食後に胃もたれがする
・胃がきりきり痛む
・食欲がわかない
・体重が減少している
・吐き気がする など
消化不良が生じたとしても、すぐに医療機関の受診が必要ということはなく、一時的な症状であることが多く時間の経過とともに改善することがほとんどです。
ここからは消化不良の原因について見ていきます。
過食の場合には消化不良が起こり得ると言われています。その理由として、食べ物の量に対して消化酵素が足りず、食べ物が消化しきれず消化管内に残ってしまうためです。食べ物を細かくする働きのある消化酵素にも分解できる量は限られています。そのため、たくさんの食べ物が入ってきてしまうと全部を消化することができず、このことが消化不良につながります。
体調が悪いと消化管の働きが悪くなり、蠕動運動が弱くなります。そうなると食べ物の流れは停滞します。たとえば、精神的なストレスや肉体的な疲労により、自律神経の乱れが生じると消化機能が落ちてしまうことがあります。またストレスにより過剰な胃酸分泌が生じて胃に炎症が起きてしまうといったことも消化不良の原因のひとつです。
食事することによって細菌やウィルスも食べ物に付着して消化管に辿りつきます。その結果、腸の免疫が機能しますが、毒性が高い場合に感染性胃腸炎といった形で消化不良の症状が出てくることがあります。また寝不足や疲労で体力が落ちていると免疫力もあわせて低下してしまうため、細菌やウィルスにも感染しやすくなります。
消化の良くない食べ物の代表格として、脂っこいものがあります。たとえば、焼き肉の霜降りカルビなどは1枚・2枚であれば美味しく食べられますが、それ以上食べようとすると気持ち悪くなってしまう人もいるのではないでしょうか。
一般的にカルビのような動物性脂肪が胃の中に入ってくると、胃の動きがピタッと止まると言われています。胃が動かなくなれば物理的に胃に物が入ってきても食べ物はどんどん溜まってしまうため気持ち悪くなり、嘔吐をもよおしてしまうことがあります。
ちなみに、歳を取ると脂を受け付けなくなるとよく言われますが、これは加齢による消化機能の衰えによるとされています。
アルコールをたくさん飲むと胃の働きや腸管の働きが落ちてしまいます。なかでも冷たいビール、酎ハイといったアルコール類を大量に飲むと体が冷えてしまい、消化管の機能が不安定になりお腹を下してしまいがちです。アルコールを摂取すると胃が動かなくなってしまいますが、腸はアルコールが入ってきているため早く外に出そうとして下痢してしまうことはよくあります。
唐辛子といった刺激性の高い食品の摂取も、消化不良につながることがあります。唐辛子の辛味の主成分となるカプサイシンは、少量であれば胃に適度な刺激を与え、唾液や胃液の分泌を活発にすることで食欲を増加させる効果があります。しかし、過剰にカプサイシンを摂りすぎると胃や腸の粘膜に刺激を与えてしまうため、胃の不調や下痢などを引き起こすことがあります。
消化不良を起こさないためには、以下のような対策・予防策を講じて、胃を早く元の正常な状態に戻すことが必要です。
消化不良が生じた場合、医療機関では消化剤を処方することがあります。消化剤とは、胃液や腸液などに含まれる酵素と同じ作用を持つ消化酵素が含まれており、消化を助ける働きがあるものです。この消化剤を飲むことで物理的に少ない酵素を増やすことができるため、消化を促すことができます。
アルコールを飲む際には、事前にウコンを飲んでおくと良いでしょう。ウコンはアルコールを分解する作用が強いため、必要以上のアルコールによる運動障害が改善する可能性は高いとされています。
また、直接アルコールを体に吸収させないということであれば、空腹時にアルコールを飲まないことも非常に効果的です。アルコールを摂取する前には何かしらお腹の中に入れておくとよいでしょう。たとえば、野菜などを一緒に食べることで胃の粘膜に層が作られ、アルコールの吸収がゆっくりとなり、二日酔いにもなりにくくなります。
ただし、ウコンを飲んだからといって飲み過ぎはNGです。適度な量に抑え、胃にあまり負担をかけないようにすることで、消化不良予防につながります。
消化不良が生じている時には、脂っこいものや刺激物を控えて、できるだけ消化のよい食べ物を食べるようにしましょう。たとえば、主食だとおかゆやうどん、肉・魚類では白身魚やささみ、にんじん、だいこん、ほうれん草、キャベツなどの野菜、さらには豆腐や納豆などの大豆製品などがおすすめです。なお、食物繊維が多いごぼうやたけのこ、れんこんといった野菜、キノコ類、わかめやひじきなどの海藻類は避けましょう。
ただし、消化によい食事を摂るからといって、食べ過ぎには注意すること。また胃に負担がかかる早食いは行わないようにしましょう。
以上、消化不良の発生原因やその予防策について紹介してきました。
胃は、胃酸という消化酵素を出すだけでなく食べ物を溜めておくことができ、消化管の中で不調の訴えが一番多い臓器です。胃は症状と病気の重症度がリンクしないところが非常に難しく、消化不良をはじめとした胃の不調を感じた際には、まず胃を休めることを心がけましょう。
下痢や胃痛が続くようであれば、胃腸科や消化器内科などの医療機関にて診察を受けるようにし、気になる場合は胃カメラ検査によって胃の中を、大腸カメラによって大腸の中をしっかり見て病気が隠れていないかどうかを確認しておくと安心につながります。
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