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腸内環境を悪化させる要因はこれだ!胃腸のプロが徹底解説

  • 腸内環境

私たちの健康を支える腸内環境は、食事や生活習慣だけでなく、薬の使用によっても大きく影響を受けます。普段何気なく服用している薬が、知らず知らずのうちに腸内のバランスを乱し、善玉菌の減少や腸内フローラの崩壊を引き起こすこともありますし、一部の薬は腸内フローラの多様性を損ない、悪玉菌の増殖を促してしまう可能性があると言われています。その結果、消化不良や免疫力の低下、腸の炎症、さらには体調不良につながる危険性もはらんでいるため、薬の服用には注意しなければなりません。

本記事では、薬剤が腸内環境に与える影響について解説し、腸の健康を守るためのポイントを紹介します。これをきっかけに薬との付き合い方を見直し、腸から健康を整えていきましょう。

1. 腸内フローラに影響を及ぼす薬剤

薬

腸内フローラに影響を及ぼす薬剤には、「抗生物質」「消化器疾患治療薬(胃薬、便秘薬など)」「糖尿病薬」といったものがあります。この3つの薬剤のうち、腸内フローラに大きな影響を及ぼす薬の第1位は消化器疾患治療薬、第2位は糖尿病薬、第3位が抗生物質となります。

今回は「消化器疾患治療薬」について詳しく見ていきます。

2. なぜ消化器疾患治療薬は腸内フローラに悪影響を及ぼすのか?

薬を飲む高齢女性

消化器疾患治療薬の中には「胃酸分泌抑制薬(プロトンポンプ阻害薬)」のように胃酸の分泌を抑える薬があります。ドラッグストアなどでも購入可能な有名なもので「ガスター」や医療機関での処方薬の「タケプロン」「タケキャブ」などがありますが、こういった胃酸を抑える薬は、腸内環境に悪さを働いてしまうと言われています。
なぜ、消化器疾患治療薬が腸内環境に悪いのでしょうか。薬で胃酸を抑えてしまうと食べ物が消化されないまま腸に食べ物が移動していきます。本来胃酸には、病原菌や悪玉菌の増殖を抑える働きがあるため、胃酸を抑えることで腸内に悪玉菌が増えやすくなってしまいます。結果として腸内フローラのバランスが崩れて消化不良や腸の炎症を引き起こす可能性があるのです。

2-1. 胃酸分泌抑制薬で胃酸を抑えるのは好ましくない

胃酸を抑えることは体内のメカニズム的にあまり良くはありません。

たとえば、逆流性食道炎の治療で胃酸を抑える薬が処方されることがありますが、胃酸を抑えたから胃酸が出ない、その結果逆流しないというのは対処療法にすぎません。本来、逆流性食道炎は食道と胃の境目が緩むことにより胃酸が上がってくることで生じるもので、その部分を締めれば逆流しなくなります。腹式呼吸をしたり、ダイエットをするなど生活習慣や食事などを見直し、胃酸分泌抑制薬に頼らないのが本来の姿です。

2-2. 高齢者の胃酸分泌抑制薬服用は特に注意

厚生労働省では、高齢者の胃酸分泌抑制薬服用について、せん妄(意識や認知機能の一時的な障害)や認知機能低下のリスクが高まると警告しています。そのため、高齢者は特に長期間の服用は避けるようにしましょう。

2-3. 口腔内の常在菌が大腸に届くのはマイナス

「ガスター」や「タケキャブ」といった胃酸分泌抑制薬を服用すると、通常であれば胃酸で殺菌されるはずの口腔内常在菌が殺されないまま大腸に到達してしまい、菌が悪さをして大腸の腸内環境が悪くなります。口腔内の悪玉菌「フソバクテリウム・ヌクレアタム」は、がんに関連すると言われている菌で、大腸がんと密接な関係があることが明らかにされています。

本来、口腔内常在菌は酸素がある環境で生きていける菌ですが、大腸は環境的に酸素がほとんど存在していません。にもかかわらず酸素がない大腸になぜ生息することができるのか不思議に思う人もいるのではないでしょうか。

実はこれには「腸漏れ」が大きく関係しています。腸漏れ(リーキーガット症候群)とは、腸の粘膜が傷つき、本来通過しないはずの未消化の食べ物や有害物質が血流に漏れ出す状態のこと。異物が体内に入ることで、免疫システムが過剰に反応し、炎症やアレルギー反応を引き起こすこともあります。

腸内環境が悪くなり腸漏れを起こすと、大腸の中に酸素が侵入してきます。その結果、口腔内常在菌が生息できる環境となり、大腸内で繁殖してしまうのです。その菌が悪さをして腸内フローラがどんどん悪くなり、通常であれば生息しないような菌が住めるようになっていきます。

腸漏れの原因には、ストレスや不規則な食生活、腸内環境の悪化、食品添加物の摂取、薬の長期使用などがありますが、主な症状としては、消化不良や慢性疲労、頭痛、肌荒れ、自己免疫疾患の悪化などが見られます。

口腔内常在菌を大腸内で活性化させないためには、腸漏れを起こさないような食生活や生活習慣を送ることが大事です。

3. 胃酸分泌抑制薬の長期服用は避けよう

スマホで調べる

胃酸分泌抑制薬が体に効くと信じて常時服用している人は多いと思いますが、長期服用している人は、腸内環境がかなり悪いことが予想されますのでできれば一旦飲むのを止めてみることをおすすめします。まずは、一度自分が服用している薬の名前や効能を調べてみることからスタートしましょう。

4. 腸内フローラに悪影響を及ぼす便秘薬

便秘に悩む女性

一般的に便秘薬は、腸の動きを促進して便通を良くする目的で使用されます。しかし、過度な下剤の使用や長期服用は、腸内の善玉菌まで排出してしまい、腸内フローラの多様性が失われる原因になります。腸内環境の乱れが続くと、腸のバリア機能が低下し、病原菌の侵入を防ぐ力が弱まる可能性があります。

胃酸分泌抑制薬同様に便秘薬も腸内環境悪化の原因として挙げられていますが、便秘薬が腸内フローラに悪影響を及ぼす詳しいメカニズムについては、実際のところあまりよく分かっていません。しかしながら、下剤便秘薬の長期服用で腸内フローラを乱すこと自体は判明しており、中にはメラノーシス(メラニン様の物質が沈着して黒ずんだ状態)になったりする人もいるようです。

5. 消化器疾患治療薬に頼らずに腸内環境を整える方法

納豆とオクラ

胃酸分泌抑制薬や便秘薬などの消化器疾患治療薬を長期服用すると、副作用や腸内環境の悪化が懸念されます。薬に頼らず腸内環境を整えるには、食生活や生活習慣、ストレス管理を見直すことが重要です。

5-1. 発酵食品を積極的に摂る

腸内の善玉菌を増やすためには、ヨーグルトをはじめ納豆、キムチ、ぬか漬け、味噌、チーズなどの発酵食品を日常的に取り入れることが有効です。これらの食品に含まれる乳酸菌やビフィズス菌が腸内環境を改善し、悪玉菌の増殖を抑えてくれます。

5-2. 食物繊維を意識して摂る

食物繊維は腸内細菌のエサとなり、善玉菌を増やす効果があります。なかでも水溶性食物繊維(海藻、こんにゃく、ごぼうなど)は腸内で発酵しやすく、腸内フローラのバランスを整えるのに役立ちます。また、不溶性食物繊維(野菜、豆類、玄米など)は腸の蠕動運動を促進させ、便通をスムーズにする働きがあります。これらをバランスよく摂ることで腸内環境が整い、健康的な排便をサポートします。

5-3. 規則正しい生活習慣を送る

腸内フローラは生活習慣の影響を大きく受けるため、規則正しい食事と十分な睡眠を確保することが重要です。適度な運動を取り入れることで腸の動きが活発になり、善玉菌が増えやすい環境が整います。たとえば、ウォーキングやストレッチ、ヨガなどの軽い運動を行うことで便秘の改善にもつながります。

また、ストレス管理も腸内環境に大きく関わるため、リラックスできる時間を持つなども大切です。

6. まとめ

処方薬とお薬手帳

以上、腸内環境を悪化させる要因となる薬について、またそのような薬に頼らない方法について紹介してきました。

飲んでいる薬の数が多ければ多いほど、腸内細菌の多様性は低下していきます。特に短鎖脂肪酸を産生する善玉菌の種類が減少することが指摘されているので、たくさんの種類の薬を飲んでいる人は一度見直してみる、減らせるものはなるべく減らすようにしていきましょう。生活習慣に気をつけていけば、薬が必要なくなる可能性も十分ありますので、薬に頼らない健康維持を目指してみるのはいかがでしょうか。

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