gototop

おすすめ内視鏡豆知識

Endoscopist Doctor's Knowledge

メインビジュアル

病気の原因は口内細菌から!?口腔ケア(歯みがきや舌みがき)でがんを予防しよう

  • 腸内環境

腸内細菌叢(腸内フローラ)の数は約1000種類、100兆個ほどが大腸に生息し、腸の働きを左右しているのですが、実はその次に細菌が多いのが口の中です。口腔内細菌叢(口内フローラ)と呼ばれる細菌は口の中に500種類以上、1000億個以上が生息しており、口腔内にも腸と同じく善玉菌、悪玉菌、日和見菌といった細菌が存在します。

口の中は飲み込む動作が起こる場でもあるため、口腔内環境が悪いと悪玉菌が増殖し、その悪玉菌を一緒に飲み込んでしまいます。とはいえ、胃酸でほとんどの悪玉菌は死滅するのですが、食事と一緒に飲み込んでしまった悪玉菌の中には、胃の中で死滅することなく大腸まで到達するものがあり、それらが体に悪影響を及ぼすことがあるのです。

今回は、口腔内細菌が腸内環境にどのような影響を与えるのか、また歯みがきとがんとの関係についても詳しく説明していきます。

1. 口腔内細菌と腸内環境の関係

女性の歯

歯周病菌などの腸にとって悪い菌が大腸に届くと、腸内環境は悪くなります。そうすると代謝も悪くなり太りやすくなったりするなど悪循環につながります。一見すると、口の中の細菌が大腸の腸内環境に悪影響を与えると思わない人も多いかもしれません。しかし、歯周病に最も関係が深いとされる「ポルフィロモナス・ジンジバリス」といった口腔内細菌を体内に取り入れると、食道から腸に至る過程で腸内バランスを乱すと言われています。

これまでに鹿児島大学大学院の医歯学総合研究科の研究チームが、口腔内細菌が大腸がんの発生に関与している可能性があることを発見、2021年7月に国際学術誌「Cancers」に掲載されています。口腔内細菌と腸内環境の関連性が指摘されたことは非常に興味深いテーマと言えます。

2. 歯周病が病気を誘発するリスク因子?

歯と歯ブラシ

近年、歯周病菌が腸内環境に悪影響を及ぼすだけでなく、全身疾患を誘発するリスク因子であることが明らかになっています。たとえば、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病、大腸がん(結腸・直腸がん)、認知症、リウマチなどさまざまな病気と歯周病との因果関係が指摘されているのです。

1-1. 歯周病とは?

そもそも歯周病とは、細菌感染によって引き起こる疾患で、炎症により歯茎(歯肉)や歯の土台となる骨が溶けてしまう病気です。歯と歯肉の間の歯みがきがうまくできていないと、隙間に残存する歯周病菌により、歯肉部分が炎症を起こし腫れてきます。炎症がおこると歯みがきのチョットした刺激でも出血をするようになります。

歯周病の原因は歯に付着するプラークという沈着物で、多くの細菌やその産生物により生成されています。一般的には「歯垢」として知られているプラークですが、歯垢1mgの中に約10億もの細菌が生息していると言われています。歯に付着すると除去するのが難しいこともあり、日々の口腔ケア(特に歯みがき)が非常に大事です。

1-2.歯周病のリスク因子

歯周病は単に歯みがきをきちんとすればよいというものではありません。歯周病のリスク因子としては、喫煙や糖尿病、不規則な食習慣、狭心症・心筋梗塞、歯ぎしり、ストレス、骨粗鬆症などがあり、これらの生活習慣や病気にかかっている人は歯周病リスクが高いため、歯科医師に相談して早急な対策をとる必要があります。

1-3. 口腔内の酪酸菌も大腸がんの原因?

歯周病菌以外にも口腔内の悪玉菌の中には酪酸を産生する菌もいて、それが大腸がんの原因になるのではないかといった研究報告もあります。酪酸菌自体は腸内に生息しているものもあるのですが、大腸がんを増殖させると言われているのは口腔内の悪玉菌となる酪酸菌と言われています。

2. がん予防には歯みがきが効果的

歯磨きをする女性

人間の口の中や歯茎、舌などには、「アセトアルデヒド」と呼ばれる発がん性物質を生成する細菌が数多く生息していますが、歯みがきをしっかり行うことで、これらの口腔内細菌や発がん性物質が洗い流されます。つまり、歯みがきはがん予防にとても効果的であると言えるわけです。

朝起きた直後は口腔内に細菌が数多くいるため、朝食を食べる前に歯みがきをすることは口腔内だけでなく腸にとっても非常によいとされています。また、就寝中に口腔内細菌は増加するため、就寝前にきちんと歯みがきをすること、朝起きてすぐ歯みがきを念入りに行うと、悪玉菌や歯周病菌などの細菌を飲み込まずに済みます。

普段歯みがきをしないという人はほとんどいないと思いますが、1日に一度も歯みがきをしない人に比べ1日1回は歯みがきをする人と比較した場合、口腔内や食道などにがんができる確率は1.8倍に上昇するとも言われています。また、1日に2回以上歯みがきをする人は1日1回歯みがきをする人と比較して、がんのリスクが3割もダウンすると言われています。朝晩かならず歯みがきをすれば、虫歯や歯周病予防だけでなくがんの予防にもつながるため、歯みがきを軽く考えず、丁寧にブラッシングを行うようにしましょう。

2-1. 食後はあまり歯みがきをしないほうがいい?

ただし、食後にはあまり歯みがきをしすぎないほうがよいです。その理由として、歯みがきをしすぎると歯茎や歯を傷つけてしまうためで、朝起きてからと寝る前には念入りに歯みがきを行い、食後は歯に詰まった食べ物を取り除く程度に軽くブラッシングするぐらいにとどめておきましょう。口をゆすぐ程度でもかまいませんし、歯間ブラシを行う程度でかまいません。これだけでも口腔内細菌を減少させ、口腔内環境をよくすることができます。

3. 舌みがきもがん予防に効果あり

舌を出す女性

これまで歯周病や歯みがきなど、歯に関する話題についてお伝えしてきましたが、実は舌にも口腔内細菌が数多く生息しています。歯みがきだけ行っていても舌に細菌は付いてしまいますので、ぜひ行ってほしいのが「舌ブラシ」による舌みがきです。舌ブラシを利用したことがない、という人も多いかもしれませんが、舌ブラシの利用は口腔ケアにおいて非常に重要な役割を担っており、口臭の減少や味覚向上効果を高めるだけでなく、口腔内の悪玉菌を除去することができます。その結果、がん予防にもつながっていきます。

とはいえ舌ブラシで舌をゴシゴシこすってしまうと、味を感じる組織である味蕾(みらい)を傷つけてしまい、味が感じにくくなったり味覚障害を引き起こしたりすることもあるため、あまり力を入れてこすり過ぎないように使用する必要があります。出血するようであれば強く擦りすぎですので気を付けましょう。

舌ブラシを使用する頻度は1日1回程度でよく、舌ブラシの使用方法としては、手前側から奥にブラシを動かしたり往復させたりすると、口腔内細菌を口の奥側に送り込んでしまう可能性があるため、奥から手前側に舌ブラシを動かすようにします。舌の真ん中部分、左右両側部分を5回程度軽くゴシゴシこすれば細菌を取ることができます。

4. まとめ

歯科検診

以上、口腔内細菌が腸内環境にどのような影響を与えるのか、また歯みがきや舌みがきとがん予防について紹介してきました。

口腔内細菌の中でも歯周病に関わるような悪玉菌は、さまざまな病気に起因していると言われています。口の中に生息する細菌は、食事を摂る際にはどうしても体内に取り込んでしまうため、できるだけ体内に取り込まないように気を付ける必要があります。そのためには歯みがきや舌みがきといった口腔ケアを1日1回は必ず行うことです。朝食前に歯みがきを行って口腔内細菌を除去したうえで食事を摂るように心掛けましょう。また定期的に歯科検診を受け、歯科医師によるデンタルケアをしてもらうことも、最終的にはがん予防につながりますので欠かさずに行っていきましょう。

癌にならない腸活実践メルマガ講座

「癌にならない腸活実践メルマガ講座」では、がんで亡くなる人・苦しむ人を一人でも多く減らすために日常生活の中で実践できる

・免疫を上げる方法
・正しい腸活の知識
・腸内環境とお肌の関係
・健康的なダイエット方法
・乳酸菌のすごい効果

などを、腸の専門医が毎日メールでお届けいたします。

免疫力をアップして、いくつになっても健康的な毎日を過ごしたい方におすすめの内容になってますので、気になる方はぜひ記事下のバナーをクリックしてお申し込みください。

↓↓

3分でわかる!苦しくなく痛みに配慮した内視鏡検査(胃カメラ)の特徴

お電話からの予約はこちら

受付 9:00〜19:00(土日-16:00まで)

045-914-7666

WEBからのご予約

WEBからのご予約なら、時間を気にせず
24時間・365日、お気軽にご予約いただけます。

癌にならない腸活 実践メルマガ講座 ヨーグルト 内視鏡チャンネル

お電話からの予約はこちら

受付 9:00〜19:00(土日-16:00まで)

045-914-7666

WEBからのご予約

WEBからのご予約なら、時間を気にせず
24時間・365日、お気軽にご予約いただけます。