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大腸カメラ(大腸内視鏡検査)で何がわかる?検査の時間や流れについて徹底解説

  • 大腸内視鏡検査

日本におけるがん罹患率第1位となる「大腸がん(男女総数)」。大腸がん検診の推奨年齢は40歳以上とされており、年1回は大腸がん検診を受けているという人も多いと思います。しかし、市区町村で行われる一般的な大腸がん検診については、対策型検診として問診および便潜血検査が行われるにとどまります。そのため、便潜血検査で異常があった場合やより精密な検査を受けたい場合には、大腸カメラ(大腸内視鏡検査)の受診が必要です。

ところが大腸カメラに対し、「つらい」「苦しい」というイメージがあることから内視鏡検査を避けている人もいることでしょう。しかし最近では大腸カメラのスコープも改良されて、以前に比べると格段に楽な検査となっていることを知らない人も多いようです。

今回は、大腸カメラで何がわかるのか、大腸カメラ検査の時間や流れについて詳しく説明していきます。

1. 大腸カメラ検査で何がわかるのか?

看護師

一般的に大腸カメラ検査では

⚫︎大腸早期がん
⚫︎大腸進行がん
⚫︎大腸ポリープ
⚫︎大腸憩室
⚫︎潰瘍性大腸炎
⚫︎クローン病
⚫︎直腸カルチノイド

などの病気がわかります。

1-1. 大腸早期がん

大腸早期がんは、結腸・直腸部分に発生するがんです。初期段階では自覚症状はほとんどありませんが、進行するにつれて血便や、便秘・下痢などの排便習慣の変化、貧血、嘔吐、便の極小化、残便感などが現れます。ほとんどの大腸がんは大腸ポリープから発生するため、大腸カメラの観察中に大腸ポリープを切除することで大腸がんの予防にもなります。

1-2. 大腸進行がん

大腸進行がんとは、大腸粘膜から派生したがんが腸管壁の粘膜や粘膜下層よりさらに深い層に達したものを言います。一般的にステージⅡより進んだがんを大腸進行がんと呼び、その手前のステージⅠまでのがんは早期大腸がんと呼んでいます。

1-3. 大腸ポリープ

大腸ポリープは大腸粘膜にできたイボのことで、直腸やS状結腸周辺に発生しやすい特徴があります。小さなポリープであればほとんど症状がありませんが、放置した状態でポリープが成長を重ねるとがん化する恐れがあるため、大腸カメラの検査時に大腸ポリープが発見された場合は検査中に切除してもらうと良いでしょう。

1-4. 大腸憩室

大腸憩室は、大腸の壁に5~10㎜程度の袋状のへこみ(憩室)ができたものを言います。通常時は無症状ですが、炎症が起きた場合には発熱や腹痛が起きることがあります。まれですが、憩室から出血することもあります。

1-5. 潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は、大腸粘膜に潰瘍やびらんができる炎症性疾患です。症状としては、腹痛や下痢、発熱、血便などを伴います。潰瘍性大腸炎の原因は判明していませんが、食生活の変化や腸内細菌の関与が疑われています。比較的若い年齢で発症することが多く、10代から30代でも見られる病気です。

1-6. クローン病

クローン病も原因不明の炎症性腸疾患です。遺伝子やウィルス感染、腸内細菌の関与が原因とも言われていますが、はっきりしたことがいまだわかっていません。クローン病の症状としては腹痛、下痢、肛門病変、体重減少などが見られます。

1-7. 直腸カルチノイド

カルチノイドとは、がんと似ているものという意味を持ち、直腸にできるがんに似た腫瘍です。大腸カルチノイドのほとんどがこの直腸カルチノイドだといわれています。罹患率が低く、全大腸がんの1%程度しか発症しませんが、腫瘍が大きくなると血便が出たりすることによって症状が現れます。カルチノイドが小さいうちは良性腫瘍と同じような性質であり、内視鏡治療で完治可能です。しかし、10mm以上に進行すると転移の可能性があるため、治療方法としてはがん治療と同じように外科的手術が行われます。

2. 大腸カメラの検査時間

時計を持つ女性

大腸カメラの検査時間について、カメラによる検査自体は10~20分程度で済みますが、腸の長さや状態によって多少前後します。また、大腸カメラの検査は腸内をきれいにしておくといった前処置が必要となるため、前日からの食事制限や検査当日の準備もあり、検査自体は短時間で済むものの、およそ1日がかりの検査となる点については認識しておきましょう。

3. 大腸カメラ検査の流れ

白米のおかゆ

ではここからは、大腸カメラの検査の流れについてご紹介していきます。医療機関によって多少時間や手順に違いはありますが、大体この流れで検査が進んでいきますので、ぜひ初めて大腸カメラを受診される人は参考にしてみてください。

3-1. 大腸カメラ検査前日

まず大腸カメラの検査前日ですが、食事に関しては消化の良い食べ物を食べるようにしましょう。肉料理や揚げ物は避けて、素うどんや白がゆなどがおすすめです。また、食物繊維は消化されずに腸内に残りやすく、検査の妨げになることがあるので食べるのを控えましょう。なお水分に関しては特に制限はありませんが、水やスポーツドリンク、お茶などにとどめておき、アルコール摂取は少量に控えましょう。

医療機関から処方された医薬品便秘薬を飲み、早めの就寝を心掛けましょう。便秘薬の服用により、排便が誘発され検査当日朝に効果をもたらします。

3-2. 大腸カメラ検査当日

検査当日の朝は、腸管洗浄液を服用します。医療機関によって飲む洗浄液は異なりますが、ほとんどの洗浄液は複数回に分けてゆっくり摂取していきます。洗浄液を飲み進めると便意を催しますが、排便が繰り返されて最終的に水便のような状態になると検査可能な状態となります。

便意が落ち着いたら医療機関に向かいましょう。

※腸管洗浄を自宅で行わず医療機関で行うこともできます。どちらを選択するかは、医療機関と相談してみると良いでしょう。

3-3. 大腸カメラ検査本番

医療機関に到着したら、いよいよ大腸カメラの検査です。検査着に着替え、診察ベッドに横になり鎮静剤を使用します(鎮静剤を使用しない施設もあります)。鎮静剤を使用することで、痛みを感じることがなく楽に検査を受けることができます。2~3分程度で鎮静剤が効いてきますので、その状態から検査スタートです。

検査は10~20分程度が一般的ですが、大腸ポリープを切除する場合にはその分プラスで時間を要します。そのため、大腸ポリープが多い人の場合は検査時間が30分程度かかる場合もあります。

3-4. 検査後のリカバリー

大腸カメラ検査終了後、鎮静剤を使用した場合には30分~1時間程度安静が必要となります。その間は、ゆっくりとリラクゼーションの時間に浸りましょう。

3-5. 医師による診断結果の説明

安静後、鎮静剤の効果が切れたのちに医師から診断結果の説明があります。組織検査を行った場合には、当日は結果が出ず次の来院時に説明を受けることとなります。

3-6. 帰宅後

すべて検査が終わったら帰宅可能です。検査後の食事や飲酒、入浴などの注意事項に関しては、施設毎異なりますので、帰宅前に確認しておきましょう。食事に関しては、比較的消化の良いものにとどめておくのが良いでしょう。また大腸ポリープを切除した場合には、激しい運動はしばらく控えるようにしましょう。

4. まとめ

内視鏡

以上、大腸カメラで何がわかるのか、検査の時間や流れなどについて紹介してきました。

大腸カメラを受けたことがないという人もまだまだ多いと思いますが、大腸のさまざまな病気を発見するには、大腸カメラの受診が非常に有効です。40歳を超えたら大腸カメラは受けるようにしましょう。

前日からの前処置が少々大変に感じる人もいると思います。しかし、それほど難しくはありません。検査自体も鎮静剤を使用すれば楽に検査ができます。大腸カメラにつらさや怖さを感じていた人も、ぜひ積極的に検査を行うことをおすすめします。

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