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大腸カメラを受けたほうが良い人の特徴とは?大腸がんから身を守る方法を解説

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大腸がんは近年増加してきているがんのひとつです。消化器系の中で胃がんについては減少傾向にあるものの、大腸がんは増加傾向にあるがんの代表格となっています。国立がん研究センターの統計では、大腸がんは2020年度のデータにおいてがんの罹患数で男性女性とも第二位、死亡数は2022年のデータで男性が第二位、女性が第一位となっており、男女問わず誰もがかかりやすいがんとなっています。

大腸がんは40歳を過ぎると発症しやすいがんのため、40歳を過ぎた人は年に一度は大腸カメラ(大腸内視鏡検査)を受けることが推奨されています。しかし、「大腸内視鏡検査は恥ずかしい」「検査がつらそう」といった理由から大腸内視鏡検査をいまだに受けたことのない人も多いのではないでしょうか。

今回は、大腸カメラを受けたほうが良い人の特徴や大腸がんから身を守る方法について詳しく解説していきます。

1. 大腸がんの種類

人体模型

大腸は約1.6mの管状の臓器で、盲腸からスタートして虫垂、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸の順に構成されています。盲腸からS状結腸までをひとくくりに結腸と呼びますが、大腸がんが発症した場合、その発症部位によって上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸から発生した「結腸がん」と直腸部分の「直腸がん」の大きく2つに分類されます。なお、直腸がんのほうが悪性度は高く、予後が悪いがんと言われています。また、虫垂から発生する虫垂がん、盲腸から発生する盲腸がんは比較的稀で、結腸がんと比べて予後が悪く、結腸がんとは区別されています。

2. 大腸がんが増加している理由

大腸がん検査

昨今、大腸がんが増加している理由ですが、ひとつに大腸カメラを受ける率が低いことが挙げられると言われています。

大腸カメラは大腸内部を直接観察するための医療検査です。検査では内視鏡と呼ばれる細長く柔軟な管状の機器を肛門から挿入して大腸の粘膜を詳細に調べます。大腸カメラの検査中にポリープや異常な組織が見つかった場合、その場で組織採取(生検)やポリープ切除を行うこともできます。

2-1. 最近の大腸カメラは痛くない、つらくない

大腸カメラのイメージとして、「痛い」「つらい」「苦しい」「下剤を飲まないといけない」といったことがあると思いますが、それは昔の話。最近の大腸カメラの検査では鎮静剤を使用する医療機関が多くなってきていて、検査中の痛みや不安を軽減したり、うとうと眠った状態で検査を受けたりできます。また、大腸カメラを苦痛なく大腸に挿入する方法も確立されており、きちんとトレーニングされた内視鏡専門医で検査を受けると良いでしょう。

なお大腸カメラのサイズにも変化が表れており、一般的には10mm~12mm程度のカメラが使用されますが、なかにはそれよりも細い大腸カメラを使用する医療機関もあって、さらに余計な負担がかかりにくくなっています。

2-2. 大腸カメラ自体より下剤がつらいという人はいる

大腸内視鏡検査では、カメラによる検査自体よりも検査前に服用する下剤の方が大変という人も多いと思います。洗腸するための下剤を飲む必要がありますが、一般的な医療機関では約2リットルの下剤を飲むところが多く、そのことが大腸カメラの受診を妨げる要因の一つになっているとも言われています。

しかし下剤についても昔と比べて格段に進歩しており、梅やオレンジ、レモン風味のものや、またスポーツドリンクのように味わいよく飲みやすいものを服用することができるため、量はさておき味が不快と感じることは減ってきているようです。医療機関によっては少ない飲用量で検査できるように、工夫を凝らしている医療機関も増えてきています。

3. どんな人が大腸カメラを受けるべき?

大腸がんにおいても、他の消化器がんと同様に早期の場合は初期症状はほとんど見られません。がんが進行するにつれて血便や便秘や下痢、残便感、便の狭小化、貧血などが見られることがあります。そのため、症状がでて大腸がんが発見された場合はすでに進行がんであることがほとんどで、大腸がんの病期(ステージ)が進行していることが多くなります。現在症状が出ていないから「まだ安心だ」と安易に考えず、普段から定期的に大腸カメラを受診しておくことで、大腸がんのリスクを低減することができることを肝に銘じておきましょう。

たとえば、20代だからといって「検査しなくても大丈夫」ということもありませんし、何かしらの症状があったり、医師の診察の中で必要だと判断された場合には、大腸カメラはすぐにでも行うべきです。しっかりと大腸カメラの検査を受け「何もなかったから大丈夫」という形に考えを変えてもらうことはとても大事です。

次のような人は大腸がんのリスクの高い人となりますので、なるべく早く大腸カメラを受けましょう。

3-1. 大腸カメラを受けたことがない人

これまでに大腸カメラを受けたことがない人は、年齢性別関係なく受けてみることをおすすめします。実際、論文や文献を見る限り40~45歳で内視鏡検査を受けた方が良いという結果も出ています。ただし、単純に年齢だけで区切るのではなく、年齢に加えて症状がある場合には、早めに大腸カメラ検査をするべきです。

3-2. 鉄欠乏性貧血と診断された人

40歳以上になり、健康診断で「鉄欠乏性貧血」を指摘された人は、何か体内で出血しているなど貧血となる原因があると思われます。そこで考えられる原因のひとつに大腸がんがあります。

鉄欠乏性貧血とは、体内の鉄分が不足することによって起こる貧血の一種です。鉄は赤血球中のヘモグロビンというタンパク質の構成要素で、酸素を全身に運ぶ重要な役割を担っています。この鉄が不足すると、ヘモグロビンの合成が妨げられて赤血球の数や機能が低下します。その結果、全身の組織や臓器に十分な酸素が供給されず、疲労感、めまい、息切れ、頭痛、皮膚の蒼白などの症状が現れます。

この鉄欠乏性貧血の主な原因ですが、偏った食事や栄養不良による鉄分の摂取不足や、消化管からの出血などがあり、特に女性や成長期の子ども、妊娠中の人は鉄分の需要が高まるため発症しやすい傾向があります。成人女性の場合は、子宮筋腫がある場合に鉄欠乏性貧血を認めることが多いので、婦人科を一度も受診したことがない人や定期的に受診していない人は受診を考慮する必要があります。

出血は大腸がんの一般的な症状のひとつであるため、血便や黒色便が見られた場合、また便潜血で陽性となった場合には、大腸がんが潜んでいる可能性があるので、大腸カメラ検査で医師による正確な診断を受けましょう。

3-3. 家族歴がある人

家族に大腸がんに罹患した人がいるなどの家族歴があったり、近親者に大腸ポリープがあるといった人の場合、大腸カメラの検査はとても大事です。

大腸がんのほとんどはポリープが大きくなってがんになっていきますが、ポリープは体質的に遺伝していく可能性が高いと考えられています。遺伝的な要素は顔と同様に腸の形も似てくるため、両親や祖父母、兄弟姉妹などで大腸ポリープを切除したことがある人、大腸がんの人が近親者にいる場合、間違いなくポリープができやすい体質が受け継がれている可能性が遺伝学的に高いと言えますので、大腸カメラを受けてみることがおすすめです。

ちなみにいきなり大腸がんが発症することは非常に稀で、隆起型または扁平隆起型のようにいずれも粘膜の隆起を主体としているので、大腸カメラで見つけることが重要です。ごくまれに炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)のあと陥凹型と言われる成長が非常に早いタイプのがんが発症することもありますので、それもしっかりと検査を行いましょう。

また、リンチ症候群という家族性で遺伝的に20歳代の若年でがんを発症する疾患があり、兄弟を含めた家族や親族に若年でがんを発症している人がいれば注意が必要です。心配な人は、かかりつけ医や消化器内科専門医に相談し、遺伝子を調べることが必要になる場合は、遺伝子検索を含めて大学病院の受診が推奨されることもあります。

4. 大腸カメラのレベルで切除できない大腸がんはとてもリスクが高い

抗がん剤

大腸がんの便潜血検査で陽性となり、それが進行がんの症状の場合には大腸カメラによる検査では病変を切除することができません。取れない段階で見つかった進行がんの治療は外科手術が考慮されます。がんを含めた大腸を部分切除し、その周辺のリンパを切除する必要があります。

その段階でCT検査を行ってみると、多臓器へ転移がある場合は外科治療だけではがんを根治することができない場合も出てきます。大腸がんの場合は血管を介して肝臓へがんの転移がある人が多く、他臓器に転移がある場合はいきなりステージ4と診断されるため、抗がん剤を中心とした治療に切り替えざるを得なくなってしまいます。

ですから、いかに症状がないうちから(ポリープの段階から)見つけて切除することが大事かということを理解し、定期的な大腸カメラ検査を受けることが重要となります。

5. まとめ

内視鏡

以上、大腸カメラを受けたほうが良い人の特徴や大腸がんから身を守る方法などについて紹介してきました。

大腸がんのおよそ9割は大腸ポリープが進行して出来ていくものと考えられていますが、大腸ポリープの状態で何らかの症状が出る人はまずいません。たまたま便潜血検査で引っかかったり、おなかに何らかの症状があって検査をしたら大腸ポリープが見つかったという人がほとんどなのです。

そのためにも定期的に大腸カメラを受診し、大腸ポリープを切除することが大腸がんの予防の第一歩です。年齢にもよりますが、大腸ポリープがなければ3年から5年ぐらいは大腸カメラ検査をしなくても良いと思いますので、大腸がんの不安を感じる要因をお持ちの人、40歳以上になり一度も大腸カメラを受けたことがない人であれば、すぐにでも大腸カメラを受けてみましょう。

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