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バレット食道って何?その原因や予防法、逆流性食道炎との関係について紹介

  • 疾患・症例

最近増加傾向にあると言われている「バレット食道」を耳にしたことはありますか?バレット食道自体は病気ではなく、胃内視鏡検査で観察した時の所見のひとつにすぎません。つまり、病気ができやすい状態を指すものと言えるのではないかと思われます。

バレット食道の人にとって怖いのは「バレット食道腺がん」ただひとつです。バレット食道は何か悪さを起こすものではありませんが、バレット食道があることで、食道がんができる可能性が非常に高くなるため注意が必要です。

そんなバレット食道は逆流性食道炎と密接な関係にあると言われています。

今回はバレット食道とはどんなものなのか、その原因や予防法、さらには逆流性食道炎との関係性についても見ていきたいと思います。

1. バレット食道とは?

人体模型

胃酸や胃内容物が食道へ逆流を起こすと、逆流性食道炎が発症し食道に炎症が起こります。できた炎症の治癒過程で胃と食道のつなぎ目部分から食道下部にかけて食道の粘膜(扁平上皮)が胃粘膜(円柱上皮)に置き換わった状態のことをバレット食道と言います。炎症がさらに続けば、バレット食道はだんだんと口側に延伸していきます。

バレット食道には3cm未満のショートセグメントバレット食道(SSBE)と、3cm以上のロングセグメントバレット食道(LSBE)があり、バレット食道が長くなればなるほど発がんのリスクは高くなります。

欧米人はこのLSBEの割合が多いですが、日本人にはLSBEは比較的少なくSSBEが大多数とされています。

1-1. バレット食道の症状

バレット食道の特有の症状はありません。逆流性食道炎の症状となる胸やけや吐き気、げっぷ、腹部の張りや食事が詰まる感じがする、といったものが現れてきます。ただし、人によっては症状が出ないケースもありますので、普段の生活ではバレット食道に気づかず、内視鏡検査を受けて初めてバレット食道であったことを認識する人が多いと考えられます。

1-2. 逆流性食道炎があるとバレット食道になりやすい?

逆流性食道炎がある人は、ほぼ100%バレット食道になりやすいと言えます。炎症が起こると人間の修復能力で確実に治るものの、炎症を受けた食道粘膜はなぜか胃で治ってしまうことがバレット食道における大きな問題です。

逆流性食道炎になりやすい人の特徴として

・甘いものや香辛料を好む人
・喫煙習慣がある人
・早食い習慣がある人
・肥満体系の人
・アルコールや炭酸飲料を過剰に摂取している人
・脂っこいものを食する機会が多い人
・食事をしたあとにすぐ寝てしまう人

などが挙げられます。上記に該当する人はバレット食道であるリスクを踏まえたうえで、内視鏡検査を受けることをおすすめします。

1-3. 食道が胃に置き換わるとは?

バレット食道では、食道だったつなぎ目の部分が、だんだん口側に出っ張っていきます。顕微鏡で見ると、バレット食道には下側に食道の粘膜、その上に胃粘膜ができる二重構造が見られますが、これを粘膜筋板二重構造と呼びます。その領域は圧倒的に腺がんになりやすいと言われています。

逆流が繰り返されることによってできた遺伝子の傷から出てくるがん細胞がバレット食道腺がんになるので、バレット食道は逆流性食道炎と密接に関わりがあると言えます。

2. バレット食道とピロリ菌の関係について

ハンバーガーとポテト

実は、バレット食道とピロリ菌は大きな関係があります。ピロリ菌の感染は胃酸を低下させるため、バレット食道発生と逆相関するとされています。一方で、ピロリ菌の感染率は現代では非常に下がってきていますので、胃がんにかかる人は将来的には大きく減少してくだろうといった予想もあります。

胃酸が多くなる環境、つまりピロリ菌がいない状態であれば胃は元気な状態を保つことができます。しかし現在の若い世代の方々は、高カロリーかつ過食、消化の悪いものや刺激物の摂りすぎ、飲酒といった食習慣の乱れやストレスによって胃酸過多になりやすい状態です。

胃酸過多になれば、逆流性食道炎のリスクが高くなるため、注意しなければならないのがバレット食道・バレット食道腺がんと言われています。

3. 日本人と欧米人の食道がんの違い

食道がんには、大きく「腺がん」と「扁平上皮がん」の2つがありますが、日本人がかかる食道がんの実に90%以上が、食道の粘膜の表面にある扁平上皮から発生する扁平上皮がんとなります。これはもともと食道部分ががん化してしまうものです。

一方欧米人の場合、食道がんにかかる多くの人がバレット食道腺がんで、扁平上皮がんの人はほとんどいません。バレット食道腺がんは、食道だった部分が胃に置き換わり、その部分ががん化したものを言います。

欧米人にバレット食道腺がんが多いのは、アルコールに強い体質の人が多く扁平上皮部分は強いのですが、アルコール摂取により食道への逆流が多くなることが原因で、バレット食道腺がんの発症が多くなっています。

このバレット食道腺がんは年々日本でも増えてきているので注意が必要です。

3-1. バレット食道腺がんの症状

バレット食道腺がんの症状としては、胸や腹部の痛み、嘔吐、吐血、食べ物が飲み込みにくくなる、黒色便などが挙げられます。いずれもバレット食道腺がんに特有の症状ではなく、早期であれば主に逆流性食道炎の症状と考えられます。大きくなり進行がんとなった場合は、食道と胃のつなぎ目に狭窄をきたし、食事が通らなくなる、毎回食べた物を吐いてしまうなどの症状が考えられ、通常の進行食道がんと同様の症状で、両者の区別はつきません。

バレット食道腺がんは早期発見が可能なので、早期であれば内視鏡治療で完治できます。大事なのは内視鏡検査で現在の状態を知ることです。逆流性食道炎なのかバレット食道があるのか、そこからがんは発症していないかを定期的にチェックすることを怠らないようにしましょう。

4. バレット食道は予防と対処、どっちが効果的?

シンプルな和食

ピロリ菌が減っており胃酸過多の人が多い現代では、逆流性食道炎を予防するほうが理想的です。しかしながら逆流性食道炎は、現在起きている、また過去に起きたバレット食道の部分をしっかり定期検診等で見張ってあげることが重要ですので、内視鏡検査をはじめとした予防と対処の両方が必要となります。

ピロリ菌がいないから胃がんにはなりにくい。とはいえ、逆流にともなうバレット食道腺がんの可能性が高い、といったことが警鐘されています。バレット食道腺がんは逆流性食道炎と非常に似ているため、内視鏡検査による診断でも判断が難しく、がんが隠れていることも多いので生検が大切になってきます。内視鏡検査を行い、疑いのある組織の生検をして、がん細胞がないかチェックをすることが大事です。

4-1. 逆流性食道炎の予防法

バレット食道の原因とも言える逆流性食道炎は、食生活や生活習慣を整えることで症状を抑えられることがあります。たとえば、

・食事量を通常の7~8割に減らす
・消化の良い食事を摂る
・刺激物の摂取をできるだけ控える(チョコレート、コーヒー、炭酸飲料、脂っこい食事、甘いもの、柑橘類、アルコール類など)
・喫煙習慣のある人は禁煙または喫煙回数を減らす
・寝る際には左側を下にして寝る
・寝る前2~3時間以内の食事は控える
・腹圧のかかる衣服や下着、ベルトはできるだけ避ける
・前かがみになるような体勢をできるだけ取らない

といったことを意識するだけで逆流性食道炎が予防できます。

4-2. 逆流性食道炎の人は検査を受けるべき?

胃内視鏡検査を行う意味には、胃がんのチェックだけでなく現在増加中のバレット食道腺がんも見ることにあります。一般的に胃カメラは胃検査だけを行うものと思っている人も多いですが、実際にはのど(咽頭・喉頭)や食道、胃、十二指腸も観察しています。

そのため、逆流性食道炎の人も胃内視鏡検査を定期的に受けることが必要です。

5. まとめ

医者

以上、バレット食道についての基礎知識、その原因や予防法、さらには逆流性食道炎との関係性についてお伝えしました。

医療機関での検診等でバレット食道であると診断されたとしても、すぐに命の危険があるわけではありませんが、40歳を超えているようであれば、定期的に胃内視鏡検査を行ってバレット食道腺がんのリスクを軽減することに努めましょう。

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