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Endoscopist Doctor's Knowledge
しゃっくりは誰もが一度は経験したことのある症状のひとつ。すぐに止まることもあればしばらくしゃっくりが止まらずに苦しい思いをすることもあります。
しゃっくりは短時間で止まるのが一般的であるもののまれに症状が長引くこともあり、その場合には何か重篤な病気が隠れているのではと思うかもしれません。
今回は、しゃっくりがなぜ発生するのかその原因について、また治療薬や対処法はあるのかどうかについてもお腹のプロが詳しく説明していきます。
しゃっくりは、誰かとしゃべっている時や飲み物や食べ物を口に入れている際に突然起きたりする症状です。医学的には「吃逆」と呼ばれるもので、「ヒック」といった音がでるのが特徴です。
通常しゃっくり自体は病気と見なされることはなく、多くの人が生活する中で普通に経験する一般的な現象のひとつにすぎず、数分から数時間以内に自然に収まります。
しゃっくりが発生するはっきりとした原因は不明とされていますが、主には横隔膜が痙攣することにより起こります。横隔膜は肺が収まっている胸腔とおなかと呼ばれる腹腔の境界を形成している筋肉で、肋骨、胸骨、背骨(胸椎)に付着しており、呼吸の主な役割を担っています。
日常的にしゃっくりを引き起こす原因としては、次のようなものが考えられています。
早食いをするとしゃっくりが起きやすくなります。早食いをするとよく噛まずに食べ物が大きいままに食道を通り、食道内圧が高くなって胃にたどり着きます。その結果、横隔膜を圧迫ししゃっくりが発生します。
アルコールの摂取は食道の粘膜を刺激し、逆流性食道炎(GERD)を引き起こすことがあります。胃酸が逆流することで横隔膜が刺激され、しゃっくりが誘発されるケースがあることを知っておきましょう。
また、しゃっくりには脳内のGABA(γ-アミノ酪酸)が関わっているとされています。GABAは中枢神経系の抑制性神経伝達物質として、神経細胞の興奮を抑える役割がありますが、アルコールの摂取によってこの制御作用が効かなくなる場合があり、飲酒の際にしゃっくりが出やすくなるとも言われています。
喫煙が直接しゃっくりを引き起こす要因となることはまれであるものの、間接的にしゃっくりを発生させる原因のひとつとも言われています。日常的に喫煙を行っている人はしゃっくりが起きやすく、喫煙によって肺や気道が刺激されて横隔膜に刺激が与えられ、しゃっくりが起こることがあるようです。また、たばこに含まれるニコチンが中枢神経に作用することによって、横隔膜の収縮が誘発されてしゃっくりが出ることもあります。
炭酸飲料の摂取もしゃっくりを引き起こす原因のひとつとなるものです。炭酸飲料には二酸化炭素(炭酸ガス)が含まれるため、炭酸飲料を飲むことで食道の中でガスが発生。このガスが食道内圧を上昇させて横隔膜を圧迫、しゃっくりを引き起こす原因となるとされています。
熱い飲食物、冷たい飲食物を摂取した場合、また香辛料などの刺激物を食べた際に、それが神経への刺激の引き金となってしゃっくりが起きる場合もあります。
しゃっくりには主だった特効薬はなく、消化器系の薬として処方されるような治療薬はありません。民間療法的に柿のへたを使った煎じ薬などが効くと言われることもありますが、本当に効果があるかは正直疑問です。
しゃっくりを止める薬としてよく使われるのが向精神薬という精神科の薬があります。これはしゃっくりを起こしている横隔膜への神経の刺激を遮断すると考えられています。
ただし、向精神薬は一般的に精神科医が処方する事になっており脳神経系への作用がある反面、副作用も強いので処方には注意が必要と考えられています。
とはいえ、実際の医療現場では症状改善のためにぜん動運動改善薬などを処方して胃の働きをよくすることで症状改善を試みることもありますが、即効性があるわけではなく、自然に消失するのを待つことも治療の一つです。
しゃっくりは短時間で収まることが多いとはいえ、しばらく続くと不快感といつまで続くのだろうという不安が付きまといます。そんなときに次のような方法を取ることでしゃっくりが収まる場合があります。
しゃっくりを止めるのに水を飲むのは非常に有効です。水を飲む間は呼吸をしにくいこともあり、副交感神経である迷走神経を刺激することでしゃっくりが収まると言われています。ただし、大量の水を飲むのではなくコップ一杯の水をゆっくり飲む程度にとどめておきましょう。
しゃっくりの原因とされる横隔膜の痙攣を止めるのに、しばらく息を吸うのを止めてみるとしゃっくりが止まるケースもあるようです。しかし、あまり長く息を止めるのは逆に危険です。息を止めるのは10秒~20秒程度にとどめましょう。これも迷走神経を刺激することにより横隔膜の動き抑えることを目的とします。
また、深呼吸を行うことでしゃっくりが止まる可能性もあります。大きく息を吸い長くゆっくり吐くことで、交感神経の高まりを抑えて副交感神経を優位にすることにより横隔膜の痙攣を抑えられる場合があります。
これらの対処法は、人によっては全く効果がない場合もあります。あくまで対処例として試してみてください。
しゃっくりは筋肉が痙攣している状態、つまり圧力が高くなっている時に起きやすくなります。食道部分に圧力がかかりその影響でしゃっくりが起こることが結構あります。しゃっくりが止まらずに出続けると「命の危険性があるのではないか?」といった都市伝説もあるようですが、実際にはそんなことはありません。しゃっくりが止まらなくても慌てずに自然に消失するのを待つことです。気にしなくなれば自然と止まる可能性が高いです。
とはいえなかにはしゃっくりが長く続く人もいて心配になる人もいることでしょう。しかし多少長くなっても悪影響はないため、自然に消えるのを待つことになります。しゃっくりが続くとストレスとなってしまい気になってしまいがちですが、通常のしゃっくりでは急激に進行して何か起こるということはまずありません。
しゃっくりが出たからと言って医療機関へ行き診察を受けるということはほとんどないでしょう。しかし、何かしらの病気の反射作用によってしゃっくりが出ていることもないわけではありません。
頻繁にしゃっくりが発生する、またしゃっくりが2~3日続いているといった場合には(48時間以上)、次のような病気が潜んでいる可能性があります。その場合には、一度医療機関にてしっかりと検査しておくと安心です。
逆流性食道炎は、胃酸などが食道に逆流して食道の粘膜に炎症を引き起こす病気です。胸やけや酸っぱい液体が胃から戻ってくるような感覚がある呑酸(どんさん)、げっぷ、声がれ、咳、しゃっくりなどの症状が現れることがあります。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍を発症している場合にもしゃっくりが起こることがあります。胃潰瘍や十二指腸で起こる潰瘍は、何らかの原因によって皮膚や粘膜の表面が炎症し、深くえぐられたようになった傷のことを言います。潰瘍を発症すると、胃の痛みや胸やけ、胃もたれ、しゃっくりを引き起こすことがあります。
そのほかにも「睡眠時無呼吸症候群」や「脳出血」「脳梗塞」といった脳血管障害などの後遺症、気管支拡張薬やステロイド投与などによる副作用などでもしゃっくりが起こる場合があります。
以上、ここではしゃっくりが発生する原因や治療薬や対処法についてあるのかどうかについて紹介しました。
しゃっくりは止めようと思ってもなかなか止まらない厄介な症状のひとつで、医師が薬を使用してもすぐに止めることができない可能性があります。通常起こりうる短時間のしゃっくりは自然に消失するのを待つしかありませんが、長期にわたって続くしゃっくりの場合、命の危険性があるような緊急を要する疾患の可能性は低いものの、消化器系の疾患である逆流性食道炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍などが潜んでいる可能性があるかもしれません。
もししゃっくりが止まらないことがあれば、上記の方法を実践してみてください。自然の経過の中でしゃっくりが止まることも期待できますが、もし、しゃっくりが2~3日以上続くような場合は、医療機関を受診して相談してみてもよいでしょう。
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