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放置厳禁!健康診断では判断しづらい脂肪肝について胃腸のプロが解説

  • 疾患・症例

今若い世代でも増えていると話題の「脂肪肝」。その患者数は年々増加傾向にあり、成人の3人に1人は脂肪肝であると言われています。脂肪肝自体は自覚症状がなく、健康診断の数値を見て初めて脂肪肝だと気づくケースも多いようです。

今回は、脂肪肝とはどのようなものなのか?また脂肪肝の原因やその予防法などについて詳しく解説していきます。

1. 脂肪肝とは

人体模型

脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積した状態のものを言います。肝臓ではエネルギー源としての脂肪を生成し、肝細胞に溜め込んでいるのですが、生成された脂肪が消費エネルギーより多いと脂肪が使われずに蓄積して溜まってしまいます。これが脂肪肝となります。

2. 脂肪肝の原因

ビールと枝豆

脂肪肝の原因は種類や系統がいくつかありますが、大きく分けて「非アルコール性脂肪肝(NAFLD)」と「アルコール性脂肪肝(NASH)」の2つがあります。

2-1. 非アルコール性脂肪肝

非アルコール性脂肪肝とは、アルコールが原因ではない脂肪肝のことを指します。食べすぎによる肥満(炭水化物や果物の摂りすぎなど)、運動不足、糖尿病、脂質異常症、急激なダイエット、女性の閉経などが原因とされています。

2-2. アルコール性脂肪肝

アルコール性脂肪肝とは、過剰なアルコール摂取によって肝臓に脂肪が蓄積する状態のものを指します。お酒を飲むとアセトアルデヒドという物質に分解されますが、このアセトアルデヒドには強い毒性があり、肝細胞を痛めつけ中性脂肪を分解してくれる酵素の働きを抑えてしまい、脂肪の分解を抑制します。その結果、脂肪が蓄積されて脂肪肝を引き起こしてしまうのです。

3. 脂肪肝になる人の特徴

ピザやハンバーグ

脂肪肝はすぐになるものではなく、慢性的に飲酒していたり慢性的に糖質を摂りすぎている人がなる病気です。

健康な肝臓内に占める脂肪の割合は5%未満と言われ、脂肪の割合が5%以上となったものが脂肪肝と言われています。肝臓はもともと誰でも3~4%程度の脂肪がついていますので、誰もが脂肪肝になるリスクがあると言えます。

しかし、5%程度の脂肪では画像診断をしても全く出てきません。エコーやCTによる画像でわかるようになってくるのは、だいたい20%程度の脂肪がついているケースです。エコーで明らかに脂肪肝だとわかる人の場合は、何年もかかって脂肪が蓄積されているものであり、短期間で飲み食いすることで脂肪肝になることはほぼありません。

なお、脂肪肝の人は見た目でわかる場合も多いのが特徴です。炭水化物による脂肪肝は体重や体型と比例します。ただし、アルコールが原因となる脂肪肝の人の場合、体重や体型からは気づかないことも多く、痩せていても脂肪肝になるときはなります。

4. 脂肪肝の人がアルコールを飲み続けたらどうなる?

ビールを飲む中年男性

脂肪肝の人が長年アルコールを飲み続けたとしても、基本的に症状はありません。そのため、自分が脂肪肝であることを知らない人は多いです。

脂肪肝であることを知らずにアルコールを摂取していった場合でも、単純に肝臓に脂肪がついているだけの単純性脂肪肝(NAFL)なら全く問題ありません。しかし、脂肪が長い年月をかけて蓄積していくと、中性脂肪が肝臓の細胞を徐々に傷めつけていきます。そうするとだんだん肝臓が炎症を起こして脂肪性肝炎を発症します。そうなると、「体がだるい」「食欲がない」といった不定愁訴の症状が現れてきます。

アルコール性脂肪肝の原因は当然アルコールですので、慢性的にアルコールを飲み続けていると脂肪肝がひどくなり、炎症を起こしてアルコール性の肝炎を起こしてしまいます。それが悪化すると肝硬変になり肝臓が硬くなってしまいます。最悪の場合、肝臓がんになるリスクも高くなりますし、肝不全といって完全に肝臓の機能がストップして亡くなる人もいます。

5. 肝臓が硬くなると要注意!

指をさす男性医師

肝臓はぶにょぶにょしたやわらかくて再生する臓器ですが、肝炎のような炎症を繰り返していくとだんだんと繊維化して弾力がなくなり治りにくくなってしまいます。初期の脂肪肝はすぐ治りますが、それが度を越してしまうと硬くなって戻らなくなってしまうため注意が必要です。

肝臓には1日2000L以上の血流が全身から返ってきます。そして解毒や代謝、胆汁の生成を行い心臓へ血液を送ります。ところが、肝臓が硬くなってしまうと血液が入りにくくなってしまい、分散して血流が逃げてしまうといったことが生じます。

また、肝臓がかなり悪くなっている人や硬くなりかけている人は、食道や胃の静脈瘤(静脈が異常に膨らんで拡張して曲がりくねった状態になる疾患のこと)ができやすくなる点も注意しなければなりません。肝硬変などを発症した場合、血液が胃や食道の表面の静脈に流れ込んで瘤を作ってしまうため、食べ物などの刺激で破れるリスクもでてきます。静脈瘤の腫れがひどくなってくる場合には、静脈瘤が破裂して出血したりする場合がありますので注意しましょう。

6. 脂肪肝の予防法

シンプルな和食

脂肪肝の予防法についてですが、非アルコール性脂肪肝の場合、まずは食事を見直し、バランスの良い食事を心掛けましょう。食事は過剰に摂りすぎないようにし、過剰な糖質を摂りすぎないことが重要です。

アルコール性脂肪肝の場合には、完全に飲酒をストップすること。それほど重篤でない肝炎の人の場合はそれだけで治ります。一般的に肝炎になる人の場合は、その多くがアルコール依存症ですので、飲酒を完全やめられないとしても休肝日を週に2日程度設けたり飲酒量を調整したりする努力は必要です。

厚生労働省では、令和6年2月19日に飲酒に伴うリスクに関する知識の普及推進を図るため、適切な飲酒量・飲酒行動の判断に資する「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表しました。それによると、生活習慣病のリスクを高める飲酒量として1日当たり男性で40g以上、女性で20g以上の「純アルコール量」を摂取した場合と定義されており、それ以上の飲酒を控えることが目標とされています。

ここでいうお酒に含まれる「純アルコール量」は、「摂取量(ml)×アルコール濃度(度数/100)×0.8(アルコールの比重)」で表せると示されています。たとえば、ビール500ml(アルコール度数5%)の純アルコール量は500ml×0.05×0.8=20(g)と計算できます。これ以上の純アルコール量を摂取すると生活習慣病のリスクが高まり、かつガンのリスクも高まってしまうため十分注意が必要です。

6-1. 適度な運動は脂肪肝改善にとても効果的

急激なダイエットはよくありませんが、効率よく体重を減らすことは脂肪肝の予防にとても効果的です。理想としては7%程度の体重減少が一つの目安になってきます。正直体重が思ったより減らなかったとしても、運動療法によって脂肪肝が取れるといったエビデンスもあります。一般社団法人日本肝臓学会が出している脂肪肝に関するガイドラインでは、食事よりもむしろ運動のほうが効くといったエビデンスも出ていますので、1日30~40分程度の有酸素運動を週3~4回やることはとても効果的です。

7. まとめ

肝機能の数値

以上、脂肪肝とはどのようなものなのか?また脂肪肝の原因やその予防法などについて紹介してきました。

脂肪肝は、症状が現れにくいことから健康診断などの肝臓の数値が高いことでやっと気づくことが多いといった特徴があります。そのため放置されることが多く、繊維化が進行して脂肪肝炎や肝硬変に発展することがありますし、さらには肝臓がんにまで進行するリスクもあります。

脂肪肝の予防のためにはまずは定期的な検診を欠かさないこと、また日ごろからバランスのよい食事を摂るようにすることや適度な運動を行うことが重要です。またアルコール性脂肪肝の人は、アルコール摂取を控えること。このような予防策をとることで脂肪肝は改善することが可能です。ぜひ今日から実践していきましょう。

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