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おすすめ内視鏡豆知識
Endoscopist Doctor's Knowledge
胃カメラ検査(胃内視鏡検査)は、口または鼻から内視鏡を挿入して食道や胃、十二指腸といった上部消化管の粘膜を観察する検査です。主に食道がんや胃がんをチェックするのに行われる検査として知られていますが、胃カメラ検査で発見できる病気は何も胃がんや食道がんだけではありません。それ以外の重篤な病気の発見にも胃カメラ検査は非常に有効とされるため、定期的な胃カメラ検査の受診が推奨されています。
今回は、食道がんや胃がん以外に胃カメラ検査で発見できる病気について詳しく解説していきます。
胃カメラ検査でわかる食道の病気ですが、次のようなものが挙げられます。バリウム検査では見つけにくい病変も胃カメラ検査であれば見つけられますので、少しでも異変を感じたら胃カメラ検査を受けましょう。
食道の炎症として有名なものとしては逆流性食道炎があります。逆流性食道炎とは食道に胃酸が逆流して食道の粘膜が火傷をしている状態のものを言います。食道粘膜は通常白っぽい色をしていますが、炎症がある場合には赤くなるため、胃カメラ検査を行うと確認することができます。胸焼けや酸っぱい液体が喉まで上がってくる感覚が主な症状としてあり、検査結果によっては内服治療が必要となります。
逆流性食道炎が原因で食道がんになることもあります。逆流性食道炎と診断された場合には、まず食習慣や生活習慣の改善が必要となります。
食道アカラシアはあまり耳にすることがない疾患だと思います。比較的珍しい病気です。食道の蠕動運動がうまくいかない、また胃と食道の間がきつく食道内に食べ物が停滞してしまうことで症状が発症します。症状としては、食道から食べ物が落ちていかない、食後によく嘔吐する、寝ている時に無意識に嘔吐する、などがあります。
食道アカラシアの場合、胃カメラ検査をすると食道内に食べ物が残っていたり、胃と食道の境界が狭くなり通過障害が起きていることが確認できます。
薬剤性食道潰瘍とは、薬を飲む時に十分な水分を取らずに薬が食道にへばりついてしまい、そこに炎症や潰瘍ができてしまう疾患です。錠剤やカプセルが食道に長時間留まることで起こります。
薬剤性食道潰瘍になると、飲み込む際に食道に強い痛み(嚥下痛)が生じますが、特に治療薬はなく数日で自然に治ります。
胃アニサキス症とは、生魚を食べた際に魚介類に寄生する線虫アニサキスが胃の壁に侵入し、強い腹痛を引き起こす病気です。食べてから数時間して胃痛が発症します。痛みの強さは人それぞれで、激痛になることもありますし全く痛みがないこともあります。
アニサキスについて知見のある人の場合、起きている痛みがアニサキスかもしれないと考え胃カメラ検査を希望して受診するケースが多く、実際に胃カメラ検査をしてみると、胃壁にアニサキスが食いついているのを発見することがあります。アニサキスを発見したら除去することで痛みがなくなりますが、単に引き抜こうとすると頭が残って痛みが続いてしまうため、丁寧に鉗子を使って除去していきます。
胃マルトリンパ腫とは、胃の粘膜に存在するリンパ組織から発生する悪性リンパ腫です。白っぽいのが特徴で、1箇所にのみ発生することもあれば何箇所にわたり同様の所見ができていることもあります。
胃がんの一種である未分化がんも白っぽくなることから、胃マルトリンパ腫との選別が必要となるため、胃カメラ検査がとても重要です。
胃マルトリンパ腫の発症原因としては、8〜9割がヘリコバクターピロリ菌感染であるとも言われています。発症初期にはほとんど症状がありませんが、進行すると胃の不快感や痛み、食欲不振、貧血などが起こることがあります。
胃マルトリンパ腫は胃に限局していることが多く比較的治りやすい病気ですが、早期に発見しないと進行してしまう可能性があります。
胃粘膜下腫瘍とは、胃の粘膜下にできる腫瘍の総称です。通常の胃がんは粘膜に発生するのですが、粘膜下腫瘍は粘膜下層や筋層といった粘膜の深い層から発生します。
胃粘膜下腫瘍自体は珍しいものではなく、多くは良性で小さな腫瘍は経過観察するのが普通ですが、大きなものや徐々に大きくなっていくものはGIST(消化管間質腫瘍:Gastrointestinal Stromal Tumor)の可能性があります。
GISTは悪性腫瘍のため、診断されたら外科的治療が必要となります。最近は手術の技術も進歩しているため、小さいものであればGISTの周囲を腹腔鏡で切除すれば治療が完了します。定期的に胃カメラ検査を受けておくと安心です。
胃カルチノイドとは胃粘膜下腫瘍の一種ですが、カルチノイドは悪性腫瘍です。黄色腸の隆起が特徴の悪性腫瘍で生検によって確定診断がなされます。
胃カルチノイドは発生頻度が低いものの早期発見されやすく、胃カメラ検査で偶然見つかることが多いです。小さくて粘膜内に限局している場合には内視境治療も可能ですが、腫瘍が大きい場合には手術が必要なため、比較的小さな段階で見つけることが重要となります。
胃カメラ検査でわかる十二指腸の病気ですが、次のようなものが挙げられます。胃ほど多くはありませんが、いずれにせよ早期発見が大事になります。
十二指腸腺腫は十二指腸の粘膜に発生する腫瘍で、腺細胞が異常に増殖したものです。腺腫は良性腫瘍ですが、放置するとがん化する可能性があります。少し白っぽく平坦なものが多いのが特徴です。
十二指腸腺腫は治療の判断が難しく内視鏡治療となる場合もありますが、小さいものだと経過観察となることもあります。よって胃カメラ検査を定期的に受けておくとよいでしょう。
十二指腸濾胞性リンパ腫とは、白っぽい粘膜と小さな隆起が特徴的な悪性腫瘍です。比較的まれな病気で悪性度は低いものの、進行すると化学療法が必要になることがあります。
十二指腸濾胞性リンパ腫の多くは無症状で、健康診断や内視鏡検査で偶然発見されることが多いです。進行が進むと症状として食欲低下、腹痛、下痢、便秘、消化不良が見られることがあります。
以上、食道がんや胃がん以外に胃カメラ検査で発見できる病気について紹介してきました。
胃や食道、十二指腸には胃がんや食道がん以外にも多くの疾患が存在します。悪性の病気も多く、早期発見・早期治療が必要です。これらの病気は、検診のバリウム検査ではほぼ発見できません。まずは胃カメラを受けてみることをおすすめします。
胃カメラ検査が怖いと感じている人は多いと思いますが、最近では検査が格段に楽になっています。鎮静剤を使って検査ができるため、眠っている間に検査が終了していることが多く、怖さを感じることはありません。検査時間もわずか5〜10分程度とあっという間に終わります。
なお、胃カメラ検査を受ける際には、内視鏡専門医がいる病院を選ぶのが安心です。技術の高い医師が対応することで、スムーズで負担の少ない検査が可能になります。1〜2年に1回程度胃カメラ検査を受けて健康不安を取り除きましょう。
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