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おすすめ内視鏡豆知識
Endoscopist Doctor's Knowledge
人間誰しも体の不調やストレスなどにより胃腸の働きが低下してしまうことがあります。その結果、胃もたれや下痢、食あたりなどを起こしてしまうことも。そんな時には、胃腸に負担をかけない食事を摂ることが一番の特効薬です。とはいえ、胃腸の調子が悪い時にはどんなものを食べたらよいのか、なんとなくはわかっていても良くわかっていない人は多いのではないでしょうか。
今回は、胃腸の調子が悪い時に食べるとよい消化の良い食べ物、避けたい消化の悪い食べ物について詳しく説明していきます。
国立がん研究センターが公表しているデータによると、消化に良い食べ物、悪い食べ物としては以下のようなものが挙げられています。
引用参照:国立がん研究センター「消化の良いもの・悪いもの」
URL:https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/CHEER/advice/070/002_syoukakijyutugo.pdf
胃腸の調子が悪い時には、
⚫︎薄味で辛くない食べ物
⚫︎やわらかい食べ物
⚫︎食物繊維があまり含まれていない食べ物
⚫︎火が通っている食べ物
⚫︎生ものを避ける
上記の項目を意識して摂取するとよいでしょう。
全般的に小麦製品は消化が悪いとされている一方で、米やお粥といったでんぷん質は消化が良いとされています。体調の悪く食事を摂るのも辛い時には、お粥の上澄み(重湯)だけでも摂取するのがよく、消化するまでの時間が非常に短くて胃腸への負担が減るようです。
ここで取り上げた食品は、消化に良い・悪いということであって、消化の悪い食品を絶対に食べてはいけないというわけではありません。しかし、胃腸の調子が悪い時には消化の悪い食品の摂取は避けておくのがよいでしょう。
よくネットの情報などでは「うどんは消化がよい食べ物だ」と書かれています。先ほどの表の中にも消化の良い食品の中にうどんが含まれていました。しかし実際のところは、必ずしもそうとは言えません。なぜなら、うどんの原材料は小麦と塩と水。つまり小麦製品のためそれほど消化は良くなさそうなのです。ただし、通常より柔らかく茹でることで消化までの時間が短くなる可能性はあります。
小麦製品に関しては「グルテン」が消化不良の原因だと考えられています。グルテンは小麦粉に含まれるたんぱく質です。小麦粉の中には「グルテニン」と「グリジアン」という2つのたんぱく質が含まれており、こねたり混ぜ合わさることによりグルテンとなります。小麦製品が体の中に入って水と混ざるとべっとりした粘液質のものができるのですが、これがグルテンの正体です。
グルテンは食べ物を美味しくする一方で、消化器官で分解されにくいのが特徴の成分のひとつ。大腸内視鏡検査を行うと、洗腸剤を飲んできれいさっぱりの状態であっても腸の表面に何か黄色い薄い膜が引っ付いていることがよくあるのですが、そのような人に、「小麦製品はよく食されますか?」と伺うとかなりの確率で「よく食べている」という答えが返ってきます。どうやら完全に分解されなかったグルテンは、小腸、大腸などの消化器官の粘膜にべったり貼りつくことがあるようです。小腸は「絨毛構造」といって、小腸の粘膜が絨毛という無数の突起が絨毯のようになって表面積を広くするために表面がゴツゴツした構造となっています。その部分にグルテンが貼りついてしまうと、栄養吸収機能が低下してしまうのです。
小麦製品の摂取に関しては、アレルギーのある人も多くいらっしゃいます。特にグルテンにはアレルギーも多く、小麦アレルギーやセリアック病、グルテン不耐症、アトピー、喘息といったものもあれば、一見するとアレルギーとはわかりにくい頭痛や腹痛、肌荒れや倦怠感といった症状がでることもあります。
最近は欧米の食習慣を取り入れている人も多く、胃腸の調子が悪く医療機関を訪れる人の中には「朝はやっぱりパンじゃないと」といった人も一定数いらっしゃいます。そういう人にはあえて「パンをやめてみては?」と具体的に踏み込んだ話をすることもあります。全員ではありませんが、小麦製品の摂取をやめただけでお腹の張りがなくなったという人もいます。
しかし、男性に比べて女性の中にはパンが好きという人も多いですから、「どうしても小麦製品が食べたい!」という人には「スペルト小麦」という古代小麦がおすすめです。スペルト小麦は、普通小麦の原種であり、遺伝子操作や人工的な品種改良がほとんど行われていない小麦です。グルテンフリーではありませんがグルテンの含有量が少なく、消化に良い、栄養価が高い、低GI(炭水化物を含む食品を食した際の消化吸収のされやすさを表す指数)、食物繊維が豊富、小麦アレルギーを発症しにくいといった特徴があります。ただし、普通小麦に比べて収穫量が半分程度となっていることから希少価値が高く、値段は高めに設定される傾向にあります。
なお、菓子パンは確実に消化に悪い食べ物と言ってよいでしょう。菓子パンには味を出す成分、日持ちさせる成分、ph調整剤、合成保存料、砂糖(グラニュー糖)など人工的な成分が多く含まれていますので、胃腸の調子が悪い時には食べるのを避けるようにしましょう。胃腸の調子が悪いとはいえ、パンが食べたいといった場合もあると思いますが、その場合だと純粋な食パンであれば許容範囲と言えるかもしれません。ただし、最近の食パンの中には生クリームを使って食感や味を工夫したものもありますので、出来るだけシンプルな食パンが良いと思います。
お子さんの胃腸の調子が悪い場合でも、大人と同じようにお粥ややわらかいうどんなど、消化の良い食べ物を少量ずつ食べさせてあげるとよいでしょう。下痢などが症状として現れている場合には、脱水予防に水分の補給も忘れずに行ってあげましょう。ただし、果糖入りのジュースや大人用のイオン飲料ではなく、経口補水液や子供用のイオン飲料などをあげるようにしてください。
以上、胃腸の調子が悪い時に食べるとよい消化の良い食べ物、避けたい消化の悪い食べ物ついて紹介してきました。
胃腸の調子が悪い時にベストな食べ物はお粥で、なかでも医師がおすすめするのは「たまご粥」です。たまご粥は、タンパク質や炭水化物を含んでおり脂質が少ないといった特徴があります。脂が消化不良につながるため、理にかなった食べ物だと言えるでしょう。現在ではレトルトのお粥やパックのお米もコンビニやスーパーで簡単に手に入りますので、それらを食するのでも大丈夫です。
調子が悪いからといって、全く食事を摂らないというのはよくありません。食欲がない場合でも、胃腸を回復させるためには、しっかり栄養を摂ることが重要です。なお、なかなか改善が見込めない場合には、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
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